第9話「混沌と覚悟と真実と」(零花視点)
20○○年4月9日水曜日
零花「ん、んん~!」
ひかり「ちょっとお父さん!お母さん!零花と未来が一緒に住むってどういうこと?!私何も聞いてないんだけど!」
ひかりの声が聞こえる。そっか、昨日説明しようとして寝ちゃったのだ。
零花「おはよ~。」
ひかり「おはy・・・じゃない!昨日言ってたこと本当なの零花?!」
零花「本当だよ~。だって私、親に放置されてるんだもん。」
ひかり「え・・・どういうこと?」
遥「二日前、零花ちゃんの家に電話した時なんだけどね・・・」
電話中・・・
遥「はい、零花ちゃんは今日泊まる予定ですよ。楓さんから零花ちゃんに伝えることはありますか?」
楓「え?ああ、もうそいついらないから、そっちにあげるわ。もう戻ってこさせなくていいから。」
遥「え?!ちょっと、どういうこt・・・切られた・・・。」
遥「っていうことがあってね・・・」
零花「ひかりを迎えに行った後、遥さんに伝えられてね。本当、うちの母がすみません。」
遥「いいのよ、零花ちゃん。」
直哉「で、行く当てもないだろうから、家で面倒を見ることにしたんだ。」
ひかり「へぇ~・・・いやちょっと待って!?つまり零花は親に捨てられたってこと?!」
零花「そうなるね。まあ、元から家を出るつもりだったから、それが早まったって感じかな。ということで、これからよろしくお願いします。」
ひかり「・・・」
親に捨てられる・・・私もそんなことは小説やドラマの中だけだと思ってた。だが実際、今までそう思っていたことが私自身に起こっている。現実で起こると、こんなにも怖いとは思わなかった。
未来「あ、おはよ~。」
ひかり「そうだ!未来ちゃんは何で!」
未来「私?家賃止められたからかな~。」
ひかり「ってことは・・・二人とも・・・」
零花「ま、そういうこと!だから、これからよろしくね。」
ひかり「・・・嘘つき」(ボソッ)
零花「何か言った?」
ひかり「・・・ううん、なにも。」
ひかりはそう言うと、学校の準備をしに部屋に戻っていった。
薫「零花。本当に良かったのか?お前だって辛いだろ。」
零花「いいの、これで。」
薫「ひかりちゃん、多分気が付いてるぞ。」
零花「・・うん。でも、この状況を認めてる私もいるんだ。」
薫「・・・そうか。」
薫はそれ以上何も言わなかった。私はその場で5分ほど立ち尽くした。
未来「iか・・・零花!」
零花「ふぇ!?なんだ、未来か~。びっくりした。」
未来「ここで立ち尽くしてて、話しかけても反応がないからびっくりしたよ。それはそうと零花、ちょっと大事な話があるんだけどいい?」
零花「うん?わかった。」
そういって私は未来に連れられ、そらさんの部屋に連れられた。
そら「零花ちゃん。来たね。」
零花「どうしたんですか?」
そら「落ち着いて聞いてね。・・・・・・。」
零花「・・・ははは・・・何かの冗談ですよね・・・・・・。」
そら「・・・・・・。」
未来「私もさっき知ったからびっくりしてる。でも、これは・・・は、事実だよ。」
零花「・・・ひかりは知ってるんですか?」
そら「いや、絶対とは言い切れないけど、知らないと思う。」
零花「これは・・・今は、伝えるべきじゃないです・・・・・・。」
そら「うん。今言ったらひかりは混乱しちゃう。」
零花「お願いします。」
そらさんから伝えられた内容は、衝撃的だった。私も混乱している。だからこそ、今は言うべきではない。私とひかりが・・・
ひかり「零花。未来ちゃん。」
零花「・・・ひかり。」
ひかり「あの・・・学校遅刻ギリギリなんだけど・・・・・・。早く準備しないと遅刻だよ・・・?」
零花「え?!本当じゃんか!急げ~!!!」
未来「私は準備できてるから安心して~。」
零花「いつの間に!?」
急いで準備をする。突然のことで動揺しているはずなのに、そんな素振りを一切見せないひかりは本当に強い。さっきそらさんから伝えられた事実を話すタイミングはわからない。いつバレるかもわからない。でも、今は、私を救ってくれたひかりのために。私は、夜霧零花としてやるべきことをやろう。そう心に誓ったのだった。
そら「まさか零花ちゃんが・・・だったとはね。薫君の言っていたことは本当だったってことだ。」
直哉「・・・バレるとは思っていたけど、このタイミングとはね。」
遥「いずれ分かることだったんですから。むしろ、ここまで隠し通せていたことが不思議なことですよ。」
そら「お父さん、お母さん・・・なにがあったか、教えてくれる?」
直哉/遥「・・・」
説明後・・・
そら「うそ・・・・・・」
直哉「これが事実だ。」
そら「そんなの・・・酷すぎる・・・」
ひかりと零花が真実を知るまで・・・残り15話・・・
≪15 episodes left until the truth≫