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イストリア  作者: ヨシハル
23/30

23話 革命軍vs王国軍 ④

 馬を走らせて30分、二人のが目にしたものは襲われている見知った顔であった。

 二人は徐々に馬を止めて遠目で確認した。


「トマ、あそこにいる子供2人はたしか…」


「行きましょう」


 戦闘態勢に入っている4人の間に入り込み、レモネは銃を構えた。


「あなた達、ここで何しているの」


 レモネとトマがじっくりとダダチとズキンを見る。


「お前達はいつもケマと一緒にいた奴だな。ケマの部下か」


 ダダチ達にとっては非常に面倒な展開となった。

 クロサが追っかけていった女の目的と行動がわからない上にどうなったか状況がわからないこと、監禁していたはずの二人がここにいて、戦場に向かっていることだ。

 逆に言うとついている。

 今ここで内密に全員を始末すれば、作戦の半分は成功に終わることである。


「ちっ、知らねぇなぁ〜」


 するとトマの乗っている馬にカマイタチを飛ばすズキン、そして体制を崩した所をダダチが魔力で作った尖った石を飛ばしてトマを馬から降ろさせた。

 そして次に狙うはレモネ、ほぼ差がなく攻撃するも同時に魔弾銃で反撃、ズキンは咄嗟に躱して距離を取り、ダダチは岩の鎧で防御しながら突進してきた。


 バキッ


「俺たちを忘れてるだろう」


 シフォンはダダチの首に蹴りを入れた。


「よくわからねぇがアンを追ってくれ!こいつらの仲間がアンを追っている」


「どういうことだ」


「詳しくはアンに聞いてくれ。どっちみちこいつらは俺たち、それにアンタ達の敵みてぇだしな」


「行かせるかよ!」


 ダダチがレモネとアンに向かうもシフォンが立ちはだかり行かせない。


「時間がねぇ。早く行ってくれ」


「レモネ様っ!」


「わかった。トマ、後ろに乗れ」


 興奮している馬を置いていき、急いでその場を離れた。


「ズキン、俺はレモネを追う。ガキは頼んだぞ」


 暴れている馬を強引に乗り、レモネ達の後を追う。


「そう簡単に追わせねぇぞ」


 ラクトが止めようとすると突風が吹いてよろけてうまく追えない。


「今のはお前か!」


「ガキ二人で粋がんなよ」


 今まで見た魔術はカマイタチの様に風の刃を飛ばすのと風を吹かす、他にもあるのか警戒しながら向き合う。


「シフォン、お前も行け。ここは俺だけで大丈夫だ」


 それはシフォンも感じていた。

 1つ1つの魔術が弱い。

 無理に多数の魔術を覚えた結果、魔術に威力がないと思われる。

 だったらラクト一人で十分だ。


「ああ、任せたぞ」


「おう!」


 今度は渦を巻いた風がシフォンを襲う。


「行かせるわけねぇだろ」


「お前の相手は俺だぁーーー」


 ズキンの頬を殴り、ぶっ飛ばした。


「つっ〜、ぺっ!、いてぇじゃねぇか」


 接近戦、ズキンは2つの鎌を器用に振り回し攻撃するも、接近戦に関してはラクトのほうが上手、鎌自体は当たらないが気付くと薄っすらと傷がついている。


「シャーハッハー、切れろ切れろ」


 しかしラクトはちょっとした掠り傷など全く気にしないで相手の懐に飛び込み、ボディに拳を2発くらわせ頭突きを1発、そのままズキンは尻もちをつきラクトを見上げた。


「なんなんだお前は」


 見下ろしているラクトは前に戦ったエットと比べていた。


 自分が成長したのか、いや魔術も大した事が無いし氣力もない。

 そして魔力を使った拳が相手に伝わるのがはっきりとわかる。


 相手の胸ぐらをつかみ持ち上げると、ズキンは情けなく命乞いをするが、ラクトは容赦なく顔面を殴る。

 ズキンの顔が徐々に腫れてくる。


「もうかんへんしてくらはい」


 やる気も削がれ、胸ぐらをつかむ腕を下げた瞬間、ラクトの体が真上に飛んだ。


「ハカか〜」


 腫れた顔の微かに上がる口角、バカがと叫び、練り上げた魔力は小さな竜巻を生む。

 その威力はラクトを15メートルの高さまで飛ばした。


「そのははおひてひね〜」


 そのまま落ちて死ねと叫び、ラクトは落下してくる。

 落ち方次第ではかなりのダメージを受ける。


 どーーーーーーーーん


 砂埃りの中から人影が見えた。


 ラクトは立ち上がって仁王立ちしていた。


 ゆっくりとズキンに近づく。


「ひぃ」


 拳を固く握り、硬質化する。

 それは密かに練習していた技、魔術で右拳だけ硬質化させて氣を纏わせた必殺の一撃。


 逃げ腰になり後退りするズキンの腹に渾身の右拳が炸裂した!


 ズドーーーン


 白目を剥き、気を失った。


「まあこんなもんか」


 自分の拳と残った魔力を確認するラクト


 ラクトvsズキン


 勝者 ラクト


   ◇   ◇   ◇


「ハッハー、追いついたぜぇ」


 2キロも走らずにレモネとトマを乗せた馬に追いつくダダチ、体に纏っていた岩の鎧が剥がれて石礫となり、二人を襲う。


「レモネ様、あとは頼みます」


「トマぁーーー」


 馬から飛び、そのままダダチに向い体当たりして地に落とす。

 空馬はそのまま逃げ、トマとダダチは地面に激突、しかしダダチには岩の鎧がまだ残っていてダメージを軽減するがトマはモロに体を打ちつける。


「ぐぅ」


「ハッハー、馬鹿が」


 ゆっくりと立ち上がるトマは一呼吸入れた。


「ふう」


「そんな体で俺に勝てるとでも思っているかぁ〜」


 片腕を失くしたとしても元は五聖騎士、体術のトマと恐れられていた。

 そのトマが構えると氣力が全体を包み込み、右手が発光と共に熱を帯びだす。


「ハッハー、喰らいやがれ!【転岩石】」


 体中に石が貼りつくと1つの巨岩となり、一直線に転がりトマを襲う。


「【光拳】」


 物凄い回転で突っ込むダダチをたったの一撃で纏った岩ごと砕き貫いた。


「ぎゃあああーーーーー」

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

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