夜刀神の始まり
初の小説です。文章力のない中頑張りました。
はるか昔、この世界には未知の生き物がいた。鬼や妖怪といったこの世ならざる者たち。今ではただのおとぎ話の存在とされていますが、今でもどこかで生きているかもしれません。
数千年前
「夜刀神だ。夜刀神が出たぞ。」
一人の村人が村の端まで届くほどの大声で叫ぶ。すると女子は子供を家に入れ震えながらも我が子を守らんと抱きしめる。
そして、屈強な男たちは松明と武器を持ち夜刀神を待ち受けた。
夜刀神は暗がりから村の明かりでその姿が鮮明になる位置まではい出てきた。赤い角が生えた巨大な蛇の化け物だ。そして口には幼き人の子が咥えられていた。
「おい貴様ら、こ奴が我の住処に忍び込もうとして」
夜刀神が人の子を投げ渡し経緯を説明しようとすると村人たちは即座に子供を助けて夜刀神に武器を投げた。
「夜刀神が子供を連れ去り、あろうことか村全体に厄災をもたらしに来たぞ。」
「やれぇぇぇぇ。今ここで夜刀神を討つのだぁぁぁ。」
村人たちは夜刀神の話を一切聞かずに襲い掛かってきた。
「やはり人間はおろかじゃ。」
夜刀神は村人たちの攻撃を全て避けて山奥へと消えていった。夜刀神は人間との関りを完全に断つため山奥のさらに奥深くにある洞窟に身を潜めた。
それから時は流れて現代の日本。ネットが主流となった今、神や妖怪といったものはアニメや漫画などの空想世界の存在として恐怖の対象から外れ始めていた。
「さあ、今日は山奥でキャンプだ。自然に囲まれて過ごすのはいいぞ。優太もきっと気に入るぞ。」
「興味ねぇ。なんでわざわざネットの使えない山奥に行きたがるんだか?」
「そんなこと言わないの。自然を感じれば新しい景色が見えてくるんだから。」
とある家族が車を走らせながら穏やかな会話を繰り広げていた。
「山奥でキャンプとか不便の極みだろ。」
そんなたわいもない話をしている間に目的地の古い宿を見つける。中にはおじいさん1人だけでお客さんも全然いなかった。
「いらっしゃい。お客さんなんて珍しいね。」
おじいさんは簡単に手続きを済ませた。
「じゃあ簡単にここの説明をするな。まずこの付近は全てうちの土地なんで好きに散策してもらって構わない。そして、宿もあるがテントですごす場合は安全地帯のみにしてくれ。たまに野生の動物が出たりするんでね。あと、奥の洞窟には絶対に近づいてはならぬ。あそこには夜刀神様がいると言われているからの。近づけば厄災が起こるやもしれん。」
夫婦は息を呑み冷や汗をかく。
「わ、わかりました。優太も聞いてたか?
