魔物の襲撃
村に帰って来た俺たちは、村人たちから驚かれたり、祝福を受けたりで忙しかった。俺と父さんは、レッドベアを家に運んで、家で使うものと素材で売る物に分けていった。俺は解体を終了後、素材の一部をカーティアに渡し、父さんは友達と飲みに出掛けた。俺は汗を拭き、食事をして寝た。
次の日の朝、今日の予定を両親に聞いた。両親が言うには今日から7日間は狩りを休みにして、村での行事に集中すると言う。村の行事と言うと、収穫祭だ。村で取れた麦や野菜を、村に祭られている神様に捧げ、村民全員が参加して祝うと言う祭りだ。
俺は母さんに付き合い、鶏の世話と、豚の世話。それが終わると、父さんのもとに行って、畑で父さんが伐採していった麦を集めて束にし、紐で縛っていった。その作業を収穫祭まで続けていく。
そして、収穫祭当日、村長の挨拶から始まり、神様に感謝を込めて奉納し、盛大に祭りが始まる。両親は近所の友達連中と楽しく飲んでいて、俺はカーティアと一緒だ。俺たちは、まだ酒を飲めないので、果実のジュースを飲んでいる。村の大人たちはバカ騒ぎをし、子供たちは駆けずり回り、収穫祭は夜遅くまで賑わった。
収穫祭も終わった明くる日、俺は一人で森の近くまでやって来た。それは、俺自身の鍛錬と魔法の熟練度を上げる為だ。魔法は使えば使うほど、熟練度が上がると母さんから教わった。ゴブリンに対して、魔法を使っては剣で倒す、を繰り返してを夕方近くまでやったので、村に帰る。
そんな事を1年間やって来たある日、村人が血相を変えて走ってきた。
「大変だ! ゴブリンの群れが南からやって来るぞ!」
「なんだってー!」
「その中にオークの姿も確認している。村長どうする?」
村長の周りには、村人が集まってきた。その中に俺と父さんと母さんとカーティアも居る。
「皆の者、落ち着かんか!」
「戦える者は準備を、戦えない者は戦える者の支援をするのじゃ! 南門を閉め、遠距離から弓や魔法で迎撃し、数が減ったら門を開け突撃じゃ。皆の者、急ぎ準備じゃ」
「「「「「「おう!」」」」」」
俺たちは、準備を終え急ぎ南門にやって来た。俺は南門の矢倉に上がり外を見たら、ゴブリンの群れが見えたので吠えた。
「父さん、ゴブリンの群れがもうじき来るよー!」
「おう! ルカ、魔法で迎撃しろ!」
「解かった!」
そう言ってゴブリンの群れの中に、【ファイアーアロー】を20本出して放った。俺の魔法が切っ掛けとなり、皆それぞれの魔法や弓を放っていた。残りわずかになったゴブリンの群れ。それを率いるオーク。魔物がギャアギャア言ってる隙をつき、南門にいた村人たちが一斉に攻撃して、蹂躙していくのを俺は、黙って見ていた。
結果は圧勝。ゴブリンは素材とういう素材は無いので、討伐部位の耳を削ぎ、その場で焼いた。オークの肉は、そのうちの晩、村人たちに振る舞って、美味しく頂きました。
魔物の襲撃があった次の日、俺と父さんとカーティアで森に行く事を決意し、準備を整える。
「父さん、準備終わったよ。」
「森に数日過ごす事になるから、覚悟しておけ!」
「「解かった(りました)」」
「母さん、行ってくるね」
「気を付けるのよ。父さんの言うことをよく聞く事。解かった?」
「うん。」
「じゃあ、気を付けて、いってらっしゃい。」
「「「いってきまーす(くる)」」」
そう言って家を後にして、村を出て森に向かって歩き出した。
森の手前で後ろを確認したら、村人の数人が居る事に気が付いた。その村人に話しかけて聞いてみると、俺達と同じ様にゴブリンの集落、排除に向かうと言う。それならって事でみんなと一緒に、行動することにした。
森の中に入り今日、野宿できる場所を、魔物や動物を狩りしながら進んだ。丁度いい場所が有ったので、今日はここで野宿すると言う。俺達は、テントを設置、父さんと村人の数人で結界石を四方に設置していた。
俺は、カーティアと一緒に枯れ木を探して、【ファイア」で枯れ木に火を付けた。残りの人達は狩りをした動物を処理し、その肉を料理していた。食事を終え、交代で見張りをしては、寝ると言う方法で今日は終了した。
朝、野宿で使ったテントと調理器具を、片付けて出発した。森を暫く歩いていると、先に出発した村人が凄い勢いで戻って来た。村人が言うには、「この先にゴブリンの集落がある!」と言う。皆で話し、そこを潰すと言う事で、皆、首を縦に頷いて移動した。
俺達は、父親を先頭に、ゴブリンの集落に近づいて、様子を見た。見ると、ゴブリンの集落は規模が小さく、50体ぐらいだった。俺は、カーティアと数人の村人達と一緒に、後方に居る。父親の合図と共に後方に居る俺達は、魔法や弓を放った。それを見て居た、父さん達村人が、一斉に突撃していく。
俺達は、父さん達が突撃していったのを見て、集落の裏手に回り込み、再度魔法や弓を放った。ゴブリン達は逃げ場を失い、死んでいく。暫く様子を見ていたら、父さん達が来て、終わったって事が解かった。
俺達は、討伐部位の耳を削ぎ、死体を集め家もろとも焼いて、集落を後にし村に帰る事にした。帰り道、父さんが、「これで暫くは安全だ」っと言うので一安心だ。そして、二日目の夕方に村に着き、それぞれの家に帰って行った。