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月光のルナ  作者: 月乃 綾
第1章 人と魔族と精霊と(改稿前)
8/15

パフェ。

後半ちょっとシリアス。

 パフェ〜♪

 うまうま♪


「ルナって本当に美味しそうに食べるよね……」

「美味しそうに、じゃなくて美味しいんだよ」


 うん、このプレミアムストロベリーパフェっての、すっごく美味しい。

 元々甘党でパフェとかは好きだったけど、男だったから見栄張ってあんまり頼まなかったんだよね。この体になって良かった……!

 今、心の底から痛感してる。


 というか、女になったデメリットってほとんどないんだよね、実際。


 戸籍関係 → 謎の犯人さんのおかげで問題なし。

 トイレとか月の物とか諸々の女の子事情 → 吸血鬼だから必要なし。

 交友関係 → ……もともと一馬くらいしか友達いないもん……。


 ……ほかに何かある?

 むしろ、甘いものを堂々と食べれるし体型変わらないしで良いことづくめ。うはうは。


「そんな風に食べてもらえると、僕としても嬉しいね」

「あ、柏さん」


 突然、ほんわかとした雰囲気の、大学生くらいの男性が話しかけてきた。長身で柔らかな髪を目元あたりまで伸ばしている。


「やあ、光さん。お友達かい」

「はい。ルナさんです。柏さんはここのパティシエで、そのパフェを作ったのはこの人なんだよ」

「そうなんだ。どうも、水無月ルナでーす。パフェ美味しいですね」


 生クリームは甘いけどくどくないし、新鮮なイチゴは甘酸っぱくて程よいアクセントになっている。

 本当に美味しくて、言葉じゃ伝えられないくらい。

 ん〜、口下手な僕が恨めしい。


「そうか、ありがとう。でも、光さんはあんまり食べてくれないんだよね」

「う。体重が……」

「あはは、女の子だもんね。分かってるよ」


 爽やかに笑う柏さん。


「美味しいもんね、つい食べ過ぎちゃうのは分かるよ」


 本当に、いくらでも食べられちゃうからね。柏さんは女の敵だ。


「そうだ、光さん。ちょっと話があるんだけど」

「……私もです。ルナちゃん、席を外すね」

「りょーかい」


 離れていった二人を見送り、一人パフェを頬張る。

 はぁ〜、幸せ。






 ……食べ終わってしまった。

 光たちはまだ帰ってこない。


「はっ、男と女が二人きり。これはもしや……っ!?」


 ぼんやりとしているとその可能性に行き着き、一人衝撃を受ける。


「そうと決まれば……盗聴でしょ」


 隣で猥談をしているカップルがいて、盗み聞かない者はいない!

 ……いない、よね?


 ま、まあ、いなくてもいいや。

 僕は聞くから。

 聞くよ。聞いちゃうよ。


 そ〜れ、スキル《聞き耳》発動っ♪


 えーと、なになに〜?


『……それは、やっぱり……』

『推測するしかないけど、間違ってないと思う。やり口がそっくりだ』

『そうですか……』

『ずいぶんと、メンバーも減っちゃったね。僕が不甲斐ないばかりに……』

『そんなっ、柏さんのせいじゃ……』

『でも、僕がもっとちゃんとしてれば防げたこともある。……アゲハさんに報告しよう。もう、僕たちだけじゃどうしようもない』

『……分かりました』

『光さんも覚悟しておいて。これからは、厳しくなるよ』

『ええ、分かってます』


 …………?

 何の話だろう。少なくとも恋人同士って雰囲気じゃないね。


『……ああ、これも言っておいた方がいいかもね』

『何ですか?』


 柏さんの声に真剣味が増す。


『きみの友人のことだよ。水無月ルナさんって言ったっけ。……彼女には気をつけた方がいい』


 え?


『上手く隠しているようだけど……恐らく魔族だよ、彼女』

『……まさか』


 え? えぇ?

 何で光さんが、そんな話をしてるの?


 いや、僕のことがバレてるのは別にいい。だってわざわざ隠したりしてないし。上手く隠してるってのがよく分からないくらい。というか、分かる・・・人はその筋の相手っていう指標にもなるから絶賛利用中。


 ……まさか、光もこっち・・・の存在ってこと?

 でも、あの言い方だと、光たちからすれば魔族は敵なのかもしれない。


 二人の会話は続く。


『まったく、魔術師・・・を相手にするだけで精一杯だというのに……できればきみの友達とは敵対したくない。というか、今の状態じゃ無理だから、光さんは彼女をあまり刺激しないでほしい。それだけ伝えときたかったんだ』

『知らないうちに、ってことがないようにってことですね……分かりました』


 魔術師……。

 僕のまぶたの裏側に、写真部とPC部の部長さんたちの姿が浮かぶ。


 まさか、ね……。

 知り合い同士で争うなんて、嫌だよ。

ストックが尽きました……。

これからは不定期での更新になります。

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