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第十九話 中央金大区画の激闘

 夜九時、戦いの鐘が鳴る。


【システム】《ギルドバトル開始》


【おじ武者】「いくぞ、braver!!」


 号令。


 全員のHPバーが前進する。石畳を蹴り、城郭へ向かって駆け出す。


 中央金大区画。

 BLACKSUNの本拠は、巨大な黒曜石の城。

 空には常に雷光が走る。

 門前に立つ、一人の女。


【ヴェルゼ】「ビッグブルー以外と戦うのは、いつ以来だろうか」


 ギルドマスター。

 黒の外套を翻す。


 余裕、圧、王者の視線。


 その背後、陣形が完璧に整っている。

 これが、最上位。


【るき】「左、前衛二枚きます!」

【カイル】「止める!」


 るきとカイルが中央を押し上げる。

 背後から放たれる一矢。


【リルティ】「視界、取れました」


 遠距離狙撃が敵前衛の足を射抜く。


【パニーニ】「攻撃力上昇、持続20秒!」


 金色の光がるきとカイルを包む。

 バフ。支援の精度が高い。


【るき】「いける!」


 中央戦線は互角以上。そして。


【斬鬼】「本丸、一直線」

【おじ武者】「参る」


 二人は敵陣を裂き、最短距離を突き進む。


 目的は、ヴェルゼ。王を討つ。

 それがbraverの勝ち筋。


 だが、石橋を渡り切った瞬間。


 地面が割れ、黒炎が噴き上がる。

 その中心に、立つ影。


【ティアマト】「……来たか」


 BLACKSUN最高戦力。


 静かな眼、巨大な双刃剣。

 その両脇に、弓使いと魔法使い。

 後方には白衣のヒーラー。


 四枚。


【斬鬼】「囲まれたな」

【おじ武者】「2対4……か」


 しかも相手はティアマト。単体でも怪物級。

 そこに遠距離援護と回復。

 明らかに、殺しに来ている布陣。


【ティアマト】「ここは通さない」


 言葉は静か、だが殺意は濃い。


 直後、魔法陣が展開。

 矢が引き絞られる。

 ヒーラーが既に詠唱を始めている。

 完璧な連携。


【斬鬼】「これ、ヴェルゼ殿の指揮ですな」

【おじ武者】「あぁ」


 視線の先。城門上、ヴェルゼが腕を組み、静かに全体を見下ろしている。


 盤面を俯瞰する王。ティアマトは駒ではない。

 最強の刃。それを最適配置する指揮官。


 BLACKSUN。


 王者の戦い方。


【おじ武者】「……面白い」


 宗光を構える。


【おじ武者】「斬鬼殿」

【斬鬼】「任せろ」


 地面を蹴る、黒炎が爆ぜる。

 中央金大区画、最上位への挑戦。


 2対4。


 だが、braverは退かない。爆炎が渦を巻く。

 ティアマトの双刃が振り下ろされる寸前。


【るき】「間に合えぇぇ!!」


 横合いから、斬撃。


【カイル】「どけぇ!!」


 盾ごと体当たり。


 弓兵の喉元に、るきの一閃。

 魔法使いの詠唱は、カイルの打撃で強制中断。


 そのまま弓兵と魔法使いを撃破。


 さらに。


【リルティ】「……遅い」


 遠距離から放たれた矢が、ヒーラーの額を正確に射抜く。


 ヒーラーも撃破。戦場が、一瞬で変わる。


 4対1。


【るき】「いける!!」


 形勢逆転。

 ティアマト単騎。どれだけ強くとも、囲めば削れる。そう思った刹那。ティアマトの目が、静かに細まる。


【ティアマト】「甘い」


 足元に赤黒い紋章が展開。

 空気が、歪む。


【斬鬼】「下がれ!」


 遅い。双刃剣が大地を裂く。


【ティアマト】「爆炎剛斬波!!」


 轟音。前方一帯を呑み込む爆炎の奔流。

 HPバーが、一瞬で赤に染まる。


【システム】《斬鬼 撃破》


 炎の中、膝をつきながら。


【斬鬼】「……無念」


 光となり、消える。


【るき】「斬鬼さん!!」

【カイル】「くそっ……!」


 だが、止まらない。

 るきが前へ。カイルが横へ回り込む。


【リルティ】「視界、確保」


 矢が連射される。さらにもう一人。


【パニーニ】「防御強化、回復補助!」


 淡い光が四人を包む。


 ティアマトの前に、四人。

 だが、ティアマトは微動だにしない。

 背後、城門上。ヴェルゼが静かに見下ろしている。


【るき】「リーダー!!」


 叫ぶ。


【るき】「ヴェルゼを!!」


 一瞬、視線が交わる。


【おじ武者】「……わかった」


 宗光を握り直す。


【おじ武者】「ここは任せたぞ」

【カイル】「任せろ!」

【パニーニ】「ティアマトは通しません!」


 おじ武者は駆ける。


 ティアマトの横を、最短距離で抜ける。

 炎が掠める。だが、止まらない。


 本丸。


 黒曜石の階段を駆け上がる。

 玉座前。そこに立つ、黒の外套。


【ヴェルゼ】「来たか、おじ武者」


 振り返る。静かな目。

 怒りも焦りもない。


【おじ武者】「招待を断りギルドを立ち上げ、この場に立ったことを非礼に思う」


 宗光を構える。


【ヴェルゼ】「気にするな、これはこれで期待以上」


 一歩、前へ。


 王と王。盤面を動かす者同士。


 ついに、対峙。


 戦場の喧騒が、遠くに聞こえる。ティアマトとbraverの激突。炎と矢と光。


 だが、この場は静かだ。


【ヴェルゼ】「今までで1番、面白い夜になりそうだ」

【おじ武者】「えぇ」


 宗光が、月光を反射する。


【おじ武者】「参る」


 中央金大区画。

 ついにギルドマスター同士の戦いが、始まる。

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