残酷な光
未亡人でもなく女子高生の姉御は尼になってしまった。首を絞められた長い髪は肩までに切り落とし、純白の証か大粒の真珠をあしらった首飾りをしていた。窓に写った顔は物想いで、僕は心境の変化に戸惑い、何かの間違いだと教室の扉を閉めては開いたが夢ではなく現実だった。事実を受け止めた僕は、新しい嫌がらせなのだと解釈して低姿勢で「はい、はい、はい、はい」と漫才師のように教卓に上がっていく。姉御は僕の存在に気付き冷たい瞳だけは健在だった。
「結月の姉御、急にどうしたんでぇ?」
「あら、恭一郎おはよう。どうしたの、落語家みたいな話し方して」
落語家ではなく漫才師のつもりだったのが軽く流されてしまった。ただ、落語家と漫才師の正確な違いは説明出来そうにない。世間話もそこそこに姉御は下賎な僕のために朝食を準備してくれていた。塩っ気の強いヨモギ餅で美味しい。
「拭いて捨てるほどあるから、遠慮しないで」
心の中で「拭いてではなく、掃いて捨てるではないのか」と疑問に思ったが口にはしない。席について、鐘と同時に現れた担任の無意味に長い朝礼が終われば、何も記憶には残っていない。終礼の鐘が鳴り響く。担任は校則違反ではあったが結月の首飾りに関心を示さなかった。一時間目の担当教員は少し遅れていて待ち時間に何気なく、使いもしない資料教科書をめくっていれば、海女は曇り止めのためにヨモギで水中眼鏡を拭くらしい。僕は、これ以上は何も考えないことにして、ちらりと覗き見た隣の姉御は普段通り無表情だった。学友は気を抜いて私語やスマホ操作に勤しみ、社会担当は滑り止めのよく効いた履物で、近づけば卓球の激しい打ち合いの如く響くのですぐに分かり助かっていた。
「工場排水によって海は汚染され、獲れた魚は風評被害で売れず漁民は大打撃を受けた」
後野祭先生が読み上げた教科書の文章は簡潔ではあったが実情を伝えてはいない。退屈な授業は公害を取り上げていて、僕たちは心を閉ざしていた。今更、海と空は帰ってはこない。それは誰もが理解していて、漁民の多いクラスだったこともあり、不快でしかなかった。僕は黒枠のタブレットの待ち受けに空高く掲げた伊勢海老を選び、慰霊碑の様に大切に抱きしめて職員室に抗議しに行った。下級生が足早に去っていく。担任は公害の授業は必修で取り合ってはくれない。
「なあ、黒田。公害の実態なら、君はあの強酸廃液に入れられた鰻を説明して欲しいのか?」
「苦痛に悶え真っ白になりながら溶けていく鰻は二度と見たくありません」
「俺も二度と見たくない。だから検定教科書の抽象的な文章で十分だろ」
「納得できません。日本アロエジル、岩原産業は塩酸を垂れ流し四日市の海と魚の住処を奪いました。これは許すことはできません」
「やめろ、ここは岩原天皇の膝下だぞ! 今のは聞かなかったことにするから、戻れ!!」
僕は居座りを決行しようかと思っていたが、誰かが職員室の扉を勢いよく開けて、僕は拘束されてしまい、有無を言わさず盾にされ、教員に見守られながら離脱した。上級生は面白おかしく写真撮影をしていて、束縛から解放されたのは、教室に戻ってからだった。勿論、授業中に抗議に行ったのだから、教師は灼熱の廊下は酷だと思ったのか、教室の後方参観席に慰霊碑を抱えた僕を立たせた。結月は椅子を持ってきて偉そうに足を組んでいて、社会の教師を威圧していて、何もできなかった大人は目を背けていた。執念の抗議はタブレットの電池切れで終わりを告げて、僕は結月と屋上の観測所に来ていた。遠くの工場から排出された白い煙は空に吸い込まれていく。
「今日は恭一郎の分も作ってきたから」
結月は真珠の首飾りを弄りながら僕に四角い包みを渡してきて、結びを解けば弁当だった。彼女は顔を背けて退屈なのか絆創膏の巻かれた指で軽く髪を引っ張ったりしていた。微妙に焦げた厚焼き玉子を頬張り味付けは醤油が強かったが許容範囲で美味しかった。人参も椎茸も飽きていたが、味付けが変われば大丈夫だった。結月は水筒を捻り容器に緑茶を注ぎ僕は受け取り飲み干した。ヨモギ餅の件は僕の勘違いなのだと思うことにした。
「サゴシの塩焼き嫌い? 安くて美味しいのに……」
僕は行儀悪くスマホでサゴシを検索して出世魚、鰆の幼魚だった。鰆と比較して家計に優しい魚で家庭的な一面に驚く。このまま残すことができず、箸で身をほぐしながら、町長に頭から消えろと念じた。その年のドキュメンタリー大賞を受賞した「クセェ」と町長が吐き出した刺身の映像は、繰り返し放送され県民の心に傷を残し、僕は魚が食べられなくなった。
「……好きな食べ物は最後まで取っておくから、嫌いじゃない」
