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RPGなやつら!

「おめぇら今なんつった?」


オレ、明日乃英雄(あすの ひでお)はキレている。

キレキレだ。

使い方が間違っているなんてツッコミは受け付けない。


とにかく、今は目の前にいるこの馬鹿どもを後悔させてからだ。

馬鹿どもは合計で5人。オレ達が絡んで来るなど露程にも思わなかったのだろう、明らかに動揺を隠せていない。


一方オレ達は3人。数は少ないがこんな事で動揺してるような雑魚に負ける気はしねえ。


「あ~あ。言うたらあかんこというてもうたなぁ兄さんら。英雄ちゃん怒らしたらメッチャ恐いんやでぇ。のう?剛ちゃん先輩?」

「・・・おう。」



まとめて紹介しよう。

今の胡散臭さ全開の関西弁を喋ってたやつは真奉都(まほうつ) (かい) 。幼なじみで昔から一緒に悪さばかりしてきた一番のダチってやつだ。

飄々とした雰囲気だが、キレさせたら最後。冷徹、冷酷、残忍、しつこい。

三拍子どころか一拍子余計にサービスして相手の心も体もボロボロにする。よく人の事恐いとか言えたもんだ。



そして一言でコミュニケーション能力が極端に低いことを露呈してしまっているやつが千志太(せんしだ) (ごう)

学年はひとつ上の高二だが、中学二年の多感な時期の夏、当時中学最強と言われてた剛にタイマンを挑んで引き分けたのが縁でつるむようになった。身長190㎝体重90㎏から繰り出す力技は正に化け物だ。そういやアイツがまともに喋るのケンカ中だけだな。



話を戻そう。開も言っていたが、こいつらはオレ達に言ってはいけないことを言った。"オレ"ではなく"オレ達"にだ。



雑魚A「う、うるせぇ!言ったから何だってんだよ!?」


雑魚B「てめぇらなんぞ恐かねーんだよ!」


雑魚C「人数数えられるか?こっちのが有利なんだよ‼」


雑魚D&E「やんならやんぞ!?コラぁ!」


・・・絵に書いたような雑魚発言、本当にありがとうございました。


「やってやんよ!きっちりと!やるに決まってる!だがやる前に何て言ったかもう一回言ってみ?」


雑魚ども「は?」


「だから言えってんだよ!オレ達が怖くねーんだったらもう一度でっけえ声で言ってみろ‼」


雑魚ども「い、言ってやるよ!この・・・RPGヤローーー‼‼っんが!」「ぷげっ!」「んのお!」「っぺう!」「ぶっ!」・・・瞬殺。



「大変よく言えました。勇気があればまたどうぞ!」


「アホなやっちゃなwのう?剛ちゃん先輩?」


「おう。」


雑魚A「・・・こんなんチートだ・・反・・則だ。強す・・ぎる。RPっじぶっ!?」・・・とどめっ!



「またのご来店誠にありがとうございました!」



まだ訳がわかっていないやつらの今後のために教えておこう。

オレ達は今RPGと言われたことにキレた。なぜキレたのか?

それは3人の名前に原因がある。


明日乃(あすの) 英雄(ひでお)真奉都(まほうつ) (かい)千志太(せんしだ) (ごう)


勘のいいやつならすぐにわかると思うが、それぞれがえいゆう、まほうつかい、せんし、と読めてしまう。


しかもその3人がなんの因果かつるんでいる。それが故にオレ達の名前を知っている奴等から徐々にこう言われ始めた。


『あいつらってRPG(ロールプレイングゲーム)かよw』『どこに冒険しに行くの?w』と。


真っ先に言ったそいつのもとへ冒険しに行った訳だが。



とにかくそれからと言うものすっかり地元ではRPGが定着。

そして本名とは裏腹にオレ達の悪名は飛躍的にあがっていた。

恐喝、恫喝、喧嘩etc...。ハッキリいってオレ達は荒れた。


自分たちではどうしようもない。


名前などある種の呪いのようなものだ。


一生ついて回る。


かといって親を恨んでもしょうがない。



そのフラストレーションたるやオレ達からしたら並大抵ではない。

そしてそのすべてを外的要因に晴らしていくうちに自他ともに認める立派なDQNという生態に覚醒していったのだった。

オレ達、職業選択の自由に乗っ取って転職をしました。

DQNに。


自慢するつもりは更々ないが、今では地元最強の3人組だ。

悪いやつらとは大体友達っ!イエィ!・・・まあさっきみたいな馬鹿でもない限りオレ達のことをいじろうとする奴は大分へったからかなりデカイ顔できて気持ちよくてしょうがない。

この町に数多にいるオレ達のパシり兼、舎弟兼、駒どもに作らせた溜まり場だってあるんだ。

オレ達はほぼ毎日そこに溜まっている。今日も今から3人でそこに向かうところだ。


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