閃き
それからは、能力と能力の攻め合いだった。
炎を避け、時々掠り、火傷を所々を負いながら、相手に鉄パイプで殴り、まさに攻防一体、その言葉が似合う戦いだ。
途中で幸子ちゃんが起きるかどうか、不安になりながら、戦う。
「!!」
相手の炎を避け、鉄パイプを相手の右腕にクリーンヒットさせる。
相手は大きく疼き、右腕を抑えながら炎を吐く。
私は、鉄パイプを持っている手を、思いっきり火傷し、鉄パイプを、落としてしまった。
咄嗟にもう反対側の手で鉄パイプを拾い、距離をとる。
「そろそろ、本気で殺しにかかりますね」
相手はそう告げ、私の周りの炎を操り、ムチのようにして、叩いてくる。
私は全て紙一重で避けるが、このままでは時間の問題だと考える。
必死に頭を回転させ、何か打開策はないかと考える。
「あっつ!」
鉄パイプが相手の皮膚にあたり、相手が悶絶する。
気づいたら、いつの間にか鉄パイプの先端が赤く染まっている。
火を鉄パイプで防いでるせいか、いつの間にか、鉄パイプに熱がかなり宿っていたらしい。
そして私は閃いた。
相手は自分で出した炎の熱さには耐性があるが、鉄パイプを伝って受けた、熱は熱く感じたのだ。
ということは、
もし、私の能力で、相手の図上にある鉄パイプの屋根を落とせば避けたとしても、掠った時の熱さでかなり痛手を追うのではないかと。
私は、必死にペン回しの時に落とした、ペンを拾う時みたいに、鉄パイプの屋根を能力で引き寄せる。
相手にバレないよう、ゆっくり、ゆっくりと
「くそ…!拉致があかねぇ!」
相手はそう言いながら、私の足を炎のムチで叩く。
「ツッ!」
私は派手に転び、足を抑える。
足を見ると、叩かれたところが黒く焦げかけている。
相手はそれをいいことに、炎のムチで、足を抑える蹲っている、私を躊躇せず叩き、叩き、叩きのめす。
「グゥゥゥ!」
熱い、痛い、熱い、痛い、
二つの感情が入りみだり、私は絶叫をあげる
そして、準備は整った。
次の瞬間、相手の頭上から鉄パイプの雨が降り注ぎ、相手は叫ぶ。
相手も、今、感じているだろう。
熱い、痛い、熱い、痛い、と
鉄パイプが降り注ぎ終わり、相手の手を引っ張り鉄パイプから引き抜くと
ドォォォォォン
爆発音と共に私の真後ろが爆発する。
「幸子ちゃん!」
幸子ちゃんを咄嗟に庇い、私と、中途半端に助けられた相手、そして幸子ちゃんは大きく吹っ飛ばされる。