極めて冷静に傷付けたくない一心の言葉だったが相当痩せ我慢をしていた。結月は照れ隠しか手のひらを外にして髪を撫でていた。結月は膝を叩くと慰めか膝枕をしてくれて、胸しか見えなかった。空気洗浄室兼観測室なのだから大気の有害物質量に反応して針が大きく波打つ。
「今日も空気が悪そうだ」
甘納豆を齧りながら宙を仰ぎ僕は涙が溢れ、結月は言葉を飲み込むとハンカチで拭ってくれた。予鈴の鐘が鳴り、僕らは冷房の程よく効いた教室に戻り、午後からの授業を受けた。風見鶏の方角が急変して窓を開けようとした同級生が、友人に止められていた。永遠と黒板の文字を書き写し続け、気が付けば放課後になっていた。僕らは軽い鞄を持って、下駄箱で靴を履き替えていく。駐輪場には自転車が少なく汚染校の校庭に今日は誰もいない。通学路沿いに建てられた、古い設備の工場は稼働率が下がり比較的大気は穏やかだった。高い煙突からは広く薄く汚染物質を吐き出して、低い煙突は何かが腐った匂いを放出していた。
「二年一組、黒田恭一郎君、至急職員室まで来てください」
校庭にまで響く校内放送で僕は晒し者にされてしまい、結月は呼び出しがなくてもついて来た。このままでは下校時間にはフル稼働した工場群の煙で喘息が出てしまうかもしれないが、僕の言葉に耳を貸すほど大人しくお淑やかではなかった。屋外喫煙所で教員が煙草に火をつけていて僕らは煙たく感じた。職員室には難しい顔の担任に付き添われて説教部屋に入れられた。
「黒田君は成績優秀な優待生だから、希望通り石崎ケミカルに推薦したいと思っています。でも、今日の様な事が繰り返されてしまうと、残念ながらできないかも分からない。この後の人生も含めてしっかりと親御さんと相談してほしい」
岩原天皇批判が広まったのか、企業の代弁人形の校長から直々に苦言を呈されてしまった。石崎ケミカル株式会社は財閥系優良企業で、公害裁判で糾弾された旧石崎化成工業・石崎油化は吸収合併された。敗訴判決から一転して公害対策が進められていて、この街で唯一僕の就職希望先だった。若干不利だが高卒でも幹部登用は可能で実際OBにもいて訪問の予定もしていた。
「四日市の石崎は勤務評定が厳しいことで有名なのに、どうして?」
「ああ、石崎の裏評価基準に公害について触れてはいけないが含まれていたね。公害の集会の度に急な出張に出されてしまうとか、睨まれてしまうと大変ですよ」
結月が初めて口を開くと校長も同調して牽制を入れて来た。石崎は見習い期間でコースが決定してしまい、大企業であっても化学工場の現場環境は劣悪で、不本意な配属での短期離職は多い。噂では新人研修では反公害の危険人物を徹底的に記憶させて相互監視体制を作っていた。
「校長、黒田も反省していますし、もうこの辺でいいでしょう」
中立的な立場を装い担任は校長を制し、帰りに校舎裏の教員用の駐車場に来るように言われ解放された。担任の愛車は石崎自工製の旧式車両ハゼロで、火山帯など主に山道で活躍していたらしい。僕らは助手席を倒して窮屈な後部座席に通された。走行距離は二十万キロ以上で冷房も弱々しく何だかカビの匂いがして最悪だった。内循環の車内には最新の空気清浄機が設置してあって、視界の悪さは霧ではなく煙で、亜硫酸ガスが蔓延していた。窓を閉めていても密閉度が低く煙が流入していたが、徒歩よりはマシなので何も言わない。
「黒田、碓氷、我が校では岩原産業の推薦枠があるから批判はご法度だ」
「推薦枠を守るために犯罪企業の言いなりですか?」
「俺は敵に回すなと言いたいだけだ」
国道から海沿いの県道に移っていく。岩原産業の主力製品、酸化チタン生成のため原料から硫酸で鉄分を分離し、残った廃液の硫酸鉄は海に放出され塩分に反応して赤く色づいていた。「本当に汚い海だ」担任は吐き捨てた。
***
学生寮の食堂で僕らは遅い夕飯を取っていた。寮母からの愛情たっぷりな握り飯を頬張りながら、テレビ放送に耳を傾けて、工場誘致推進派の県議員が電柱に紐で巻き付けられ放置された事件を報道していた。フル稼働した工場の煙に相当参ったらしく撤回を表明していた。
「ねえ、恭一郎、内ゲバって何?」
僕は行儀悪く指についた米粒を舐めてスマホで調べ「暴力を用いた内部抗争」と結月に言った。現場は僕も見知った場所で人通りも多く、誰もが無視して通報もしないで放置したらしい。
「呼び出しを受けなければ、この縛られた議員が見られたのかしら?」
僕のスマホにAirDrop爆撃してきた結月は、電柱に縛り付けられた議員の写真で笑っていた。
「これは決して気分のいいものじゃないし、犯罪企業と同じく卑劣だ」
「はぁ……、きっと、その正義感は誰かに利用されて、いつか火中の栗を……」
結月は癖なのか今朝方から何かと首飾りを触っていた。
「結月?」
「真珠、どこかに落としたかも……」
