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オタクが悪役令嬢に転生したら婚約者が優しい件について

作者: とりやま

私は教室の隅で輝かしい高校生活をドブに捨てながら携帯小説をこそこそ読んでるタイプのイモ女だ!この状況をやさしく3行で説明しよう!!


授業中に寝ちゃって

ふと目を覚ましたら

乙女ゲームの悪役令嬢


何を言っているのかわかるかい!?

HAHAHA!私はまるでわからないッ!いやこれは前世で散々読んだ異世界転生だけども!なろうでめっちゃ読んだしついでに言うと原作の乙女ゲームも大好きだからこの世界のことは全部わかるんだけど!!


わからない…!わからない!どうしてこうなったの!?てかほんとに悪役令嬢に転生する事ってあるんだ…!?てか死んでないのに転生!?!?なんで!?!?え授業中の睡眠って死亡判定なの!?罪重すぎない???


嬉しい半分焦り半分ですわ…

いやそりゃね?好きな乙女ゲームの世界を目の前で見れるのは嬉しいよ??

めちゃめちゃ嬉しいよオタク冥利に尽きますともええ。

でも別に推しと三次元の恋愛したいわけじゃないし…!そもそも転生したのは顔は良いけど性格悪いテンプレ悪役令嬢…ッ!それも「推し」の婚約者の女!!

無理!推しに冷たい顔される未来しか見えない…あっ////それはそれで興奮しちゃう////


「お、お嬢様…?どうなさいました?お料理が口に合いませんでしたか?」

「ウ゛ォアエ!?ア、ア…ウ、ウメー!」

「そ、それは何より…」

ふぅ〜ッ危なかった〜ッ、低音イケボのイケメン執事(25)に転生令嬢ってバレるとこだった〜〜ッ!!ていうか考え事しながらお食事は失礼にあたりますわぁ〜〜!限界オタク令嬢(17)以後、気を付けます。


大層うんめぇえぇ〜食事に舌鼓を打ち、バカほど広い屋敷のバカクソ広い自分の部屋に戻ってこれからのことを真剣に考える。


たしか記憶が戻る前は悪役令嬢のテンプレみたいな女なんだよね……

元はわがまま放題でありとあらゆる親の権力をガンガン行使するアホアホ箱入りお嬢。

15歳で顔のいい男(推し)に一目惚れして無理やり婚約するけどあまりにもわがままな性格で最初からうっとうしがられている。


そして最終的に婚約者とイチャつくヒロインにいじわるをして婚約者にブチギレられて罵声を浴びせられそのまま破局…う〜んテンプレ!


(いやでも正直これはさぁ〜婚約者がいながらヒロインとイチャイチャしてた推しも悪いよ〜〜嫌いならちゃんと別れるとかすればいいのにさぁ〜〜浮気じゃん!令嬢ちゃん目線普通にムカつくな推し コラ!!!!)


あと、何故か記憶が戻る前の人格?的なのは残ってない…(ごめん!令嬢ちゃん…!!オタクに乗っ取られて不快だろうけど許してくれ…!)わがまま放題してたはずなんだけど、その記憶はない。


令嬢としての記憶は無いけど、前世(?)の記憶は引き継いでいるからこの世界の事は全部わかる。原作ファンだから。


この世界はよくある魔法とか出てくるファンタジー乙女ゲームではない。したがって、ヒロインに特別な力があるとかでもない。昔のヨーロッパが舞台で、ヒロインは顔と性格が魅力的ってだけ。まぁほんっっっとに顔がよくて性格も異常なほど優しいから特徴的といえば特徴的なんだけどね。


その世界観の普通さが結構好き、登場人物も少なめでシンプルだったし。ひねりがないって理由でネットでは不評だったけど…有名声優に釣られてあんまり期待せずに買った。でも最終的には少ないグッズを買い漁るほどのファンになっちゃったなぁ…


ほんとにグッズ無くて苦労したな〜ア○メイト、らし○ばん、タ○レコ、古本○場…回りまくったのに結局缶バッジ一個しかなかったのは流石に辛かったなぁ〜……そう考えたら今めっちゃ幸せだ〜!!グッズまみれみたいなもんだもん〜〜ハァ〜〜〜〜神様〜〜ありがとーーーーーーーー!!!!キスしちゃお〜〜チュッチュッヂューーーー‼︎‼︎‼︎




「お、お嬢様…!?天に向かってなぜ唇を突き出しているのですか…!?も、もしや…病気…??」

「オゥわぁあぁ!?!?低音イケボのイケメン執事(25)さん!?!?オタクの部屋に入る時はノックをしてもらえますぅ!?」

「て、ていおん…?いけめん…?おたく…?お嬢様、やはり何かの病にかかっているのでは…?」

「い、いや大丈夫ですわ、わたくし通常運転ですわオッホホホッホッホォ〜〜〜〜〜⤴︎実はこのわたくし、インフルもノロもかかったことなくてヨッ!」

「はぁ…いんふるも、のろも存じ上げませんが…お嬢様が元気なら何でもいいです…婚約者様がお見えですので、至急着替えて応接間に…」


待って…婚約者って言った?


