解説君と発光ダイオード
発光ダイオード(LED)製造大手「日亜化学工業」(徳島県阿南市)は、新型コロナウイルスを死滅させることができる高出力のLEDを開発した。このLEDを活用した空気清浄機などの新製品開発が期待される。
同社によると、徳島大の野間口雅子教授(ウイルス学)らと共同で行った実験で、深紫外線と呼ばれる光を30秒照射したところ、99・99%のウイルスが不活化したことを確認した。
出力が高いほど効果は高く、従来品(55ミリ・ワット)の約1・3倍にあたる出力70ミリ・ワットのLEDを量産化できる体制が整った。約2万時間、照射が可能という。
県などに寄贈した試作機には、25ミリ・メートル間隔でLEDを配置し、充電式で持ち運ぶことができる。近くでかざすだけで、コロナウイルスを除去でき、アルコール消毒ができない場所などで役立つという。
鎌田広専務は「エアコンや空気清浄機など多岐にわたる応用が期待でき、メーカーと協力して開発に取り組みたい」と話している。
ーーーーーーーーーーーーーー⭐︎ーーーーーーーーーーーーーー
「すごいじゃないか。朗報だね」
正太郎が解説君の持ってきた最新ニュースに目を輝かせた。
「深紫外線ということは、数年前に青のLEDを発見していなければ作れなかったのではないでしょうか?」
「そうだね。天は我らに味方した」
ちなみに、柴田昌弘さんのラブ❤️シンクロイドという漫画で、地下層にウイルスを撒かれて、紫外線照射装置できりぬける描写があるのだが、彼は実に多岐にわたって見聞を有していると思う。
正太郎は古本屋から花とゆめコミックをドッサリ買ってきて読み耽った。
性的描写はこの際目をつぶれば、SFの最高峰だと思えた。
「正太郎でも漫画読むんだ」
亜紅がふうん、と言った。
はんだごてと基板に銅線、赤緑青のLEDランプ。3Dプリンタで出力した写真を立体化したレリーフ。
「暁のおもちゃを手づくりで作ってやろう。仕組みに興味を持ったらしめたもの」
「あーあー」
「はんだは高温になるからな。亜紅ちゃん暁見てて」
「はい。あきら、危ないからね。お母さんと見てよう」
子育ても大変そうだった。
「紫外線は人体にも少し影響があるのじゃないかしら?」
「そうだね」
「ウイルスと人類のイタチごっこかあ」
「どんな未来が待ち受けてるのかな?」
「知り合いのいる研究所で簡易深紫外線照射装置開発したらいいのに」
「特許がなぁ」
「私に内蔵している光源は深紫外線ですか?」
「いや、危ないから解説君の光源は深紫外線じゃないよ」
解説君はちょっぴり残念そうでした。