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鈴木と佐藤  作者: 優木 
10/18

鈴木と佐藤と記憶喪失 後編

 記憶を探すため、俺ら四人は町をうろついている。三十分ほど歩いてみたがまだ進展はなかった。

「次はドコにいこうか……」

「君、なにか覚えていることはないかい? どんな些細なことでもいい」

「えーと、ですね……あ、この町に古本屋ってありますか? そこのことを覚えているのですが」

 それを聞いて地図を見る。あ、あった。

「ありますね。ここから少し進んだところです。行ってみましょうか」

「はい」


 古本屋。俺ははじめて行く場所だ。正直本はそんなに読まない。三大奇書とかそういうのは読んだが。

「その古本屋に何が?」

「行ってみないとわからないだろ」

「先輩方なんで古本屋前でくっちゃべってんですか? はやくはいりますよ」

 本田は先に入っていた。俺らも後を追う。

「ここは……おもいだした、この古本屋でその、佐藤さんに会ったんです」

「ん、俺か。そういやそうかもしれんなあ……」

「……どんどん思い出してきました。でも唯一つ、自分が何者かを思い出せません」

「それは大変だ」

「ほかに、思い当たる場所は?」

「えっと、お墓」

「なんで!?」 

 思ったよりホラーだった。外は明るい。暗くなったら嫌だし急いで墓に向かおうか。そう提案したら皆賛同してくれた。そして、お墓に向かった。


「ここ、この墓石見覚えがあります」

 その墓石に書かれている名前は……

「佐藤?」

「あ、これ俺のご先祖様の墓だ」

 佐藤の先祖の墓をなんでこいつが覚えているんだ? 疑問が重なる。

「そうか……僕はそうだったのか……」

 依頼人がなにかつぶやいている。

「どうした?」

「いえ、なんでもありません。皆さん、ありがとうございました」

 こいつ、妙に急いでいやがる。少し疑っては見たが理由がわからない。ま、たいしたことではないんだろう。俺らは解散し、各自家に帰った。


 寝る前、今日のことを日記に書こうとした。実は毎日日記を書いている。さて、今日のできことは……

「あれ?」

 思い出せない。たしか皆で古本屋に行ってお墓に行って……皆って、だれだ? それは決まっている。俺、佐藤、本田の三人だ。なんでこの三人で? お墓に? 肝試しでもやりにいったのか? でも、こんなに明るいうちから肝試しなんて……

 ……俺は、今日会ったできごとを、いや今日会っただろう一連の出来事の記憶がなくなっている。なくなっているというか、なにかポッカリ穴が開いたような間隔だ。他の二人もそうなのだろうか。明日聞いてみよう。


 ──

「佐藤さん」

「ん、今日の依頼主さんか。いや、月下とよんだほうがいいか?」

「どっちでもいいです。そんなことより」

「お前の記憶がなくなった理由の話だろう?」

「はい。普通ならおこるわけはないのですが……」

「おそらく、鈴木の力だろう」

「そうですね、彼は私たちにとってジャマな存在。もう消すしか……」

「馬鹿なことを言うな!」

「ッ! すいません。でも、私は間違ったことをいいましたでしょうか」

「……全部間違ってるわけではない。でも全部あっているわけでもない」

「そうですか」

「あの霊能力少女もなかなか厄介だ。しかし霊感はからっきしのようだ。放っておいてもなんともならんだろう」

「では、今は様子見ということですね」

「ああ」


 ──

 俺の知らないところで、何かが行われている。俺にとっても、皆にとっても大事な何かが。

かなり物語は進んだかと。

もうギャグ(?)にはもどれない……


まあ、ギャグはもともとやるつもりなかったのでいいんですけどね。


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