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1. 今までのあらすじ

 この小説は「新米女神トモミの奮闘記」、「新米女神トモミの冒険」に続く新米女神トモミシリーズの三作目になります。前作までのあらすじは以下の通りです。すでに読まれている方はスキップして下さい。


- 新米女神トモミの奮闘記

 食べるのが好きでちょっと太目のOLであるトモミは大学時代の同級生ハルトと結婚したばかりの新婚さんである。幸せいっぱいのふたりであるがハルトにはある秘密があった。彼は地球から遠く離れた惑星ルーテシアを管理する女神の息子だったのだ。女神の息子であるにも関わらず魔力が全くないハルトは母親である女神ルーテシアの勧めで魔法が存在しない惑星である地球に移住していた(なお女神の名前と惑星の名前が同じなのは偶然ではなく、女神ルーテシアの管理する惑星ということで惑星の名前もルーテシアになったらしい)。

 ハルトから秘密を打ち明けられたトモミはハルトの妻としてお義母(ルーテシア)様へ挨拶するために惑星ルーテシアにやって来た。女神であるお義母(ルーテシア)様と会うことに緊張するトモミであったが、お義母(ルーテシア)様はトモミをひと目見るなり震えながらトモミの前に(ひざまず)いた。驚くトモミにお義母(ルーテシア)様はトモミの前世が自分より遥かに上位の神であると告げる。魔力を感じることの出来ない地球の人間やハルトには分からなかったのだが、惑星ルーテシアの人々にはトモミがとんでもない魔力を秘めていることが一目瞭然であった。

 だがトモミには神としての自覚も記憶もない、神として持っている魔力を使うことも出来ない。魔力が使えない原因が魂と身体を繋ぐインターフェイスが何者かに曲げられているからと見抜いたお義母(ルーテシア)様はトモミにインターフェイスを修復して、自分に代わってこの惑星の女神となってくれる様に懇願する。実はお義母(ルーテシア)様は上位神より別の惑星への異動を命じられているが、お義母(ルーテシア)様が居なくなるとこの惑星の人族は自然災害と異常気象により滅亡する可能性が高いと言うのだ。お義母(ルーテシア)様の願いを聞き入れインターフェイスの修復を試みるトモミであるが、試みは失敗し強すぎる魔力が一気に流れ込んだトモミの身体は爆散する。

 お義母(ルーテシア)様のお蔭で辛うじて命を取り留めたトモミであったが、その身体は胎児となり培養槽の中で成長し直すことになった。5年後に培養漕から復活したトモミは初めて神の力を使うことに成功し、惑星ルーテシアの新しい女神としてハルトと共に慣れない女神生活を開始することになる。

 その後、心配されていた自然災害と異常気象を謎の技術者アレフの作った惑星安定用の魔道具を用いて防止することに成功。時間が出来たトモミはハルトと共に正体を隠して視察(食べ歩き)の旅に出る。旅の途中で貴族令嬢カトリーと知り合いになるが、なんと彼女はトモミが会いたいと思っていた謎の技術者アレフからの求婚を断りに行った帰りであった。「世の中狭いね」と偶然に驚くトモミであったが、その後カトリーが何者かに誘拐されてしまい、トモミはカトリーの恋人であるキースタリア王太子と共に救出に尽力することになる。だが捜査は遅遅として進まない。焦るトモミ達の前にアレフが現れ王太子に捜索のための魔道具を提供するが、王太子から嫌われたアレフは捜査から外されてしまう。

 その後、アレフの残して行った魔道具を使ってカトリーの監禁場所を突き止めたトモミと王太子は誘拐犯のアジトに乗り込むが、隷属の首輪を付けられたカトリーを人質にされ窮地に陥る。トモミ達の危機を救ったのはそこに突然現れたアレフだった。アレフは捜査から外された後も愛するカトリー救出のためにすべての可能性を考慮の上準備をしていたのだ。目が覚めたカトリーに再び拒絶され落ち込むアレフにトモミは声を掛けた。アレフの才能を見抜いたトモミは彼に女神としての正体を明かし、人族としての最高位となる女神代行官への就任を依頼した。アレフはこれを引き受け、以来トモミの傍でその才能を発揮することとなる。

