『火』の使い手、『水』の使い手
「『火』の使い手?」
何かわからず、オウム返しをした。そしたら、レオは軽く微笑話し始める。
「そう、ボクは『火』の使い手、そして君の家来、バルゴは『水』の使い手なのさ。だからボクには効かないよ?水を蒸発させるから。」
そういうのはバルゴよ、なぜ先に言わないんだ……一つため息をつく。
「でもこのまま倒しちゃうのは楽しくないからさ、もう少し待ってあげる」
口角を上げて話す。どうやら、レオは楽しんでいる様だ。
「じゃあね、バルゴとバルゴのご主人様♪」
最後に一言残してレオはいなくなった。ふと横にいるバルゴに目をやる。バルゴは俯いていた。
「バル…ゴ?」
心配になりバルゴに問いかける。しかし一向に返事が返ってこない。5分ぐらい経った。バルゴが返事を返した。
「ごめん…なさい…」
「はぁ?」
あまりに予想外な返事だったため変な声を出してしまった。あわてて手で口を隠す。
「私が、あまりにも弱すぎて…レオを助け出せなくて……」
こういう時ってなんて声をかけたらいいんだろう。そんなに女子と接することの無い俺にはわからないことである。
「まぁ、次がんばったらいいんじゃない?だって、ほら、今日は急だったし」
我ながら意味のわからない言い訳だ。あまりにも恥ずかしくて頭が混乱する。
「フフ、そうですね、次がんばりましょうか。」
……あっれ?なんかいい感じだったみたいだ。ま、結果オーライということに。
「先に仲間を集めてからもう一回望みましょう」
ふにゃっとした笑顔でこっちも安心する。
「さぁ、がんばりましょう!」
レオのおかげ(?)で一歩、小さな一歩だけど進めた気がした。
やっとレオとの絡みが終わった気がします。