第二話
本当はこれはまだ第一話でした。
多分いつか暇な時編集しなおすかも….
「なあ、アベルさん」
「何だ?」
「僕は、絶対に1人で行く。しっかり契約は守ってくれ。よりによって傭兵団とか…下手な傭兵とか連れていっても《奴ら》がいたら僕の邪魔になるだけだ…」
「だがクシナダからもう派遣されて来ているし、何よりもしものことがあったらどうする?今お前に死んでもらってはこちらが困る」
「…あのなあ、そんなのそっちの都合だろうが。何とかならないのか?」
「ならんな。よく考えろ。我らは三国が友好を保つことでエルンストと対抗出来ておる。今ここでクシナダの反感を買うのは得策ではない」
そのくらい僕にもわかる。
だがどうにもこの男は僕との契約を軽んじている傾向があるのは気のせいだろうか。
「それに、下手な傭兵と言っていたが」
ん?
「恐らくそれはないだろうな」
「あれ?もしかして結構やり手?《月狼団》とか?それとも《誓いの剣》とかそこらへん?」
まあ、この二つのような特別な奴らとでも行かないけどな。
そんなに大人数で行って機動力が落ちるんじゃ本末転倒だ。邪魔にしかならない。
「いや、違う。《月狼団》と《誓いの剣》はそれぞれリュカオンの遠征と国境の警備にあたっている」
「いや、まあ、どこでもいいんだけど…」
連れていかないし。
「《断罪の乙女》」
「ん?《断罪の乙女》?」
おい、ちょっと待てよ…?
その名前つい最近聞いたばっかだぞ。
「極悪犯罪集団《貪欲の蟻》、こいつらを僅か1週間で壊滅させた」
犯罪集団《貪欲の蟻》。人殺し人攫い窃盗強盗詐欺、犯罪ならなんでもござれの極悪集団だ。奴等を壊滅させるほどの実力なら確かに腕利きなんだろう。
「《貪欲の蟻》を圧倒するほどの実力だ。申し分はないだろう。きっとお前の役にも立ってくれるさ」
「申し分があるのはこちらの方なのだけれど、リーンブルグはクシナダを舐めているととってもいいのでしょうか?王様?」
突然の声。
「フン、来たか」
僕たちが話していた場所、王の謁見の間にいきなり入ってきた人物、その姿を見るため僕は振り返った。
「初めまして王様、クシナダから参りました《断罪の乙女》、団長のツバキ・ヒメノと申します」
---ところでもう一度問いますが---と続け、
「貴方は私達を舐めているのですか?」
この国の王、アベル・リーンブルグにそう言った人物、ツバキ・ヒメノは真っ赤な長髪を持ち、全体にどこか冷たい雰囲気を纏った美しい少女だった。
めっちゃ短くて拙い文ですが読んでいただきありがとうございました。