「ハァッッッ!!!!!!!!コココ…コン…コンッッッ!!!!!!!!つまり推し!!!!!!!!!!!!!!!!」

嘘でしょ?なんの心の準備もできてないんだが????今から推しに会うの?え?あの顔面人間国宝と…?嘘…ちょ、待てよ…

「お嬢様、医者をお呼びしますので…」

「ア ワタクシ ゲンキ」

「いやお嬢様汗びっしょりで明らかに体調悪いですよ…婚約者様には言っておきますので、今日は休んだ方が…」


あ、あかん…!!取り繕おうとすればするほど混乱してまう…!低音イケボイケメン執事(25)に気を遣わせてしまう…!クソ、私が元演劇部なら上手く切り抜けられたのに…!なんで帰宅部やったんや前世の私…!ここはもう正直に言ったほうがええ!


「いやほんと、お気遣いはありがたいんですけどハイ、あのすみません ほんとオタクの限界までキモいところ見せて申し訳ないんですけども、実は病気じゃなくてですね…ほんとに婚約者様と会う緊張がヤバくて へへへ……」

「は、はぁ。緊張、ですか…」

「そうなんすよ!!無理 無理ゲー!!」

ギャーギャー騒ぐオタクに低音イケボイケメン執事(25)がとった行動は___________

「お嬢様、よしよし。大丈夫ですよ」

頭なでなでだった。

「えっちなおねえさんムーブやめろ!!!同人誌の餌食になるぞ!!!!」

心が童貞のオタクは なんかもう耐えきれなくて 応接間に逃げた!





応接間の扉前で、私は完全に動けなくなった。

そっと覗くとあらびっくり そこには顔面偏差値5000兆の男〜〜〜!


「うわほんまに推しがおる いやあの顔は心臓に悪い 今すぐ全部なかったことにして帰りたい 前世に(小声)」

待って 無理 夢? いや辛い 顔が良すぎて辛い ありがとう世界 ありがとう推し お前が神の最高傑作だ!!!!!!!!


「…あの子はいつ来るんだ、いきなり来た俺が悪いのはわかるが…流石に遅すぎないか?」

はい出ましたドッッッチャクソイケボ。びっくりしたイケボすぎ。声優やったら?

紅茶を優雅にすすりながら近くのメイドに尋ねる推し…!やばシンプルにかっこいい…かっこいい界のカリスマ、実にすこだ…死ねる


「そろそろ来るはずなのですが…」

うちのかわいいメイドさんが困り顔で答えてる。あぁあぁメイドさん困らせてるの申し訳ない…でも困り顔のメイドさんも可愛いよハァハァ。いや興奮してる場合やない。これ行かなくちゃいけないよね???でも待って あと100万時間待って オタク、推しとの予期せぬ接触はかなりキツいの。心臓発作起こすかも知れないから。オタクは常に命がけ、ギリギリで生きてんの。わかる?


「ん?…おい、そこにいるのか?」

はぁああぁああぁえあぁあぁあぁ!?!?!バレた!?!!?なんで!?!!?

動揺してる間に部屋に引き摺り込まれて、やわらかムッチリ雄っぱいに頭をむぎゅむぎゅされる。

「やっと来たか俺の婚約者!今日も本当に綺麗で最高だな!愛してるぞ♡」

「はぇえぇえぇ〜????????……ア、ア、好き…好き…」


え?なに?なに?なに?何が起こってんの?は?もしかしてわたし今推しと濃厚接触してる?ん?そういうこと?え?


「ん?俺もお前が大好きだ〜!今日も可愛いな〜!お前が未来の嫁だなんて…俺は世界で一番の幸せものだ!」


待って普通にガチ恋になるんですが…???やめてもらえます??自分がイケボってこと自覚した行動をしてくれませんか?てかやたら優しくない??おめめとろとろ顔でろでろ声あまあまじゃんどうした???貴方ヒロインにすらそんな顔した事なかったでしょ??我、天下の「「悪役」」令嬢ぞ?????


「えっちすぎて存在がR-18」

「ハハハ!面白い口説き文句だな〜どこで覚えてきたんだよ。なァ、それより今すぐ籍入れ…」

バターーーーーーーーーーン‼︎‼︎‼︎

「お、お、お嬢様ーーーー!?!?」

オタクは倒れた 推しの眩しさに耐えられなかったのである

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