ダンジョン
朝、俺達は、食堂で宿屋の主人のエリクさんと話して、ギルドに向かった。
ギルドに着いた俺達は、ボードの前で、初心者向けの依頼書を見ていた。依頼書を探してると、丁度いいのが見つかったので、依頼書をボードから2枚剝がした。それがこれだ。
依頼書
魔物 スライム5体討伐
場所 お試し・ダンジョン 1階
報酬 銀貨2枚 5体以上の場合は1体につき、銀貨1枚
期間 無制限
ランク F
依頼書
魔物 ウェアラット5体討伐
場所 お試し・ダンジョン 2階
報酬 銀貨3枚 5体以上の場合は1体につき、銀貨1枚
期間 無制限
ランク F
この依頼書を持って受付に向かったら、昨日の受付嬢がいたので、その人の所に持って行った。
「おはようございます。この依頼をお願い致します。」
「ルカ様、カーティア様、おはようございます。ギルドカードをお願い致します。」
「「はい」」
受付嬢にギルドカードを渡した。受付嬢は渡されたカードを受け取ると、魔道具みたいなのを使って操作していた。暫く待つと……。
「お待たせしました。受理されましたのでカードをお返しします。」
「「ありがとうございます」」
「討伐が終わりましたら、等ギルドにカードを提出してください。」
「魔物の部位は必要では無いのですか?」
「はい。皆様のカードの裏に魔物を討伐すると、表示される魔道具になっておりますのでカードだけで問題ありません。」
「へぇ~。分かりました。では、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。」
俺達は、ギルドを後にして、ダンジョンに向かった。ダンジョンの前に着いた俺達は、入口で兵士に止められた。
「ダンジョン潜るのなら、ギルドカードの提出をするように」
「「はい」」
俺達は、兵士に言われた通りにギルドカードを見せた。
「規則だから、悪いな。 よし!通って良いぞ。カードは返す。」
「「ありがとうございます」」
俺達は、ダンジョンの中に入った。俺達は、ダンジョンの初挑戦。緊張とワクワクでいっぱいだった。奥に進むと階段が有ったので、降りていった。
1階に降りた途端に、辺りが暗くてジメジメした感じの所に出た。辺りが見えないので、俺は、【ライト】を使って辺りを照らした。見えやすくなったので、取り合えず【気配探知】を使ってスライムが居るであろう場所へ向かった。
少し進むと、そいつは居た。体を上下に揺らして近づいて来たので、俺は【鑑定】を使うと、そいつがスライムだと分かったので攻撃を仕掛けた。剣で切りつけると余り効いてないのか、ブヨブヨ揺らしながらこっちに突っ込んできた。隣を見るとカーティアが、準備してらしく、【ウォーターボール】を放った。スライムに当たって、絶命したのか煙と共に消えた。
スライムが居た場所に、ドロップしたアイテムが落ちていた。
「これ何だろう?」
「ちょっと待って。【鑑定】するから」
「ん。解かった」
俺は、即座に【鑑定】を使ったら、それは【スライムスターチ】と出たので教えた。
「スライムスターチだとさ。」
「これがそうなのね。」
「これ売ると、どの位になるんだろうね?」
「ギルドに持って行けば解かるから、取り合えず仕舞っておくね。」
「うん。」
俺は、リュックにしまった。スライムは剣が効きにくいので、魔法で倒す様にした。
スライムを狩りながら、下に降りる階段を探す事にした。ここのダンジョンは1体しか出ないのだろうか?さっきから1体づつで楽だから良いけど。1階だからだろうか、余り広く無かった。階段は直ぐに見つかった。階段に来るまでスライムを15体、スターチを10個獲得していた。アイテムは倒すと必ずしも出るわけでは無いみたいだ。俺達は、2階に降りていった。
2階に降りたら、景色が一変して草原になった。そう言えば、このダンジョンで、他の冒険者に出会っていない。そんな事を考えてたら、大きめな鼠が2体居るのに気が付いた。【鑑定】すると
ウエアラット アイテム???
って出た。こいつがウエアラットか。俺は、腰に刺してあるロングソードを抜き、切りかかる。一撃で煙になって消えた。もう1匹はカーティアが魔法で倒していた。
「ふう。弱いな。」
「うんうん。これなら、結構稼げるね。」
「だな。油断せずに頑張ろう!」
「おー!」
何かテンションがやたらと高い。俺達は、あれからウエアラットを見つけては倒していった。結果、35体、アイテムは牙と皮が各10個づつだった。
俺達は、きりが良い所で地上に出てきたら、辺りは夕暮れ時だった。
ギルドに寄り報酬を貰う為に、今日会った受付嬢の所にやって来た。
「すいません。換金をお願いします。」
「ルカ様、お疲れ様です。では、ギルドカードを御願いします」
「「はい」」
そう言って来たので受付嬢に、ギルドカードを渡した。
「確認しますので、少々お待ちください。」
暫くして、受付嬢が布袋を持って来た。
「スライム15体 ウエアラット35体 合計で銀貨45枚になりますので、お受け取り下さい。」
「ありがとうございます」
「またのご利用お待ちしております。」
俺達は、報酬を受け取り次にカウンターの左側に向かった。それは、ダンジョンで素材をゲットしたので、それを売るためだ。
「すいません、素材を売りたいのですが?」
そう言うと、奥から係の親父さんが出て来た。
「はいよ。早速で悪いが素材を出してくれや。」
「はい」
俺は、ダンジョンで取れた素材を全部出した。
「えっと……スターチが10でウェアの牙と皮が10づつと……。全部で銀貨25枚だ。良いか?」
「はい。それでお願いします。」
「ほらよ。これが金だ、確認してくれや。」
「はい」
俺は、布袋に入っていた銀貨を出して確認した。
「確かに在りましたので、受け取ります。」
「おう。それじゃあな!」
俺達は、報酬と素材の売上を今日だけで、銀貨70枚を1日で稼いでしまった。銀貨35枚をカーティアに渡して俺達は、宿屋に戻った。