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鈴木と佐藤  作者: 優木 
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鈴木と佐藤と番外編2 その他。

 僕は木村。今日も学校に来ている。もちろん本田と一緒だ。今日の本田はなぜか夜の学校に忍び込むなよ、と念を押してくる。何かあったのだろうか。もし行こうと思っても目が見えないからいけないのだが……

「今日は、怖い話をしよう!」

 本田は提案してくる。なんでこんな、冬に? 本田は目が見えなくてもできることしか提案してこない。気を使わせてるのだと思うと胸が痛む。だが、僕にはなにもすることができないし、無理をしても逆に本田に迷惑をかけることになると思うのでその気遣いはありがたく頂戴しておこう。

「いいよ。じゃあ、本田からね」

「俺からね。わかったよ」

 本田は、この学校の七不思議のひとつであるという追いかけてくる首吊り男とかいう話をしていた。実際に見たように、怯えながら細かく話している。怖い話をリアルに話せるというのはすごいな。

「んじゃ、次はお前だぞ」

 本田は話し終わり、僕の番になる。といってもとくに怖い話のストックもない。あ、一つあった。


「この前、生徒会が、会長と本田以外にもう一人いたように見えたんだ。怖いだろう?」

「いや、実際にいるし」

 え? まじで? 気づかなかった。なんとなく気配を感じた程度だったのだが……

「うーむ、もう怖いはなしないなあ」

 本田がいう。僕が言うのもなんだが、早くないか?

「じゃあ、あいうえお作文でもやるか!」

「なんで!?」

 突然だった。

「お題は……『いしかわ』だ」

「だれだよ!!」

「手本! い、いつからか し、清水を見る目が か、変わってきた わ、わたしになにがあったのだろう」

「知らないよ!!」

「んじゃ、お前だぞ!」

「えと……い、いや し、しかたがない か、彼は わ、わかっていたんだ」

「何を!」

 本田には突っ込まれたくはない。

「……飽きた」

「俺も」



 終わり



(癪があまったので、もう一つ物語の核心的なの)

 俺はとある書物をつづっている。この書物は一般の世に出ることはない。俺や、月下のような人ならざるものだけに伝わるだろう書物。

『その一、人は皆、『存在』と呼ばれるものを持っている。その『存在』の大きさによって影の薄さなどが決まる。通常は百パーセント。百パーセントのものは例外なく誰にでも見ることができる。

 その二、自分よりも百パーセント以上『存在』が下の場合、問題なく見ることができる。それ以下の場合、少し影が薄く感じることがある。これは、『存在』の薄い相手に自分の『存在』を、ギリギリまで分け与えて見えるようにするためである。ギリギリの度合いは五十パーセント。

 その三、我々、神の『存在』はゼロパーセントである。百パーセントのものには、なんとか見える程度。我々が完全に見えるのは二百パーセント以上の『存在』をもつもののみ』


 ここまで書いて、俺は整理する。

 みんなの『存在』はどれくらいなのだろうか。おそらく……

 鈴木、二百パーセント。だから俺のことも問題なく見ることができる。

 茜、本田は百パーセント。すこし影が薄いと思っているかもしれない。

 木村は、五十パーセント。周りの普通の人間からも影が薄いと思われ、俺のことはまったく見えないだろう。

 俺や月下はゼロパーセント。

 

 ふむ、なかなか難しい話だな。

あれ? 木村って本田のこと呼び捨てだったっけ?

これからちょっと番外編ポクなりそうです。


わかりづらい話ですが、一応話の重大な部分は今回明らかになりました。

もうすぐで終わりですので、終わりまで付き合ってください。

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