確かに姉御の首飾りから大粒の真珠が失われていた。放課後まではあったらしく幸い通学路ではないことは確かなので、教師用の独身寮へ向かい担任に車内を調べさせてもらうことにした。結月が借金取りの如く乱暴に扉を蹴り、ジャージ姿の担任は「俺の花金を返せ」と訳の分からないことを悲しげに口にしていた。
「休み明けまで待つよりも今から探した方がいい。行くぞ」
ハゼロの車内を隅々まで探したがなく、担任の提案で僕らは学校まで探しに行くことになった。
「最短で探し出すには、移動中に何処に行ったか思い出しておくことだ」
結月は珍しく素直に返事して僕らは真剣に移動経路を思い出していた。「石崎系コンビニの悪魔の何とかは関宿の狸俵握りのパクリ」友人のどうでもいい一言、購買店の支払いで誤って出してしまったファミレスリビエラの百円割引コイン、記憶に一切残さないはずだった情報が溢れてきて僕は疲れてしまった。結月の予測では説教部屋が有力らしい。
「この時間帯は闇ダンプが多いから、俺は長時間後ろに付きたくないし、何か見ても忘れろ」
恐らく担任の口にした闇ダンプは、無許可または虚偽申請した埋め立て処分場に産業廃棄物を運搬していく車両なのだと思った。尾行と勘違いされて毎年何人かが失踪と噂でも聞いていた。通りの少ない道路の信号で青になっても、しばらく発進しないダンプに身の危険を感じた僕らは退避して、少し休憩してから向かうことにした。コンビニに駐車されていたダンプの識別板は泥か何かで隠されていてとても怪しい。寮には門限があって、この時刻に出歩くのは珍しく工場群から少し離れていて騒音も変な匂いもしなかった。担任はハゼロのボンネットに腰掛けて夜風に当たり、結月はドアを開けた運転席で横向きに座り、僕は突っ立っていた。
「海野先生は、どうして教師になったのですか?」
「工場が嫌で、警察消防は危険地域、市役所は企業との癒着、残ったのは教師だけだった」
結月の極めて真面目な質問に対して夢も希望もない理由だったが、僕らも時期が来れば選択しなくてはならない。消去法で進路はきめたくなかった。
「カッコつけでもなく、結局な、俺は、生まれた土地を捨てられなかった。ただ、それだけだ」
自分に酔ったキザな担任は電子タバコの煙を吹き出し、僕らは飲酒運転ではないか心配した。担任から奢ってもらった漆黒の珈琲に大量の砂糖とミルクを垂らし僕は苦味を中和した。ダンプが全て出て行くのを待ちながら、カップの底には沈殿した甘い砂糖が残っていて、産業廃棄物は希釈したり埋め立てたり飲み物とは違い扱いが難しいと専門知識もなくとも理解できた。最後の一台がのんびり出ていくのを見送り僕らは学校に向けて再び走り出した。
「……環境研究所の補助金返還問題で……釈明しました。警察は……日、三重県、四日市港爆破テロの計画をしたとして……を逮捕し、……取り調べを続け……全容解明に……」
雑音が多いラジオ放送は身近な場所の話だったが、いまいち実感がわかないでいた。
「油を積んだ大型タンカーで、故障したと見せかけ座礁炎上って計画に無理がありませんか」
僕は馬鹿げた杜撰な計画だと同意を求めたが、彼らは沈黙して何か考えていた。
「……あの付近は垂れ流しの塩酸で船のスクリューやエンジンの故障が多いらしいけどな」
「もし、テロの計画が実行されてしまったら……」
結月の質問に担任はしばらく考えていた。僕は想像したくもなかった。
「船単体なら過去東京湾で鎮火できずに自衛隊の協力で魚雷だの爆撃で海に沈没させたこともあったけど、最悪のシナリオならプロパンガス・原油のタンクに延焼して大爆発だろ」
担任は淡々としていて、不意にただ一言「計画について誰が口外したのか」独り言ちていた。校門の錠前は電子式で担任はカードをかざした。夜更けでも夜空はなく眩いばかりの校舎には僕らだけしかいない。スマホはともし火となって辺りを照らし下駄箱から教室、職員室の順に探し算段通り説教部屋で見つかった。普段から表情の乏しい結月ではあったが、この時ばかりは安堵して胸をなで下ろしていた。僕らに礼を言って後は寮に戻るだけだったが、校舎裏から重機の動く音がして気になった。担任は何か知っていたのか首を横に振り、確認しないで駐車場へ向かった。帰りの国道二十三号線を数珠繋がりで走り去っていく闇ダンプの荷台は空だった。寮の教員駐車場に到着して「寮母には俺から伝えておくから早く寝ろ」と担任は言い残し少ない花金を楽しむのかどこかへ行ってしまった。僕は結月と別れて男子寮へ向かい、軽くシャワー浴びて床に就くと疲れからか睡魔に襲われた。
***
教え子の急用で遅れてしまったが、県境の鈴鹿峠から滋賀県側に出て隠れ家に来た。複雑な旧道を経由して、巧妙に自動車識別板自動読取装置の回避をしたが、俺は何も法を犯してはいない。受付で偽名を告げて部屋の前で四回扉を叩く。三秒開けて二回。内開きの戸が開いた。