洞窟には絶対近づくなよ?」
「はいはいわかりましたぁ。まったく、母さんも父さんも真に受けすぎでしょ(笑)今時神なんて誰もじてないって。」
優太は適当に聞き流す。それから家族で散策したり料理をした。しばらくしてそれぞれが自由にすごす時間になりました。優太は両親の目を盗んで山奥の洞窟に向かいました。
「よし、父さんにも母さんにもバレてない。あの爺さんが言ってた洞窟ってここだよな?やっぱりなんも居ねぇじゃん。」
その時優太の背後から巨大な蛇。夜刀神が現れた。
「おい人間。我の寝床に土足で踏み入るとはいい度胸じゃ。普段なら面倒ごとは御免じゃからさっさと追い返すのじゃがな。我は今退屈しておるのじゃ。おい人間、何か我を楽しませるものを知らぬか?」
優太は驚きと興奮を表に出しながらスマホを構える。
「すげぇ。これ作り物とかじゃねぇよな?マジかよ超かっけえ。なあなあ?ちょっと触ってみてもいいか?」
夜刀神は今まで向けられたことのないキラキラとした純粋な眼差しに少し戸惑ていた。
(なんなのだこの小童は?我を恐れるどころか自ら迫ってくるなど。ま、まぁよいわ。ここに身を潜めて長いこと一柱で何をしてもすぐ飽きてしまって居ったからの。
このものがいれば少しは楽しめるやもしれぬな。)
「我の神聖なる鱗に触れたいとはなんと図々しい人間か。じゃが、我は今とても機嫌がよい。先刻伝えたように我を楽しませられたのならば、ぬしの願いを聞いてやらんでもないぞ。」
優太は必死に考えた。(この巨大な蛇の神様を楽しませるものを今の自分に出せるのか?)と。そして優太は苦肉の策だと思いつつもこれしか浮かばずに実行した。
「ん?なんじゃそれは?ただの薄っぺらい板ではないか。それでどう我を楽しませるのかのお?人間。」
優太が取り出したのはSOITCH。自分が一番やってて楽しいと思うものを出したが優太は致命的な点に気づく。
(ヤバい。この神様じゃゲームなんてできないじゃん。どうしよう?他にはスマホくらいしか持ってないし。)
夜刀神は優太の些細な表情の変化で色々察した。
「なんじゃ?それは人の姿でないとできぬのか。仕方がないのお。」
そう言うと夜刀神の体が淡い光に包まれた。優太はまぶしさに耐えられずに目を閉じる。そして、再び目を開けると先ほどまで目の前にいた大蛇が消え代わりに薄紫色の髪の女性がそこにいた。
「これで問題なかろう?さぁ、それはどのようにして使うのじゃ?」
優太はすぐに目の前の女性が先ほどまで目の前にいた夜刀神だと気づく。
「今の時代はみんなこれで遊ぶんだよ。」
優太はゲーム機の電源を入れて動く様子や遊び方を丁寧に説明した。
「ほう、今の人間はこれほどのものを作るまで成長したのだな。中々に奥深いではないか。」
夜刀神は優太にキャラの動かし方やゲームの目的などを聞きどんどん成長した。
「俺も嬉しいよ。このゲームマイナーで学校の奴らも全然知らなくて。教えるから一緒にやろうぜって誘っても断られて一緒にできる友達いなかったからさ。」
「ふっ。神である我を友達とな?人間の分際で随分と大胆な物言いじゃな。」
優太は一瞬身体を震わせるが自身が抱いた感情をそのままぶつけることにした。
「俺は確かにただの人間だしあんたが神だってのも理解できた。でも俺はあんたと仲良くなって友達になれたって思ってる。ダメか?やっぱり人間じゃ?」
「人間は愚かで弱く自身たちの領域で理解できないものを化け物と蔑み消そうとする哀れな生き物。そう思ってきたがおぬしは違う。いや、もしかするとこの考えは過去の人間に対してであって今の人間は違うのやもしれぬな。・・・よし、我は決めたぞ。人間の世界を見てな学びどのように進化したのか確かめる。我が人間への不信感を取り払える時が訪れたのならば、その時はおぬしを迎えに行き友と呼ぼう。」
夜刀神は身体を再び変化させて蛇に戻った。
「約束じゃからな。我を楽しませてくれた礼じゃ。好きに触ると良いぞ。」優太は興奮しつつも丁寧に鱗に触れた。
「しなやかだけどすごく硬い。ゲームに出てくる龍の鱗もこんな感じなのかなぁ?」
優太は満足すると荷物をまとめて宿に戻る
「人間の研究終わったらまた遊ぼうな。約束だからな。」
夜刀神は優太を見送ると人の形に擬態し山を降りた。
(さてと、人間を研究するとは言ったが無策というわけにもいかんな。そうじゃ、たしか二百年ほど前に青龍が洞窟に来て人間の街で宿屋を始めたなどと言っておったな。あ奴なら人間との関わりも長いじゃろう。向こうてみるか。)
夜刀神は古い友人である青龍が営んでいる宿屋に向かう。
これは、人間に恐れられて忌み嫌われてきた夜刀神が現代で人間と関わり自らの居場所を見つける物語である。
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