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月光のルナ  作者: 月乃 綾
第1章 人と魔族と精霊と(改稿前)
7/15

買い物。

 週末。

 土日。

 休日。


 寝れるー♪


 ぶー。

 あれ、携帯が鳴ってる。


『駅で待ち合わせね』


 ああ……光と買い物に行くんだっけ。

 寝れなかった。



 ◇◆◇◆◇



「というわけで血をください」

「朝っぱらかなんだよ」


 買い物に行く前に、一馬成分を補給に来ました。


「これから、光と買い物に行くんだけど……」

「そうなのか」

「うん。それで、心が男の僕に女子とお買いものってのはハードすぎると思うんだよね。だから、今日を乗り切るために血をください」

「まあいいけど……」


 カプッ。

 チューー。


 やっぱり美味しい……。



 ◇◆◇◆◇



「遅い」

「メールに時間までは書いてなかったよ?」

「う……それもそうね。今回は不問にするわ」


 さて……憂鬱なお買いものの始まりです。


「まずは服だっけ」

「ええ。ルナって服地味だから、バッチリコーデしてあげるわよ」


 嫌だ……しなくてもいいよ……。


「取り敢えず、オススメの服飾店を




 五つ




 くらいピックアップしておいたから」


 ……え?

 数がおかしくナイカナ?


「何言ってるの。店ごとに取り揃えてある服の雰囲気とか違うんだから、幾つか回らなきゃ分からないわよ。さ、行くよ」


 いーやーだーっ!

 一馬助けてあばばばばっ



 ◇◆◇◆◇



 つ、疲れた……。

 これは、一馬に血をもらわないと餓死するよ。


 ……え、買い物パート飛ばすな?

 勘弁してよ、思い出したくもない……男なのに女性用の下着買わされたんだよ?

 どんな拷問だって話だよね。


 ああ、もちろん買ったのは下着類だけじゃない。普通に私服も買った。何故かズボン系統が一つもないんだけど。

 光の趣味かな?


 ちなみに今は買った服の一つである白のワンピースを着ている。銀髪だから似合うんじゃないかって言われて買ったんだ。

 夕方に一馬に自慢しに行こう。


「お疲れ、ルナ。ちょっと遅くなっちゃったけだどお昼にしよっか」

「……うん……」


 吸血鬼の僕に、日が中天に昇るこの時間は一番辛い。そこに買い物の疲れも加わって……グロッキー寸前だよ……。


「ごめんごめん。お詫びになんか甘いもの奢るから」

「許す」

「早っ」


 煩いよ。

 スイーツ♪ スイーツ♪


 甘いものに勝てるのなんて、一馬の血くらいなものだよ。


 光一押しのカフェに入って休憩。


「光の奢りなんだよね?」

「ぅ……お手柔らかにね」

「店員さーん! 注文お願いしますっ」


 やってきた店員さんに一言。


「えっとねー。メニューの〜、ここから、ここまで!」

「えっ……」


 僕が指差したのは、プレミアムパフェっていう、お一つ1800円〜というお高いところ。やっぱり全種類制覇は基本だよね!


「ちょっ、ルナ!? プレミアムパフェ頼むのはいいから、一つにしてっ。この通りっ」

「やだ〜」


 いいじゃん別に!

 精々、全部で2万円ちょいだよ?


「お願いだからぁ……」


 あ……光が泣きそう。


「ご、ごめん。そんなつもりじゃないから! 一つでいいから! ……あ、店員さん。このプレミアムストロベリーパフェっての一つください」

「この流れで一番高いの頼むの!?」


 ちなみに僕が頼んだのは一つ2200円。

 なんでも、採れたてのイチゴを贅沢に使った一品で、季節ごとにフルーツが変わるんだとか。今は春だからストロベリーというわけだ。

 しかもこのイチゴ、専属契約した農家から直接卸しているらしい。

 高いわけだね。


「へー。そんなこと言っていいの?」

「え……」

「確かに、今日僕が買ったのって僕の服だよ? でもさ、買うものを選んだのは光で、僕の意見なんて聞いてくれなかったよね。当然、お金払ったのも僕だよ。たくさん買ったから全部で3万円くらいだったっけ。あれだけの服を買ったにしては安く収まったと思うよ。そこは光のお陰だよ。でもさ? 光は僕に、3万円もの出費を強要しておいて、たった2200円のパフェも奢れないのかな?」


 誰かを脅すとき用の口調。一馬をして、『そのモードのお前ちょー怖い』と言わしめた、無表情で淡々とした理屈攻めだよ。

 これで落ちないなんて人間じゃない。


「……ご、ごめん……。なんでも頼んで……」

「わーい♪」


 では遠慮なくー。

 あっ、店員さん引かないでー!

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