「遅いです。丹精込めて作った料理が冷めてしまいました」
出迎えてくれたのは同志ではなく同僚だった。若干酒精が回ったのか後野の顔は赤い。若手の教師も多く集まり、多田野はミント・フラッペだろうか爽やかな緑色の液体を飲んでいた。彼の役職は校長だが雇われは権限が弱く、今日も損な役回りで気の毒だった。
「黒田と碓氷が学校に忘れ物をして、ちょっと……」
後野は次に怒りが回ってきたのか赤鬼になっていった。「あ、あの二人はぁ!」こうなっては話が長いので無視して席につく。元有名店の料理人だけあって豪勢だった。聞いたことのない魚、アカイサキのポワレは塩胡椒で味付けして橄欖油でじっくりと焼かれていた。白身は淡白だが皮に旨味が凝縮されていて美味しい。魚料理には白ワインと相性が良く酔いで理性が犯され饒舌になっていった。
「今日、教え子にこの街で車の窓を全開にして海風に当たったことがないって言わ……」
「だって、くさいし」
俺が言い終える前に後野は真顔で口にして多田野も同意なのか頷いていた。
「テロでコンビナートが焼き尽くされてくれればな……」
多田野は不謹慎な言霊を吐き出し厠へ消えていく。後野は肉料理に取り掛かっていて度数の高い酒はコンロに引火してアルコール分は大きな炎となって燃え尽きた。
***
窓硝子が粉々に飛び散り教室には熱風が吹き荒れ、薄く開いた眼は遥か彼方にそびえ立つ炎の柱を捉えた。矢となった硝子で腕は擦り傷だらけで、鼓膜が傷ついたのか不気味な静寂に支配されていた。吹き飛ばされた僕は這いながら、ぐったりとして動かない結月に近づく。抱き上げても腕は力なく垂れ下がり、肩を揺らしても反応はなく糸の切れた人形になっていた。
「ゆづきぃ!」
僕は己の大声で目が覚めた。失った未来は儚く零れ落ちていく。時計の針は止まることなく、荒れた呼吸と鼓動は静まってはくれない。次第に何の夢だったのかを忘れてしまい、ただ恐怖心だけが心の奥底に重い鉛として沈んでいった。地元に残れば常に危険と隣り合わせで、埋め立てられた有害物質が雨で流れ出し健康が害されたら、それで死んだら。これまでは楽観的だったが押し寄せ不安で心細い。学校の裏山に誰が何を埋め立てていたのかも気になり出して思考は巡っていく。気晴らしに旧式ラジオの電源を入れても深夜放送は童謡を垂れ流すだけで勇気の欠片もなかった。それでも床で瞼の裏の光に意識を向け続ければ吸い込まれて「高校生には何も出来ない」結論に達したのか思考は停止してくれた。
***
夜も更けて酒豪の女性たちは別の部屋に移っていく。多田野のでっぷりとした体が空き瓶に埋もれていて俺は片付けに取り掛かっていた。空き缶は水でゆすいで指定ゴミ袋に集めていく。独身寮で酒盛りは出来ないので、こうして集まっては飲食していた。
「今日の件で黒田の推薦は取り消しになるのか?」
「不問。それが企業側の考えだ。碓氷が一緒だったから幹部の父親が裏で手を回したのだろ」
岩原天皇批判の密告者は誰か特定はできていないが、漏れていた。否、筒抜けに近い。学校からの推薦など形ばかりで企業側からの要請で決められていて、黒田は石崎ケミカルからの指名だった。最近、碓氷が接近していて不審に思ってはいたが事情が掴めた。
「仮にもだ、岩原批判を擁護したなら碓氷の父親の立場が悪くならないか?」
「馬鹿か、自分の立場が悪くならないようにしたってことだ」
多田野は冷蔵庫から取り出した発泡酒で喉を潤した。俺はゴミ製造機の校長に嫌気が差したが話の腰を折りたくなかったので、ゴミ袋を投げ捨てウヰスキーを注いで席につく。
「でも、あの碓氷が親からの勧めで黒田に近づくとは、とても思えない」
「あいつら、あれでも家が向かいの幼馴染だから縁がなくはない。どこの馬の骨とも知らない男と見合い結婚か、曲がりなりにも恋愛風結婚か天秤にかけてみれば、誰しも後者だろうさ」
「それは幸せなのか?」
「知らん。俺に聞くな」
***
台所付きの貸し部屋とは違い睡眠だけの空間は何だか寂しかった。実家から留守電に伝言が残っていて再生すれば「おねえちゃん、あ、私、ひまりです。今朝の件、私の力じゃないけど、石崎家の働きかけで何とかなりました。ウスイって幹部に花を持たせたそうです。盆には顔を見せに戻ってきて下さ……」録音時間に制限があって途中で切れていた。教え子の正義感は親譲りらしく真っ直ぐで怖いぐらいだ。花嫁修行らしく縁あって頼まれた弟子の碓氷に結末のメールをしておいた。実家の旅館にこちらから電話をしたのは、いもうとの結婚が決まって以来で指折り数えてみて途中で虚しくなってやめた。両親は次期料理長として期待していたが、私に和食の才能はない。そして、誰かに振る舞う料理はもうしないと決めていた。
