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村人から英雄へ~迷宮冒険譚~   作者: 武蔵龍
1章 ルーポ編
1/13

プロローグ

 俺はレオーネ国の外れにあるルーポって村に住んでる村人です。今は父親と村の近くにある草原に今日の食材を求めてやってきた。

 あ、因みに俺ことルカ・アリオストは何処にでもいる普通の男だ。


「父さん、今日もいつもの通り一角兎だよね?」

「そうだぞ」

「しかし今日はやけに多いと思わない?」 

「確かにそうだな~何かあるか解からないから一応警戒しとけ」

「了解」


 今、話をしていたのは父親のジェズアルド・アリオストで元冒険者らしい……らしいって言うのは俺が物心着く前に引退し、村で狩りをして生計をたてているって寸法さ。まぁ俺には到底敵わない位強くて尊敬しているんだけど、いつかその父親から一本取りたいと思って日々訓練中ハハハ……。


「父さん右方向に一角兎の群れがいる、数は5」

「よし、戦闘準備! 叩くぞ」

「了解」


 俺は腰に差している銅のショートソードを抜き右から切り付けて倒した。俺が一匹倒してる間に父親は三匹を余裕で倒してるという、何て強さなんだ。けど俺も負けずに残ってる一匹を何とか倒した。


「ふぅ~何とかなったか」

「まぁまぁだな。お前は体力と筋力をもうちょい鍛えないとだめだな」

「う、うん」

「気を落とすな、お前はまだ若いしこれからだからな。今日はここまでにして村に帰るぞ」

「はーい」


 村の事を少し説明する。

 人口約200人の広大な森と草原に囲まれた小さい村で狩りと畑、飼育している豚と羊で何とか暮らしている所ってことだ。村の中には雑貨屋とでもいうか何でも揃う店が一軒と肉屋と酒場があるくらいで、な~んてことのない何処にでもある人族の村。東と南にある森の先にはエルフの国があり、西に行けばこの国町で迷宮もあるフェーレースがある。この村もフェーレースと取引したり若者たちは迷宮に挑む為によく行ってるとこだ。俺もいつか迷宮に挑むつもりで日々父親と訓練に励んでる。

 

「ただいま~」

「ただいま」

「二人ともおかえりなさい。今日はどうだったの?」

「一角兎5匹獲ってきたよ」

「あらあら、中々多いわね♪早速だけど解体しちゃって。」

「はーい」


 取ってきた一角兎を解体する事になったのでさっさと解体しちゃいますかね。今、話してたのは母親のアデーレ・アリオスト。母も元冒険者で昔、父親と一緒にパーティーを組んでて意気投合、結婚したそうだ。

 一角兎は角と皮が素材として売れるので解体後は雑貨屋で売り、肉は家で食べたり売ったりお隣さんにお裾分けって感じで今までやって来た。今日はどうするのかは聞かないとわからないけど終わったらで良いか。


「母さん、終わったよ」

「ありがと~。素材はいつも通り雑貨屋さんに、肉は使うからそのままにしておいて。」

「はーい。ちょっと行ってくるね。」

「お願いね。」

 

 さてと、雑貨屋にチャチャっと行ってきますかねー。雑貨屋さんは、家から徒歩で2分位の所にあるので便利。狩りに行っては雑貨屋って感じでいつも利用している。

 

「おっやちゃん、来たよー」

「おう、ルカじゃね~か。今日はどうした?」

「うん。いつも通りで素材を売りに来た。」

「そーかい。じゃぁ出しな。」

「えーと……今日は一角兎の角と皮5本と5枚」

「おう、今日は結構な量だな。えーと、角が5本で鉄貨2枚と大銅貨3枚で、皮が大銅貨7枚だな。」

「うん。ありがとう」

「おうよ。また来な」

「それじゃぁ~ね」


 今日は合計で鉄貨3枚なり。中々の稼ぎだったので良かった。因みに、この世界の通貨は1枚、次の通りだ。


  銅貨ー1G

 大銅貨ー10G

  鉄貨ー100G

 大鉄貨ー500G

  銀貨ー1000G

 大銀貨ー5000G

  金貨ー10000G

 大金貨ー100000G

 白金貨ー1000000G

 

 この村での一月当たり金貨1~2枚で賄うので、今日はそこそこの稼ぎって所だ。町ではそうは行かない。この村では安泰だと思うけど、俺にはかなり稼いだと思う。


「ただいま~」

「おかえり」

「母さん、これ」

「はい、ありがとう。」


 家には風呂が無いので桶にお湯を張って、手ぬぐいで体を拭いて出来上がり。領主や貴族は風呂に入るみたいだけど、家はそこまで裕福な家庭でもないし、父親が「めんどくさいから」って理由で風呂は無いらしい。着替えをしてリビングに行ったらご飯が出来てて、美味しく頂きました。その日は疲れていたのか、ベットに横になったら寝ていた。


 次の日、いつもの日課でもある剣の素振り100回と、筋トレみたいな事をして、家畜のえさやりをやり終えた辺りで父親が木刀を持って……。


「ルカ、俺が剣の稽古をつけてやるから、かかってこい!」


 おいおい、今日の親父は何か怖い位気合が……。


「う、うん。」

 

 近くにあった練習用の木刀を持っていざ勝負。


「いくぞー! うりゃー」

「まだまだー」

「これならどうだ!」

「ふん! 甘いわ。そら」

「く、くそー」

「どうした?俺は本気を出してないんだがな~。」

「これならどうだー!」


 木刀で右上に袈裟切りからの左から右に薙ぎ払い、右下段斜めからの逆袈裟切りを出したら、全て受けられてしまった。


「ん、今の攻撃は良かったぞ」

「ば、化け物め」

「ははは、まだまだ、負ける訳には行かないからな~。」

「今日は1つスキルを、教えてやるから着いてこい。」

「はい。」


 今までスキル何て教えてくれなかったのに、やっと教えてくれるらしい。どんなスキルなのか、ワクワクするな~。準備をして、草原にしゅっぱ~つ。

 

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