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イストリア  作者: ヨシハル
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16話 魔力適性

 3人が魔力を感じた所で属性を調べて見る。


「今度はそれを体中に流す様にして石に触れてみて」


「よし!俺がやる」


 ラクトが触ると透明な石は茶色に変化した。


「ラクトくんは土属性ね」


「土属性?」


「そっ!土属性だと土を出す事も出来るし、土を変化されたり、操作したりするのが出来るわよ。他には…自分にかけるとしたら強化かしらね。攻撃力や防御力を上昇、もしくは変化したり出来るわよ」


 ラクトが思い出したのはエットとの闘いだった。


「でも覚える魔術は気をつけてね」


 魔術と魔力、基本的な事を教えてくれた。


 属性とは、通常属性と特質属性があり、通常属性は下位、特質属性は上位とされている。

 ただ下位だからといって上位よりも必ず下かというとそうでもない。

 要は特質でも属性を上手く使いこなせなければ、通常よりも劣ってしまう。

 通常属性も使い方次第で特質よりも優れる。


 通常属性は火、水、風、土の4系統となっていて、ほとんどの人が通常属性のどれかになるが、約100人に1人が特質属性を持っている。

 特質属性は2系統から分かれていて、光と闇が基本である。

 光には雷や治癒などの属性があり、闇には氷や重力などの属性が含まれている。


 例えば火属性の魔力の人も水魔術を使うことは可能だが、威力も出せないし、自分の使える容量を遥かに使ってしまう。

 だから皆自分の属性しか覚えない様にしている。

 魔力は増やす事が出来るが、容量は増えることはない。

 いかにその範囲内で自分にあった魔術を覚えるかで変わってくる。

 ほとんどの英雄と呼ばれた者達は一つの術に特化していた。


 例えばファイアボールの工程


 自分がダメージを受けないように準備する。


 火を作り出す。


 火を固定する。


 固定した火を浮かす。


 浮かした火を放つ。


 このように火属性の人なら誰でも覚える事が出来る簡単な魔術でもこれだけの容量を使っている。


 もちろんたくさん覚えて多種多様出来る人もいるが、工程を増やして人とは違うファイアボールを編み出す人もいる。


 どれが正解になるかはその人の相性による。


「どうするかなぁ〜」


「ラクトくん、無理に考えず焦らずにいると何を覚えた方がいいか自然と出てくるわよ。まずは魔力量を増やさないとね」


 一応、石の光りかたでだいたいの魔力量が分かるようになっている。

 細かくはわからないが、光が強い程現在の魔力量は多い。


「次は俺!」


 シフォンが触ると黄色く強く光る。


「なになに」


「まあ珍しい。特質系の光よ。細かくはこれでは測れないけど」


「さすがに俺!」


 最後にアンが触ると黒くさらに強く光る。


「まあ、アンちゃんも特質系ね。闇系統よ。今のところはアンちゃんが一番魔力を持っているわね」


 なぜアンが一番魔力量を持っているか、それは今までの鍛え方の違いだ。

 氣力は体と精神を鍛えることで上昇するが、魔力は精神力が高ければより魔力量は多くなる。

 だから今までの一番氣力を鍛えていたアンが一番精神力があり、自然と3人の中では一番魔力量が多いのである。


「う〜ん、二人は普通に学校に通っても対して役にたたないかも」


「何でですか?」


「特質属性は通常と異なるから学校ではほとんど学べないわよ。自分に何が合うのか自然に出てきたら、同じ系統の人に教わるか、自力でマスターするしかないかなぁ〜」


 少し長くなったので続きはまた夜に話すことにして、途中の休憩を利用しながら魔力の扱いの練習をした。


 練習といっても要は瞑想、体に流れる魔力を感じたり、魔力を集めたりする練習である。

 これはシフォンとアンは今までやっていた事で、違いは氣か魔力の違いである。

 だから覚えは早いがラクトには難しい。

 氣というものに関してもあまり理解はしていないので、体を鍛えてきて知らずに増やした氣力を本能的に無駄使いしているだけである。


 夜になり、野営の張る。


 シフォンとラクトで順番に見張りをすることとなった。


 まぁ男だし…という理由で


 夕食を済ませ就寝する前に昼の続きを話した。

 すると早くもラクトは思いついた事をやって見る。


「ほら、見てくれ」


 魔法の演算処理は自然と頭に浮かんでくる。

 それは人それぞれだが、教わって身につくものよりも、自分にとって最適の魔法となる。


 両拳の色が変わり、硬くなった。

 それはまるで鉄のようだった。


「強化系ね。凄いわ」


 なぜカヌレがそう言ったか、それは同じ強化でも体全てを強化するのと一部をするのでは使う魔力量も桁違いに変わるし、同じ魔力量で硬度も変わる。何よりも自然と出来た事が素晴らしく、なかなか自分にあった魔術を思いつかないし、発動も出来ない。


 ラクトは長年見てきた祖母をイメージしていた。

 口には出さないが昔から祖母の強さに憧れていて、【一撃必殺】を目標としていた。

 その思いが結果として現れてくれたのだった。


 カヌレはラクトにそのまま魔術を使わせる。


「ちょっとそのまま維持してみて」


 約10秒程で立てなくなる。


「魔力量を増やさないとね」


 ラクトはバテた状態で苦笑いをした。


「ラクトくん、肉体強化は少し特殊だから気をつけてね」


「何がですか?」


 氣力、魔力を使える人は体もしくは武器に氣を纏わせ、その上に魔力を乗せるのが一般的であるが、体を魔力で強化する場合は強化された肉体に氣を纏わせる。

 ただし体の中を氣で守る場合は別であるが、内氣功は熟練の者が使える技である。


「というわけだからね。でもラクトくんは魔力量も増やさないといけないし、魔力操作も練習しないといけないし、氣についてもしっかりと使いこなせないとね」


 ほとんど初心者、1から覚えないと物にならない。


「シフォンくんとアンちゃんは魔力量を上げつつ魔力操作だね。今はそれでいいと思うわ」


 3人は練習しようとしていたので、少し忠告も交えて休むことを薦める。


「だから焦らずゆっくりとね。さっ今日はもう寝ましょう。明日にはコリーまで行かないといけないしね」


「ラクト、最初は俺が見張りするから少し寝てろよ」


 疲れている姿を見てシフォンが見張りをすることになった。


「4時間経ったら交代な」


「おう、わりぃな」


 初めて会った時にくらべて言葉遣いを注意しなくなったラクト、疲れて誰よりも早く眠った。


「アンちゃん、私達も寝ましょう」


 王都までの旅1日目が無事に終わった。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

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