「さて、お待ちかねの大浴場へ、いざぁ!」
***
「多田野、夜中に学校の裏山、掘り返して何かあるのか?」
「……行政に災害危険箇所の指摘を受けたから、岩原産業の環境商品で土砂崩れの対策らしい」
「岩原産業の何て製品だ?」
「裏山の所有は国、管理は地方自治体で俺は何も知らされてはいない。ただ噂では……」
***
寮の食堂で耳まで赤くした結月は親衛隊に守られていた。友人Iから真夜中の叫びで誇張された噂が飛び交い、僕が純潔を奪ったことになっていて気を付けろと忠告されたので回れ右した。
「黒田、伊勢に行かないか?」
「またファミレスでサイコロステーキだろ、遠慮しておくよ」
四日市駅から伊勢市駅まで一時間半の列車旅で片道千円は高校生の小遣いでは厳しい。更に定食に千円必要で付き合いでも遠慮したかった。僕の冷たい言葉に友人Iは気にした風もなく、志摩市の一つ星店について聞いてもいないのに語っていた。
「そのフレンチレストランで後野先生が副料理長として一時期働いていたらしい」
「そんな人がどうして、ここに?」
「噂だけど、辞めたのは審査員にくさい魚を出してしまったとか」
「それは本当か? 油の匂いはどれだけ味付けしても誤魔化せないし、味見ぐらいするだろ」
「……ってことは……「後野先生は誰かに嵌められた」」
***
「くしゅん、くしゅん。風邪でも引いてしまったのかぁ、くしゅん」
空調の調整が甘く冷房が効きすぎたかもしれない。私は荷物に埋もれたリモコンで設定温度を上げた。ホテルには化粧水がなく、シャンプーもリンスーも粗悪で髪が傷んでしまったのか櫛が通らない。毎回持参してこればと反省してもすぐに忘れてしまい、乾燥した肌の化粧はいまいちで同僚には先に帰ってもらった。素泊まりなので朝夕の食事はなく、オムレツぐらいご馳走しても良かったかもしれない。同時にハッとした私がいた。
***
二日酔いなのか多田野はハゼロの後部座席で丸まっていた。女性たちは大浴場が気に入っていて時間までのんびりしてから帰るらしい。俺は裏山に何が埋められたのか確認したかった。峠が堪えたのか途中で休憩しながら、国道一号線から二十三号線に分岐していく。海の方向に風が吹いていて視界も良好で学校の裏山の斜面は明らかに異質だった。杉が植林されていたが一切なぎ倒し、元からあった土壌は根こそぎ運び出され、赤い粘土質の土が剥き出しにされていた。赤い土は空気に触れてしまうと毒性が強くなるので通常は土か何かを被せておく。
「海野、これはやはり前に問題になった赤い土かもしれない」
「特性からすれば雨が降れば地盤が緩くなって逆効果じゃないか」
勾配からすれば有害物質は校舎に流出してしまい汚染は確実だった。仮に赤い土であれば県が指定したリサイクル製品の認定は抹消されていて正真正銘の産業廃棄物だ。俺は採取した残土をワインの瓶に入れておく。多田野も同じ結論に至ったのか一般市民として警察に匿名で通報していた。
***
四日市駅構内の立地の良さから、店内には通勤途中の会社員が多く眼鏡を曇らせながら麺を啜っていて、一杯二百五十円と格安で僕らの腹を満した。友人Iからプラネタリウムのペアチケットを貰い、最後に彼は「これは焚き付けの言葉であって、僕に対しては精々「私の中に貴方の望む答えは有りません」だ」と言い残し伊勢に旅たった。
***
海野君から産業廃棄物の件について連絡は受けていた。彼とはゼミが一緒で教員資格の単位取得に必死だったことは覚えている。教授推薦で研究室に就職して同窓会で再会した時には教員になっていた。私は警察の鑑識で日々働いている。
「土の分析は三重県環境研究所に依頼して、環境の基準値を上回る数値が出たようです」
素人が見当なく採取しても混ざった土では正確に分析できないので専門機関に依頼して、結果がフリーのメールアドレスで届いていた。報告は正規のルートではなく不審に思い担当に電話で確認したのでこの結果で間違いはない。更に時間差で四日市署に環境研究所職員が直接渡しに来たらしく、打ち合わせで来署した警察幹部が書類を大切そうに持ってきた。念のために職員の入退室時刻の記録を取り寄せ、内部告発を疑ったが入室の記録とメールの送信がほぼ同時刻で同一の結果だったため不可解でしかなかった。
「分かった。……あの企業の犬が認定したなら間違いないな」
「あの土、どうして、ここで分析しなかったのですか?」
「上からの命令だ。忘れろ」
採取は別として成分分析であれば県警の鑑識設備でも十分調査可能だった。採取から分析まで委託だったので、同一の結果が出るのか試してみたい。
