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鈴木と佐藤  作者: 優木 
2/18

鈴木と佐藤とリレー小説

 俺は鈴木。俺と佐藤は同じ部活にいる。いや、部活というかサークルだ。佐藤が作った。このサークルのメンバーは俺と佐藤だけ。この学校はかなりユルいのでメンバーが少なくてもいい。このサークルは活動目標なんてものはありゃしない。ただ、ぐだぐだと適当なことをするだけ。そんで、今日の御代は……

「鈴木! 早く書けよ!」

 リレー小説だ。

「ちょっと待て、考えてるんだよ。今」

「早く考えろよ!」

 こうなったのはつい三十分前。


 ───三十分前

「最近ライトノベルがはやってるらしいよな!」

 唐突に佐藤が話をふってくる。

「ああ、そうだな」

 適当に返す。

「というわけで、書いてみようぜ! 俺からな!」

「!?」


 ───今に至る

 ちなみに、佐藤が最初に書いたのは

【俺の名前はミシェル!! この世界を征服する男だ!! 今日は相撲大会にでてみよう!!】

 ……どこから突っ込めと。

 だが、仕方がない。やることもないしこれで暇をつぶそう。

「ん、できたぞ」

「お! よし! 読むぞ!」

「ああ、勝手に読め」

【相撲大会の第一回戦。俺の相手として出てきたのは一人の少年。こんな子供がこの俺と戦うのか? 仕方がない、手加減をしてやろう。そう思い手加減をして少年に向かっていった。

 しかし、その少年は……『何ッ!?』『ふふふ、僕を子供だと思って甘く見たらいけないよ』その少年はいつの間にか俺の背へとまわっていた。『い、いつの間に!』その一言を放つ前に少年は俺の真正面まで迫っていた】

「よし、俺が書こう!」

「そうだよ、お前以外の誰が書く」

 そういって佐藤が続きを書き始めた。

「できた!」

「早い!」

 一分たってないぞ。

 俺は佐藤の書いた小説に目を通す。

【俺の究極奥義! ミシェルブレイクーーーー!!!!! ドゴオオォォォォォン! 少年は消滅した】

「消滅した!?」

 謎の少年、強敵だったはずなんだが……一瞬で消滅してしまった。

 次は、俺か。


 ─十分後─

「ほれ」

【第二回戦。次の敵は男。俺と同じ位の年だろうか。『お前がミシェル、か』その男は俺の名を口にした。『なんで俺の名をしっている』『いや、なに。お前がウチの四天王の一人を消滅させたらしいのでな。興味があっただけだ』四天王? まさか、さっきの少年か】

「よし、次俺だな」

 いちいち言わなくても良いだろう。

「できた!」

「次も早かったな」

 もう驚かない。

【究極奥義!!!!! ミシェルブレイク!!!!!!!!!!!!! 男も消滅した】

「またか!」

「ミシェルは最強の殺人兵器なんだぜ?」

「そんな奴が不良に殴られて不登校になるのか|(※前回参照)」

「さ、次はお前だぞ!」


 ─十分後─

【遂に決勝戦。次の相手は最強の男。コイツにはミシェルブレイクが効かない……】

「ミシェルブレイクが効かないだと!?」

 佐藤が驚いている。最後まで消滅させられちゃおもしろくないのだ。

【ならば、ミシェルブレイク・Zだあああああああああああ!!!!!!!!!!! 最強の男も消滅した。 佐藤先生の次回作にご期待ください】

「終わった!?」

 あっけなく終わった上に俺の名前省かれた。

「いやー、強い敵だったね」

「どこがだよ」

「お前、今度ミシェル主人公の書いてくれよ」

「やだよ。ミシェルブレイクで全部倒せるだろうが」

「そうだな……新設定が欲しいところだ」

「ミシェルについての妄想はお前の中だけにしてくれ」


「お、もう外も暗くなってきたな」

「本当だ。んじゃ、帰るか」

「そうだな。んじゃ、また明日!」

「ああ、また明日」

 適当に手を振って家路に着く。


 今日の活動、終了。

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