鈴木と佐藤と七不思議 一つ目 前編
「今夜、この学校に集まれ!」
佐藤が言った。今俺は生徒会室にいる。本田を含め、今の生徒会室には三人いる。
「なんでだ?」
俺が聞く。
「最近この学校でもはやってるらしいじゃないの。七不思議。だから、それを見に!」
「ほお、おもしろそうだ」
めずらしく俺も乗る。
「そうですね。でもなんで夜なんですか?」
「「夜のほうがそういうのありそうだからだ」」
「うおっ」
声がそろう。本田が少しひるむ。
「この三人なら少しだが霊感もあるからな。いけるいける」
「なんでお前がそんなことわかるんだ?」
「え? あ、この前のお父さん幽霊の気配感じたしょ?」
「ああ、あれか。だがそれは本田は見ていないだろう」
「そうですね。まあ、幽霊なんて見たくありませんから。見なくていいです」
「そうか。んじゃ、今夜校門で!」
そういって、その時間帯は解散した。
俺は夜道を歩いている。寒い。もう冬が近づいてきているようだ。北のほうではもう雪も振っているらしいしな。
「おーい! こっちだー!」
佐藤が校門からよんでいる。言わなくてもわかるよ。校門集合だろ。
「おす」
「おす!」
こいつ、夜なのに。寒いのに。なんでこんなにテンション高いんだ? こいつは寒さを感じない能力でもあるのか? それならぜひとも分けていただきたい。
「こんばんは」
「おお、こんばんは」
本田もきていた。んで、その後ろにいるのは……うわ。
「ウフフ、今晩はいい空気ですわ。お父様もお喜びになっています」
「こ、こんばんは……」
「霊といったらこの人だろ!」
説明するまでもない。微少女だ。この人始めてあったときはまだおとなしそうだったのになんでこんなことになってしまったのだろう。むしろこの変化こそ七不思議になるべきではないのか?
「夜は、霊力があがりますわね……お父様の力が上がるのを感じますわ」
「霊力ねえ。あんまりファンタジーは好きじゃねえなあ」
ファンタジーは魔法とかでごちゃごちゃしすぎるからな。
「霊とか、神はファンタジーか?」
佐藤が聞いてくる。
「そういうのは、嫌いじゃない。むしろ好きだ。魔法とかで争うのがファンタジー。争わないでただ、そこに存在するのは日常。俺はそうだと思っている」
「へえ」
俺は元々争いごとは好きではない。この前の水鉄砲サバイバルゲームのような、被害の小さい争いは好きだ。いや、そういうのは争いというべきではないかもしれない。
俺がそう思う理由はこの町、月下町の歴史にある。この町では昔、大きな争いがあったらしい。
「んじゃ、入るぞ」
「校門のカギは?」
「ウチの部で代々受け継がれているカギ! のコピーがある」
「お前が作ったんだし受け継がれるものでもないだろう。てかコピーって!」
カギが開く。ぎぎ、ぎ、ときしみながら門が開く。朝見るのと夜見るのでは少し雰囲気が違うな。すこし、おぞましいはずなのに、すこし、神々しい。
「さ、いくぞ」
俺ら四人は校内に入る。この中では何が待ち受けているのか! というものの、それほどたいした物はない。ただ、この七不思議が俺に大きく関係することだと知ったのは、また別の話。
さりげなくこの町の名前が出ました。
実在するのかは知りませんが、私の中ではフィクションなのであんまり深く考えないでくださいね。
最初から、ラストの構想は練ってあるのですがバッドエンドしか思いついていませんでした。しかしこの七不思議の話を入れることですこし変わりました。大きな変化ではありませんがすこしハッピーエンドに近づいたと思います。
あ、そうだ。昨日更新できなくてごめんなさい。楽しみにしている人も居ないとは思いますが、なにかのために誤ります(笑)。
すこし、寝てしまったんですよねー(笑)。
あれ?(笑)って表現もう古い・・・?