「信頼性に乏しい機関の結果なので、該当の土も添付して報告書の提出をしたいです」
「……確かに、サンプル提出の依頼は俺からしておく、報告書の作成は頼んだぞ」
調査した土が本当に添付できるか分からない。欺かれても、後から言い逃れされないためには少しでも証拠は必要だった。上司がきつく言いつけたのか、その日の内に残土はビン詰で届いて、分析結果は環境研究所と同一だった。私にできる範囲のことはしたので報告書にサインして上司に提出した。
***
僕はプラネタリウムの鑑賞券の渡し方に苦悩していた。寮では二人だけにはなれない。スマホの電話帳から結月の電話番号を表示して、思い切ってタッチしてみた。数回のコールがあって、誰かに繋がった。「はい」これが毎回の応答で、僕の鼓動は高く、緊張から声が少しの間でなくて「恭一郎?」、早く何か言わなくてはならない。必死で言葉を探して絞り出す。
「もしもし、結月。今、四日市駅にいて、プラネタリウムの鑑賞券があるから一緒にどう?」
***
私は急な誘いに大慌てで支度して、髪に煙の匂いがついていないか何度も確認した。
***
「裏山の赤い土は産業廃棄物で間違いない」
多田野は引き出しから紙を取り出し、環境基準の六倍程度の数値が出ていた。俺たちは校長室に集まっていて誰もが覗き込んでいる。分析した専門期間は黒く塗りつぶされていた。
「多田野、この分析結果はどこから仕入れた。内部告発か? 法外な経路じゃないだろうな」
「この結果は三重県環境研究所が誤って不特定多数にメール送信したらしく、学校にも届いていた。協力者から裏付けは取れていて三重県警に報告された結果と同じ、これは本物だ」
多田野は「誤って」の部分を強調していて彼自身も怪しんでいる様子だった。
「同じ? てことは警察にも環境基準を上回る結果が出たと報告されているのか」
「そうだ。メールと書類の引き渡しは同時刻で、流出から慌てて差し替えた可能性は低い」
「三重県環境研究所って赤い土の製品認定に関与した所ですよね」
「ああ、今でも癒着していて企業側に不利な結果は絶対に出さない、はず、だ」
「……大きな声では言えないが、圧力で環研になったらしい」
「じゃあ、この評価は嘘ってことですか?」
これが嘘なら意味が分からない。この場の人間は全員同じ思いだった。校長室から出て同級生の鑑識に連絡し、彼女から「土の採取は機関だけど結果は同一だった」と返された。採取された土が偽物の可能性は残っていて、納得がいかない。
「再分析しに行きたいから半休にしてくれ」
校長室に戻っての一言に誰もが驚いていた。了承されて自家用車で母校に向かい、風向きは海側に変化して視界は悪くない。三重県の県庁所在地、津市に俺は恩師に会いに来た。
「黒田准教授、お久しぶりです。お忙しいところ恐縮ですが、分析して欲しい土があります」
「……ああ、君か。今は教授だよ。……あれから君も教師として立派になったと聞いているよ」
短い挨拶を交わし、差し出したのは採取した粘土質の赤褐色の土。分析は若手の仕事で実験室に向かい。研究室に残った教授はお茶を用意していた。
「君は、あれが何だと思う?」
「……他の研究所では産廃と認定されましたが、本当は無害ではないかと」
教授は一枚の分析結果の書かれた紙を取り出した。
「ここにも届いていましたか」
「確か、赤い土と瓜二つの環境製品がありましたね」
「はい。俺はこれが無害な土壌改良土であって、赤い土ではないと思っています」
「そうかね、三重県環境研究所管理の最終処分場の使用差止で、岩原産業は未だに赤い土の処理に困り果てていますから。筋的には、この土は産業廃棄物であってもおかしくはない」
教授は軽く揺らして急須から注がれたのは真っ黒な液体で驚いたが珈琲の匂いがした。
「三重県環境研究所には困りごとがあって、当てが外れた最終処分場の建設費の内、国から受けた補助金の返還を求められ支払いの目処が立っていない。だから、産廃が欲しくて堪らない」
「でっち上げて、撤去の行政代執行がされれば受け入れ場となりますね」
「ここに岩原産業が噛んでいれば、敷地内の赤い土を処分場に搬入できて、処分費は国か四日市が負担して結局踏み倒す気でしょう。裏山の土はどこか捨てるか売るか、知りませんが」
一息ついて薫り高い珈琲を頂く。「ブラジルの豆?」「コスタリカだよ」全く違いが分からない。控え目なノックで分析から戻ってきた助手は教授に一枚の紙を差し出した。
「うまくことが運ぶかどうかは分からないが、海野君の推理通りの結果だ」
黒田教授は分析結果に間違いがないか何点か若手に確認して納得したのか署名していた。
