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鈴木と佐藤  作者: 優木 
13/18

鈴木と佐藤と掃除時間

 俺は鈴木。今掃除をしている。正直、マジメにやるのはめんどくさい。でもふざけるのは馬鹿っぽくてイヤだ。しかたがない。今俺がホウキでかき集めているほこりにセリフをつけていこう。

『オイ、ほこりん! コッチは危険だ! 逃げろ!』

『でも、それじゃあほこりーぬが!』

『大丈夫、俺も後でそっちに行くさ』

『ほこりーぬ!』

 やって気づいた。コッチのほうが馬鹿っぽい。

「おい、鈴木。さっきからなにブツブツ言ってんだ?」

 声をかけてきたのは同じ班の佐藤。まあ、友達だ。

「いや、何も」

「そうか、ほこりんは逃げ切れたか?」

 聞こえてやがった。しかたがない……

「おい待て鈴木。なんでそんなにホウキを振り上げているんだ?」

「いや、叩けば記憶とぶかな、って」

「いやいや、落ち着け。忘れるようにするから」

 必死、かはわからないが止めようとしているとでやめてやった。感謝しろ佐藤。

「んで、とにかくお前は掃除がめんどくさいんだな?」

「まあな。掃除が好きで好きでたまらない学生なんて少ないだろう」

「そうだな。じゃあホウキと雑巾で野球でもするか」

「小学生じゃねえか」

「えぇ!?」

 佐藤は本気で驚いていた。こいつ、自分の年自覚しているのか? 

「じゃあどうする?」

「どうするも何も掃除を終わらせるぞ、掃除を終わらせるぞ」

「なんで二回言った?」

「大事なことだから」

「ふーん?」

 佐藤にはわからないネタのようだ。

「じゃあ軽く作り話でもしようぜ」

「はぁ?」

「じゃあ、俺からな。むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが───」

 いきなり語りだした。桃太郎か?

「相撲をとっていました」

「ええッ!?」

「勝負はおじいさんの勝ちでした。おばあさんは謎の男に連れて行かれました。その後、おばあさんの姿を見たものはいない」

「ええッ!?」

 予想だにしなかった展開。

「ついに決勝戦へと進んだおじいさん、残る敵はあと一人。その一人と対面し、おじいさんは驚きました」

「誰だよ」

「おじいさん『お前……ミシェルか!』」

「誰だよ!」

「おじいさんとミシェルの闘いが始まった。佐藤先生の次回作にご期待ください」

「終わった!?」

 衝撃、の一言でこの物語を説明できるだろう。ミシェルって誰だったんだ。

「じゃ、次お前な」

「今の話を聞いた後で自分の話をするのは無理だ。斜め上を行く話しなんてできない」

「仕方ないなぁ。次も俺がいくぜ!」

 ああ、勝手に行け。


「むかしむかしあるところに一人の男がいました。『遂に完成したぞ……こいつがいれば、こいつがいれば!』三十年後……一人の男が目を覚ました。その男の名はミシェル、最強の殺人兵器」

「ミシェルきた!」

「ミシェルの話はすぐに世界各地に伝わった。そして、ミシェルを倒すために立ち上がった男達の物語が今、始まる」

「宣伝?」

「『ミシェル、お前を止めてやる!』ミシェルを作り出したおじいさんはミシェルを止めるため、最強相撲大会へと向かった」

「さっきのと繋がってるのか?」

「おじいさんはおばあさんを倒し、決勝へと進んだ。決勝の相手はミシェル。どうなるのか! 佐藤先生の次回作にご期待ください」

「どうなるんだよ!」

 またもや終わった。これはさすがに気になる。


「じゃあ、最後に一つ話をしよう」

「ああ、しろ」

「むかしむかし、あるところにほこりと会話することができる少年が───てちょっと待て! 落ち着け! 冗談! ホウキを振り上げないで! ぬわっ!」


 記憶は、とんだかな?


とある事情で、七不思議シリーズ関係なくなってしまいました、もうしわけありません。

とあるサイトに投稿した、一話の前に書いた奴です。

ちょっとキャラなどがちがうかもしれませんが、まあ、楽しんでください(笑)。

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