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村人から英雄へ~迷宮冒険譚~   作者: 武蔵龍
1章 ルーポ編
2/13

スキル

読んで、頂いた方感動して泣きそうになりました。

まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします。

 村を出て、父親と二人で草原にやって来た。周りにはモンスターも居ない、比較的村に近い場所だ。なぜ来たかというと、今朝、父親と訓練中に、スキルを教えてくれるという。楽しみなのだが、何をやるのかわからない。


「よし、ここなら良いだろ。」

「ここで何をすれば良いの?」

「先ずは基本的なスキル【身体強化】と【魔力コントロール】を身に付ける事から始めるぞ」

「はい。何すれば良いの?」

「先ずは目を閉じて、身体の中にある魔力を、感じるように集中してみろ」


 え~と、目を閉じて身体中にある魔力と……ん?これかな。おへその辺りから身体中の隅々まで通すように張り巡らす。


【魔力コントロール】を覚えました。

って頭の中に声が聞こえて来た。


「え?頭の中で【魔力コントロール】を覚えましたって言ってきたけど……。」

「おお、中々早いな。その魔力を体内でコントロールすると、【身体強化】を覚えるぞ。やってみろ」

「うん。」


 父親に言われた通りに、さっき覚えた【魔力コントロール】を使って体内を、コントロールするイメージでやってみた。


【身体強化】を覚えました。

まただ、頭の中で声がある聞こえて来た。

 

「父さん、覚えたよ」

「うむ、そのまま【身体強化】を維持したままでいろ」

「うん。」


 体感でどの位維持してたか解らないけど、切れてしまった。


「はぁはぁ……。切れてだるいよ。」

「まぁ、そんなものだな。後は、今までやって来た訓練にそいつを組み込み、精進しろ。」

「……はい。」

「少し休んだら、狩りに行くぞ。取り合えずこれでも飲んどけ」


父親から渡された水筒を、少しずつ飲んで軽く食事をとって、その場で休憩した。休憩後、その場を後にして草原に向けて歩き進めて、今日の獲物を探していく。一角兎を見つけては戦い、それを繰り返しているその時……。


【剣術・スラッシュ】を覚えました。

って頭の中で響いた。

 

「父さん、【剣術・スラッシュ】を覚えたみたいだけど、見ていて解かった?」

「おう、さっきのあの切り方忘れるなよ。しかし、【スラッシュ】まで覚えるとはな。」

「うん。自分でも驚き。あの感覚を忘れないために、もう少し狩りをしたいんだけど、良いかな?」

「かまわんぞ。」

「よっしゃー!」


 草原を歩いて一角兎を倒していった結果、一角兎を25匹も倒していたので、家に帰還した。 

 村に着き家に帰る途中、不意に誰かが声を掛けてきた。


「ルカ、今帰り?」

「うん。」


 突然に声を掛けてきたのは、隣に住んでいる幼馴染のカーティア・バローニだ。年は俺と一緒の10才で村に唯一ある教会で彼女は、修道女の手伝いをしている。主に小さい子供達の面倒だ。


「カーティアも帰りか?」

「うん。それで、今日はどうだったの?あ、おじ様こんばんは。」

「おう、こんばんは。」

「今日は大量だった。一角兎だけど25匹討伐したよ。」

「わわわ、すごーい。」

「だろー。後で肉持っていくから楽しみにしてて。」

「うん。解かった」


 他愛のない会話を三人で楽しみながら家に着くのだった。

 家に着いて一角兎を解体して、素材ををいつもの雑貨屋に売り、肉を幼馴染の家に持って行って、家に帰って体を拭いて、ベットに横たわったら次の日の朝だった。

 朝の日課、剣の素振りと筋トレ、昨日教わった【魔力コントロール】をしてる最中に母さんが……。


「【魔力コントロール】を出来る様になったのね。」

「うん。昨日、父さんに教わったんだ。それで今、やってたんだけど、母さんどうしたの?」

「これなら、大丈夫そうね。」

「え?何が?」

「今、流れてる魔力を体外にコントロールすると、魔法を覚えらるのよ」

「そうなんだ~。」

「うん。それでね、魔法を撃つのに必要なんだけど、自分にあった属性があってね、全部の属性が出来る訳でもないの。母さんは、【火、水、光】が得意で冒険者の頃、良く使ってたわね。」