 それから3年後、トモミとハルトの前に亡くなったと聞いていたハルトの父が現れる。ハルトの父はトモミ達に驚くべき真実を告げた。すべての神々の頂点にいる超越者と呼ばれる神が、実は上位次元から来た侵略者であり、この宇宙の魂を何らかの目的で自らの次元に送り込んでいるというのだ。神々は薄々感づいているが、超越者を疑い調べようとした神がことごとく行方不明になったため表だっては逆らえないでいる。実際真っ向から戦えば実力差から超越者に勝てる見込みはない。だが神々も手をこまねいているだけではなかった。超越者がやって来ることが出来ない下位次元にそれぞれの銀河毎に逃げ込む準備を進めているのだそうだ。だがトモミ達の銀河を管理している上級神であるリリ様は怪しい動きに感づいた超越者に追い詰められ、身を隠すために目の前を通りかかった人間の魂に憑依した後行方不明になっている。リリ様の力がないと下位次元への銀河の退避は出来ない。そのためハルトの父達はリリ様の魂を宿した人間を探し回り、(ようや)く見つけたのがトモミだとのこと。すなわちトモミは普通の人間であり、神の力が使えたのは上級神リリ様の魂が憑依していたためらしい。

 トモミはリリ様の魂の分離に成功し、目覚めたリリ様はトモミに迷惑を掛けた詫びを言うと銀河を下位次元に退避させるべく急ぎ飛び去った。後に残されたトモミはこれで人間に戻れるとある意味安堵する。しかし、翌日になって銀河の退避が成功したことを知らせに来たリリ様からトモミはまさかの人外宣告を受ける。リリ様の魂が長年に渡って憑依していたためにトモミの魂が影響を受け、もはや人とは呼べない段階まで進化しているというのだ。こうして亜神となったトモミは引き続き惑星ルーテシアの女神を続けることとなる。


-新米女神トモミの冒険

 トモミが亜神となってから11年が経った。トモミの魔力はリリ様がトモミの魂から離れてからも増え続け現在は中級神並みになっていたが、トモミは昇進を固辞し続け亜神のままである。生まれてから半世紀にもならない自分は魔力があっても経験不足で務まるわけがないと考えているのだ。そんなトモミに対しリリ様は銀河の秩序を守るために例外は作りたくないと考え、トモミを説得できる機会を待っているのであった。

 トモミは忙しい日々を過ごしていた。自分の惑星の管理に加え他の神々から惑星に衝突しそうな彗星や小惑星の除去依頼を引き受けているからだ。超越者により行方不明にされた神々が多い為多くの惑星が神不在となっており、リリ様を始めとする上級神、中級神はそれらの惑星への対応で手が回らない。そのため人の身体を持ち銀河を自由に動き回れるトモミに依頼が集まって来る。各惑星を管理している下級神は惑星を自分の身体としているためトモミの様に動き回ることが出来ないのだ。だがさすがに巨大な小惑星や彗星はトモミの魔力をもってしても簡単には除去できない。トモミは親しい中級神に除去方法をたずねるが、それは軌道計算とシミュレーションを繰り返し行い最少の魔力で軌道を変えるタイミングと方向を求めるというものだった。軌道計算と聞いただけで怖気づくトモミ。計算事は苦手なのだ。困ったトモミは独自の方法を編み出す。破壊魔法の魔力を魔力遮断結界の中に数発分溜めてから一気に打ち出すことにより威力を高めるというものだ。これにより破壊魔法の威力を上げることに成功し、小惑星・彗星の除去作業は苦ではなくなった。元々各惑星の下級神からお礼に提供されるその惑星の名物料理や菓子が大いに楽しみではあったのだ。

