第三話 ―光―
*あらすじ*
サクラの大好きだった歌手、ブラックカプセル。
二年前には解散になっていたはずが今サクラの目の前に全員そろってる!?これからどうなるの!?
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ナイフを首元に置かれながらも、髪の毛をわしづかみされながら、黒いワゴン車に乗せられた。
左にはタカヒロ。右には、ヒデが乗っていた。そして運転がワスカだった。
暴れようとしても手は固く捕まれ、足は素早くロープで縛られていた。
「何すんのよ!!変態!!」
上手く暴れることが出来ない。「はーん…俺らの事、変態、なんか言っちゃっていいのかな〜??」
横に座っていたヒデが、
ニヤニヤしながら言った。
「うっさいわね…今はもうあんたら!歌手じゃないんだから!そんなの普通のヤクザよ!!」
サクラは出来る限り暴れたが無駄だった。
「暴れても無駄無駄♪」
そして心臓に響くような音楽を大音量で流し始めると、車が動き出した。
…
…
3分ほど経っただろうか。
見覚えのある道路に来た。
(…!!!…ここ、あたしの学校の前だ!!しかも職員室に一番近い…)
すると玄関から体型の良い男が出てきた。
(有森先生!!体育の先生の…!!!)
するとワスカが車を止めて、有森先生に話しかけた。
「おい、そこのジジィ」
有森はチラリとこっちを見た。
「なんだ?」
「お前の教え子、乗ってるみてーだぜ♪海行って沈没させてやろーかと思ってるんだけどさぁ〜」有森先生は驚いた。
「な、何!?教え子だと!?誰だ!!!」
サクラは身を乗り出して叫ぼうとした。
「有森せんせっ・・・」
するとヒデが口を押さえた。
「騒ぐなや。」(駄目だ…)
有森先生が運転席の窓に手を掛けていたのも関わらず、車は全速力で走り出した。
「待て!!教え子って誰だ!!!!」
((ブオォォン))
また音楽が大音量になった。
(有森先生!!!有森先生!)
だんだん意識が遠くなる。
…
…
…
「ハッ!!!!」
目覚めた時は知らない場所へ来ていた。
「おいサクラちゃん。ここら辺で降りな。」
そこは真っ暗な1本道だった。
その周りは畑と田んぼだけ。家は1、2件だけだった。