「伝えるべきか迷ったが、最近、付属病院に岩原産業の従業員が多く受診して……、彼らは巻き上がった粒子を吸引してしまったのか鼻中隔穿孔の症状を訴えているらしい」
赤い土に含まれる六価クロムは石綿と同じく発癌性の物質で多くの人が被害を受けた。
「彼らの為に沈黙しろと言うのですか?」
「いいや、年を取った自分は知り過ぎて何も出来なくなってしまった。……この分析結果は委任状だと思って欲しい」
黒田教授はしばらく紙を離そうとはしなかった。俺はこの結果を正しく用いなくてはならない。
「……ありがとうございます。俺は自分の正義を貫くだけです。では失礼します」
この言葉で力を緩めた黒田教授から分析結果を受け取り、その場を後にした。
***
「三重県環境研究所は海野君の古巣だから、彼が一番辛いだろうね」
***
学校に戻った俺は多田野をメシに誘う。午前は煙霧で登校禁止になっていて学食には生徒はいない。トレーに乗せた日替わり定食はトンカツだった。分析結果から伝えていく。
「俺の採取した赤い土は無害だった」
黒田教授に話した仮説を伝え、多田野は俺の専攻や経歴は理解していて疑いはしない。脂身だらけのカツにからしを付けながら岩原産業従業員の健康被害は伏せておくか迷い結局口にした。
「俺の父親は肺癌で亡くなったから、な。無害で被害もなければ警察も動かない。うやむやにされて後から嫌がらせを受けるだけだ」
詐欺事件として故意的だったのか証明は難しいかもしれない。企業や四日市の思惑は別にして、赤い土の撤去になれば学校は風評被害で志望人数が激減してしまう。廃校の可能性もあった。
「だが、このまま放置すれば廃校は確実だ」
「……申し訳ないが、今回の件、俺は廃校になったとしても告発に関与しない。産業廃棄物に苦しむ従業員を助けるのは悪ではないはずだ。それに、生徒は汚染校から遠く離れられる」
言葉を濁した多田野は喉が渇いたのか水を飲み干していた。確かに実質的な被害がなければ警察は動けない。この分析結果を捨ててしまえば、岩原の従業員も汚染校の生徒も助かる。本当に正しいのか。これが正義なのか。時間は有限で告発が遅れてしまえば、警察は廃棄物処理法で推定有罪の方針を定めてしまう。被害者がいないことが狙いであれば、誰が得をするのか。
「もし、国と企業が四日市港周辺の工業地帯を無人にしたいとしたら、どうだ。学校と裏山の敷地を合わせて、売却したいとすれば……」
「それは六十年代に計画されて費用はもとより住民が土地の売却を拒んで頓挫した。ここは海から遠いから何も建てられない、無理だ。海野、お前は何を正したい?」
思い付きは苦し紛れの言い訳になって、俺は異常に喉が渇いた。
「俺は……、最終的な損失は環境で、無人になれば汚染が加速し、未来の子らが被害を被る。今と未来の被害者を救う方法を探すことが最善であり、正さなくてはならない」
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私は海野さんの推測に懐疑的だった。それでも、この場に石崎の人間はいてはいけない。
「異動、または退職を希望します」
多田野校長は無言で頷く。退職の場合は法に則った最短の二週間にした。
「海野は、ほら、この学校が好きだからな……」
「分かっています。私も好きでした」
校長室から出て売店に向かい、廊下は煙たく、海野は窓も開けないで一服していた。
「喫煙所に行ってもらっていいですか?」
私は勢いよく窓を開けた。外も煙たくてイライラした。
「ああ、悪い」
海野さんは携帯灰皿に消火していて、自分に酔った彼に私は我慢が出来ない。
「海野さん、正義は後ろ盾がなければ脆いもの。正しさには必要悪も認めなければなりません」
「……俺、研究所追い出されたからそれぐらい知っているよ」
海野は赤い土事件の内部告発で依願退職になった。人としての正しさは私も認めている。でも、青空回復の夢は絶たれてしまった。
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新しい一週間は憂鬱で唯一の救いは天気が良く煙霧が出やすい。視界が悪いので遅刻しても咎められない。僕は結月と学校から通学許可の連絡が届くまで待機していた。
「世界の危機か私、どちらか選ばなくてはならないなら、あなたは、どっちを選びますか?」
急な質問ではあったが真剣な眼差しに茶化せなかった。結月の意図は分からない。
「僕は碓氷結月を選ぶ」
本質的にこの質問は結月が中心になっていて翻訳すれば「私のことが好き、嫌い」だ。仮に世界の危機が訪れて文明が滅んでしまっては、長くは生きられない。
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私は卑怯だ。黒田君に欲しい言葉を言わせてしまった。
