第十二話 ―晴―
*あらすじ*
渓人の家に誰か来たみたいだけど、息なりサクラに抱きついて
「サクラの本当のお母さんよ!!」なんて言うからサクラはパニックに!さあその人の正体は?
―――――――――――
「本当の…お母さん…?」
サクラは意味がわからなかった。
「そ♪サクラのママよ♪」
その瞬間、静かになった。
「ま、まず上がってください!!」
渓人のお母さんが言った。
そして女性は居間に連れていかれた。
しかしその女性はすごく美人で髪の毛が長かった。
「あの…あたしとあなたにどんな関係があるか…教えてください。」
サクラは冷静に聞いた。
「わかった。話すわ!!サクラは私、桃花から産まれて来たのよ!!そう、この沖縄で。だけど、私は夫と別れたの。浮気が原因で。その浮気相手が、サクラの今の母、桜子なのよ。私の夫はサクラを連れて行ったの。なぜかね…それで私はずっとサクラを探し続けた。そして今見つけたの!!」
サクラは混乱した。
まさか今のお母さんが偽の母なんて。
「じゃ、じゃあ東京にいるお母さんはあたしの本当のお母さんじゃないってこと?」
桃花はうなずいた。
「桜子は寂しい女だったわ…。あの時の喧嘩は辛かった…」
〜サクラが産まれて2年〜
ある時桃花の家に夫の姿は無かった。
そう朝から晩まで。
心配になった桃花は夫に電話した。
「プルルル…プルルル…」
なかなか出ない。
その後何度電話しても通じなかった。
(あなた…何で通じないのかしら?)
心配になってから2日目。ついに夫の車が見えた。だからそこから髪の毛の黒い女性が出てきた。
(誰かしら…)
そして家のドアが開いた。
「あなた…お帰りなさい…遅かったわね…今まで何して…」
夫が下を向いた。
「…桃花…サクラを預かる。」
息なりの話しに桃花は黙った。
「どこか行かれるんですか?」
桃花は恐る恐る聞いた。
すると夫は怒って言った。
「もうさらばだ!!色気もクソもないお前と付き合うのはもう散々だ!!!サクラを連れて出ていく!!」
桃花は目を丸くした。
そしてムキになって言った。
「な…何よそれ!!意味わかんない…っ!!何?2日間も連絡なしで!どれだけ心配したと思ってんの!?」
夫は自分に反撃する桃花を睨んだ。
「コイツと出ていく!!サクラをよこせ!!」
そしてサクラを指差した。
「サクラは私の一人娘です!!あなたみたいないい加減な男には譲れません!!」
すると夫の隣にいた女が出てきた。
「アナタには、もうサクラちゃんを育てる資格は無いわ?こんな田舎のど真ん中で育てる訳にはいきませんの!!」
桃花は頭にきた。
「これからは派手な世界!!沖縄では住んではいけないのよ!オーホホホ。」
桃花は反撃した。
「あんたは黙ってて!!サクラはあたしが産んだの!!あたしのものよ!!」
桃花はサクラをずっと抱いた。
「うるさい黙れ!!」
その女は桃花を殴った。
そのはずみでサクラが転んだ。
「うあーーーん!!」
サクラは泣き出した。
そしてその女はサクラの襟元を乱暴に掴んだ。
「あーら♪可愛い事♪じゃコイツ頂くよ…♪」
その2人は出て行った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「その後…警察に通報して、全国指名手配されたんだけど…何故か見つからなくて…。」
「そんな事が…起きてたんだ…」
サクラは落ち込んだ。
すると桃花が言った。
「サクラ…一緒に…暮らさない?」