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第1話 グリモア・ラインハルト

 魔族と人間が対立する世界で、ライナク国の第一王子グリモア・ラインハルトは生を受けた。恵まれた容姿、厚い人望、美しい妻。それら全てを持ち合わせる彼を見て、人々は尊敬と期待の眼差しを向けた。


 グリモアは、もちろんその期待に応え続け、王子として立派に職務を続けてきた。貴族の汚職には断罪を下し、国民を第一に考えた。そんな彼を支持する国民は沢山いる。


 ライナク国は、平和で豊かな国である。そんな平穏の一翼をグリモアは担っているといっても過言ではない。


 さて、そんな文句のつけようもない男、グリモア・ラインハルトであったが、彼にはたった1つだけ世間には絶対にバレてはいけない秘密があった。


 それは、重度の魔物フェチであり、魔物におびただしい興奮を催してしまう事。一度、彼が魔物娘を見ようものなら、グリモアのラインハルトは、竜を断ち切るがごとき大きさまで膨れ上がる。


 グリモアは自身の性癖を隠し続ける。それに、彼には人間の妻もいるのだ。このような性癖を持ち続けるべきではない。とは思いながらも、断ち切れないのが男の性。グリモアは、今日も魔物フェチを抱えて生きていく。

 

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