 そんな中、トモミは亜神仲間のパルから頼まれごとをする。パルはほんの10年ほど前に神に成ったばかりだが前世の記憶をもっている。依頼の内容は前世で大魔導士として住んでいた惑星から弟子だった少女を救い出して来ること。パルが前世で住んでいた惑星には神が不在であり、自然災害と異常気象で悲惨な状態になっているという。だがパルの依頼で訪れた惑星カーニンでトモミは目を疑う光景を見る。神の居ない惑星であるにも関わらず自然災害とも異常気象とも縁が無さそうに見えたのだ。不思議に思ったトモミは惑星の住人から10年ほど前に現れた精霊様のお蔭だと教えてもらう。精霊って何? と不思議に思うトモミだが、この惑星では神に代わり精霊への信仰が広まりつつあった。精霊の預言者ドリスという少女が信仰を広めているらしい。パルに頼まれた少女を探すトモミだが、その少女こそが精霊の預言者ドリスであることを知る。

 ドリスを暗殺者から救ったトモミは、彼女と共にいる精霊ロキから彼女の護衛を頼まれるが、夕食を家族と一緒に取りたいトモミは、夜にはドリスに我家に来てもらうことを条件に護衛を承諾する。更に惑星を自然災害や異常気象から守ってくれた精霊ロキに感謝し惑星安定化の魔道具をプレゼントするのであった。ドリスは神であるトモミが家庭内では普通に主婦として子育てや家事をしていることに驚くが、一方で精霊ロキもトモミを観察しトモミを信頼して自分達の正体を明かすことを決意する。精霊の正体はトモミ達が銀河ごとやって来た下位次元に元々住んでいた人々でありその多くが神に近い魔力を持っていた。ロキがドリスと共にいたのは彼らの次元に突然現れたトモミ達が敵か味方かを判断するためであったのだ。彼らの次元に勝手に乗り込み迷惑を掛けていたことを知り謝罪するトモミにロキは更に驚くべきことを告げる。彼ら精霊に超越者から念話で接触があると言うのだ。超越者はトモミ達が精霊の敵であり、滅ぼされたくなければ自分をこの次元に招き入れるための次元ゲートを作る様に促しているらしい。幸い精霊王であるロキの冷静な対応の元、精霊達は次元ゲートを作成しているものの稼働はロキの判断が下りるまで待っているらしい。その後ロキは次元ゲートの破壊を部下に命じてくれ、トモミの知らせを聞いて急遽現れたリリ様とも和解しこれで一安心と思ったのも束の間、次元ゲートが結界で覆われ破壊出来ないだけでなく、上位次元から魔力が強制的に流し込まれ稼働されようとしているとの連絡が入る。あわてて次元ゲートに瞬間移動するロキとトモミ。一番魔力の大きいリリ様は銀河全体が身体のため銀河から離れた位置にある次元ゲートには転移できないのだ。ゲート付近ではすでに多くの精霊がゲートを破壊すべく攻撃しているが、結界が強力なため効果がない。トモミは小惑星・彗星除去の要領で数発分の破壊魔法の魔力を溜めて放出するが駄目であった。次元ゲートには刻々と魔力が蓄積され稼働は間近である。超越者がこちらの次元に来ればすべてが終わると感じたトモミは最後の賭けに出た。巨大な魔力遮断結界を作り自分の魔力だけでなくすべての精霊の魔力を溜めて一気に放出することにしたのだ。皆で精一杯の魔力を溜めるがまだ足りないと感じるトモミ、だがこれ以上は待てないと思った時一気に魔力が増える。リリ様が銀河ごと次元ゲートの傍に転移して魔力を供給してくれたのだ。トモミ達の精一杯の攻撃を受け次元ゲートは破壊された。そしてなんとこの時ゲートを潜ろうとしていた超越者の魂が次元により分断される形となり消滅したのであった。

 その後リリ様は精霊を神々に紹介するという名目で、銀河のすべての神々が集う神界総会を開催する。その場でリリ様の策略によりトモミは中級神への昇進を承諾させられ、中級神としての生活がスタートするのであった。


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