第十一話 ―疑―
*あらすじ*
新サクラの家に来た、ブラックカプセル。不気味なワゴン車の中にはブラックカプセルだけと思っていたが…実は…?
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「あたしの…お母さん?」
渓人のお母さんは首を縦に振った。
「けど…どうやって…」
「あ、あのねサクラ…聞いて」
渓人が言った。
「なんかよくわかんないけど…ブラックカプセルの乗ってた車から…女の人が出てきて…その人も誰かを探してるみたいなんだ。」
(な…?なんで…こんな所に…)
「それで、その人は…そうブラックカプセルと同じ、サクラを探してるみたいで!」
「……それでその女の人だけに心当たりあるって言ったらまた後で来るって……」
(!!……お母さんが来る?)
サクラは緊張した。
何か言われないか…とか
「…けど待って!渓人!」
渓人はご飯の準備をしていたが手を止めた。
「多分…それ…あたしのお母さんじゃない…」
「なんでだよ?」
「あたしのお母さんは、昨日…ガスのせいで…病院に運ばれたし…こんな遠い沖縄にいるわけないから…」
渓人は黙った。
…
…
…
…
…
「…そんな事…言うなよ…!!」
(…渓人?)
「サクラのお母さんは…ここにいないかもしれない。けど、もしかしたら…って事あるでしょ?」
「そうだけど…」
サクラはうつむいた。
そして渓人はサクラの肩をポンと叩いた。
「大丈夫。会えるだけ、会ってみよう!」
サクラはうなずいた。
「あたし…その人と話してみる…。もしかしたらお母さんの事を知ってるかもしれないから…」
すると、外から誰かの話し声が聞こえた。
『ちょっと離して!!私はあの子に会いに行くの!!』
(……?)
(誰…?)
「誰か…来たわ!」
お母さんが、言った。
「さっきの女の人と…ブラックカプセル…だ。」
渓人が窓を覗いた。
((ピンポーン))
((カチャ))
お母さんがドアを開けた。
「あの!あの子の心当たりあるんだって!?どんな事!?」
その女の人は必死だった。
「あの…その子って…この子ですか?」
渓人がサクラを立たせて玄関に連れて言った。
その女の人は目をまん丸くした。びっくりしたようだった。
「サクラっ!!!」
勢いよくサクラに抱きついてきた。
「えっ…!?」
サクラまで驚いた。
「えっ…誰?」
サクラは恐る恐る聞いた。
「あたしの事を忘れたの!?サクラのお母さんよ!!」
(…え?…お母さん?)
「まあ〜忘れたの!?あらまあ…こんなに大きくなって…♪」
(えっえぇ…!?あたしのお母さん!?)
「あの…あたし…よく分からないんですけど…」
「ゴホン…はっきり言うわ!!あたしが本当のサクラのお母さんよ!!!」