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Episode 2 ~Die or marry~

 ——————————————————

「死神さんどこにおられます?」

 校門を出て階段をくだり少し走って丘の上まで来た。ここなら多分誰にも危害を加えられないだろうと思った。

「初めまして。わぁ本当に僕のことが見えてるみたいだねー。なんでかな?死の気配は感じないんだけど…もしかしてこういう類の者見える系の人間?」   

「まぁ一応…生まれつき人間でない者が見える体質で……そんなことより私本当に死にませんか?死神ということは迎えに来たとばかり思ってそうじゃないんですね。少し安心しました。」

「そうみたいだね、ただいつものように僕が見えてるだけみたいだね。人間でない者の僕がね」

「なら幸いです」

「でもね、知ってる?死神と目が合ったり名前を知られたら君はどうしても死ななきゃいけなくなるってこと。それがこちらの世界の掟。」

「ちょっと待って下さい。死なないって言ったじゃないですか!しかも名前は知らないでしょう?」

「ごめんねー。今思い出しちゃって。名前は教科書に書いてたのが見えたんだよねー。」

「どうしても死なないといけませんか?どうにか回避する方法はありませんか?なんでもしますからお願いします…」

 こんな私でも死ぬのは怖い

「んー。申し訳ないけど掟だからね。こればっかりは。」

「……本当ですか」

「あ!いいこと思いついたよ!僕のパートナーになるのはどう?死神とパートナー契約を結ぶんだよ」

「どういうことですか?ぱーとなー?」

「そう。パートナー。まぁいわゆる僕のお嫁さんになるってことだよ」

「は?死神と人間が夫婦になるって言ってるんですか?」

「んーまぁ少し不思議だけど別に死神が人間と結婚してはいけないという掟はないし、君が僕と結婚することで君は死神の世界では神的存在になれる。誰も手を出すことはできない。いくら掟だろうと。」

「神的存在?どうして?」

「死神が見える人間なんて我々の世界では貴重な逸材なんだよ。神がこの地に生命を吹き込んだ時から逸材はこの世に一人だけ存在してきた。その者とパートナー契約を結ぶことができた死神は神の夫と言われてきた。先日我々にとって貴重な存在であるリーンビッヒ様がお亡くなりになられたからもうすぐ誰かが新しい逸材を連れてくると騒ぎになっていたが、僕が一番最初に見つけるとはなー」

「待って、話がよく分からない。どうして死神の世界であなた達が見えるだけで、ただの人間が死神界の神になれるのよ…」

「それは…人間には奇跡を起こす力があるからだよ。」

「奇跡?」

「うん。僕達死神は普段それぞれ一人一人の人間の寿命を基に作られた死人名簿が毎日渡されて、その人の元へ迎えにいくんだ。それが僕達の仕事。だけど人間界でもあるように。急に仕事が入ることがあるんだ…」

「急に?」

「そう。例えば通り魔などで殺されたりなどの誰かの手によって死んでしまったりする人は人間が作り出した「死」だから僕たちには予想はできない。そんな予測不可能な死は名簿にはのらないから僕達にとって急なお仕事。急なお迎えになるんだ。」

「予測不可能な死…でも奇跡と何が関係あるの?」

「人間はそれを止められるでしょ?誰かを守ったり救ったりすることが出来る。それが出来るのは人間の気持ちって部分だけだから死神を見ることができる人間には死神の世界に来ると天使から特別な能力を授けられる。人間の世界での急な死を止める力がね。」

「え?止める力?私なんかにはそんな仕事できない。しかも死神の世界にはいけない。」

「でも君が生き残るためにはこの方法しかないよ。君に選択する余裕なんてないと思うんだけどな」

 私が死神の夫になんてなれる訳ない…いや私じゃなくても誰もなろうとは思わないのでは?いや、考えなくては死にたくないのならその手しかないのだろうか。仕方がないと割り切るべきか?悩みに悩んだ末頑張ってだした結論がこれだ——

「今日からよろしくね死神が見える不思議な人の子ちゃん」

「僕のお嫁さん——」

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