「そうなんだ。でも、【属性魔法】なんて、どうやったら解かるの?」

「それはね、属性が解かる魔道具があるのよ。今から、持ってくるからちょっと待ってなさい。」

「はーい」

 

 そう言って、その場を離れていった母さんが、道具を持って、戻って来た。母さんが準備を終えるのを待っていると、聞きなれた声が聞こえて来た。


「おはようございます。」

「あら~、カーティアちゃん、おはよう。」

「おっす」

「二人して何してるんですか~?」

「これからね、ルカの魔法属性を調べるのよ♪」

「へぇ~。遂にルカも魔法を覚えるのね」

「ああ、カーティアは覚えてるんだっけ?」

「うん。一応ね。【水、土、風】と【回復】ね。」

「さすが、カーティアだな。」

「そ、そんなことないよ。」


 顔を赤らめながら答えてて、ちょっとドッキっとしたのは内緒だ。準備が終わったのか、母さんが声を掛けて来た。


「ルカ、終わったからこっちに来なさい。」

「うん。今いくよ。」


 母さんの所に行くと、台の上に布が引いてあった。布を見てみるとそこには、六芒星が書かれていた。六芒星の上に、小さい色のついた石が置いてあって、石は上から右回りで、【黄 青 赤 緑 白 黒】の綺麗な石が、並べてあった。


「母さん、この綺麗な石は何?」

「これはね、魔石よ。」

「へぇ~これがそうなのか。」

「さぁ~試して貰うから、布の上に手を浮かせた状態で、魔力を流してみなさい。」

「はーい」


 母さんに言われた様に、布の上に手をかざして、魔力を流してみた。そしたら【赤と白】が輝きだした。


「ルカの【属性】は【火と光】ね」

「おお~そうなんだ」

「そうよ。【属性】ごとに色分けが有って、上から右回りに、【土 水 火 風 光 闇】ってなってるのよ。」

「なるほど。そういう事なんだね。」

「うんうん。だからルカは、【火と光】の魔法が使えるってわけ。」


 そんな説明を母さんから聞いた。


「それで、魔法を覚えるにはどうしたら良いの?」

「さっきも言ったけど、【魔力コントロール】を体外にコントロールして、出したいと思う物をイメージしてなさい。ルカの場合は【火と光】ね。やってみなさい」

「うん。」


 母さんが言ってた通りに、【魔力コントロール】を体外にコントロールして、火のイメージをしてみた。すると、手から火の玉が出ていって壁にぶち当たって消えた。


【火魔法・ファイアーボール】を覚えました。

って頭の中で響いた。


「母さん、【ファイアーボール】を覚えたよ」

「うん。良かったわ~。」

「ルカ、おめでとう♪」

「二人とも、ありがとう」

「ルカ、【火と光】を使えば魔力を向上させられるから、頑張りなさいね。」

「うん。解かったよ母さん。」


 遂に俺は魔法を、覚えることが出来た。こんな嬉しいことはない。今までやって来たけど「何で出来ないんだ」と、悩んだ事があるけど、順序があったのか。これで俺も、魔法が撃てるし、母さんの言う通り、精進していこうと思う。


「なぁ、カーティア。これから草原に行くけど、一緒に行くか?」

「え?良いの?」

「ああ。もちろん。」

「やった。準備するから、ちょっと待ってね♪」

「オッケー。待ち合わせは、近くの雑貨屋にしよう。」

「うん。準備したら行くから。また。後でね」


 そう言うとカーティアは出ていった。さてと、俺も準備しますかね。いつも持ち歩いてる、銅のショートソードを腰に刺して、リュックを背負い雑貨屋に向かった。雑貨屋に行くと、もう既にカーティアがいて、雑貨屋で買い物していたので声を掛けた。


「カーティア、お待たせ。」

「あ、ルカ、ちょっと待っててね。」

「オッケー。」

「お待たせ」

「それじゃあ、行こうか。」

「うん。」


 俺たちは草原に向けて歩き出した。俺は魔法をモンスターに撃ちたくて、ウズウズしていたのは言うまでもなく、今日は二人きりという事を、すっかり忘れていたのだった。

 

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