第四話 ―焦―
(ここ…どこ?)
外灯はたまに道路わきにあるだけ。
「ここどこよ!!!!」
「お前って案外スキありだなっ!!」
((ヒャーハハハハハ))
そして車は走り出した。
「どーすりゃあいいのよ…」
サクラは泣きそうになった。
「どっちに行けば…いいの?」
サクラは適当に歩き出した。いつのまにか服が破れてる。
…
…
…
…
5分くらい歩いた。
たまに灯がついている家があるがその家に入る訳にもいかない。
すると、
向こう側から一つの光が近づいてくるような気がした。
(まさか…幽霊?火の玉?)
「カラカラカラ…」
自転車だった…。
そこに乗っていたのは、あたしと同じくらいの歳の少年だった。
最初は、サクラの前を通り過ぎたが3m位過ぎると息なりピタリと止まった。
「……どうしたの?」
サクラはビックリした。
「え……っと…」
「言いたくないなら、いいけど?送って行こうか?」
ブラックカプセルに捕らえられたなんて言えないに決まっている。
「色々…あって…迷子に……なっちゃっ…て」
上手く話す事が出来なかった。
「そっか…携帯は?」
ポケットに入れておいた携帯が無くなっている。さっき車にいたとき、盗まれたとしか言えない。
「落としちゃって。」
少年はフフッと笑うと、上着を自転車の荷台に縛りつけた。
「ほら!乗りなよ。家来る?」
サクラは焦った。
(今出会った人の家に行く!?)
サクラは首を横に振った。
「いっ、いいですっ!!その…悪いっていうか」
少年はまたフフッと笑った。
「信用出来ない?だったらまたね!」
けれどまた、不良達が来るかも…と思うと怖くなった。
少年が自転車を漕ぎ出した。
「ぁっ…待って!!!あのっ…」
自転車が止まった。
「ん?どうしたの?」
「あ…のッ…いいですか?」
サクラが少年の自転車の荷台を指差した。
「いいよ。乗りな」
そしてサクラは自転車の荷台にゆっくり乗った。