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「どうして、俺らの居場所が奪われなくてはならないのか」
見比べた分析結果の紙は正反対の数値が並んでいて、何が正しいのか分からない。このまま黒田教授から受け取った用紙を燐寸で燃やしてしまえば多くの人々が助かる。企業の経済圏では地域住民は無力で岩原産業の市場占有率は高く、悪評が流れても取引は減らない。
「はぁ……、一本もらっていいですか?」
後野はどこから探してきたのか大きなコンパスで肩を軽く叩く。粉が付いて不快だったが煙草を一本渡して燐寸で火を灯し、一口吸い彼女は咳き込んでいた。
「ごほ、うぅ、こほ……警察に提出して、判断は国家組織にしてもらっては、どうですか?」
「……俺は、警察も信用していない」
「もう少し、信用してはどうですか? 裏切られて傷ついても誰かが助けてくれます」
彼女は何か力説していたが特に心揺さぶられることはなかった。
「後野さん、料理人に煙草は似合わない」
俺は彼女から抵抗にあいながあら煙草を奪い取ったが、分析結果の用紙は取られてしまった。
「これは、私が石崎の親類として四日市署に持っていきます。文句は言わせない」
「それだと四日市での石崎の立場が悪くなってしまう。返せ!」
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内心私が後悔していたのは彼に関わってしまったことで後戻りはできない。もう疾走して逃げ切る他なかった。生徒の目はないのだから風を切りながら全力で走って、職員出入口に向かっていく。我に返ってはいけない。
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どれだけ一生懸命走っても、小さくなっていく後野の後ろ姿に追いつくことができない。
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荒れた呼吸を整えながら駐車場で振り返っても誰もいなかった。
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四日市港で一番高い建物から多くの人の命と健康を奪った工場群の夜景は綺麗で悔しい。更に、彼は煌く偽りの星々に夢中で私は嫉妬してしまった。髪や服に煙の匂いがついていないか確認して腕に抱きついてみた。彼は少し驚き、一緒に残酷な光を見つめた。
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失くしてしまった未来は儚く零れ落ちていく。
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「あれは煙草の吸い過ぎで追いつけなかった。決して俺が遅いのではない」
彼は言い訳をしていて、私は何だか可笑しかった。
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国は三重県環境研究所、企業の不正に強硬姿勢だったが、敷地内の産業廃棄物は特例で処分させた。法律も改正されていい方に向かい、公害は過去のものになっていくだろう。
「僕らは、この美しい景色が残酷であることを忘れてはいけない」
この言葉に多くの人が同意してくれるだろうか。小さな四日市の経済圏に閉じ込められた弱者の気持ちを伝え理解してもらえるだろうか。過去の過ちから何を学ぶことができただろうか。僕に何ができるのだろうか。高校生の無力な自分に何か変えることのできる力はない。だけど、弱者は黙ってはいない。小さな声は大きな声となって、世界を変えることだってできる。そう信じている。
参考文献
澤井余士郎 ガリ切りの記 生活記録運動と四日市公害 影書房 2012
杉本裕明 赤い土・フェロシルト-なぜ企業犯罪は繰り返されるのか 風媒社 2007
田尻宗昭 四日市・死の海と闘う 岩波書房 1972
田尻宗昭 公害摘発最前線 岩波書房 1980
田尻宗昭 海と乱開発 岩波書房 1983
田尻宗昭 提言・東京湾の保全と再生 株式会社日本評論社 1988
田尻宗昭 油濁の海 日本評論社 1981
庄司光 恐るべき公害 岩波書房 1964
芝生瑞和 「テロリスト」がアメリカを憎む理由 毎日新聞社 2001
吉田文和 ハイテク汚染 岩波書房 1989
李英和 北朝鮮秘密集会の夜 株式会社クレスト社 1994
川名英之 ドキュメント日本の公害 第1巻公害の激化 緑風出版 1986
四日市公害と環境未来館
四日市港ポートビル