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月光のルナ  作者: 月乃 綾
第1章 人と魔族と精霊と(改稿前)
5/15

盗撮犯。

 二十人ほどの盗撮犯をふん縛って説教したにも関わらず、その中に写真部員はいなかった。そして説教された彼らは何故か喜んでいた。

 ……男子って怖い……。



 ◇◆◇◆◇



 所変わって一馬の部屋。

 一馬は僕の話をちゃんと聞いてくれる。


「そんなわけでさ、余計なのばっか湧いて肝心の写真部員の尻尾がつかめないんだよ〜」

「そう簡単に捕まるかよ……と言いたい所だが、俺に一つ策がある」

「ホントっ!?」


 流石は一馬だねっ。


「一つ確認したいんだが、お前はルナの能力をそのまま使えるんだよな?」

「身体能力はそうだね。それに魔力っぽい力の流れも感じるから、他の能力もそうだと思うよ」

「お、なら話は早い」


 ふふ、一馬はどんな作戦を考えてくれたのかな。楽しみだね。


「あいつらは常にシャッターチャンスを狙ってるからな、屋上で涼んでるお前、みたいなシーンを演出してやれば何処かしらでカメラを覗くだろう。そこで気配察知を使うんだ」

「なるほど、肉を切らせて骨を断つってわけだね! 流石は一馬だねっ!」


 ふふふ……これならうまく行くだろう!

 決戦は! 明日だっ!




「あ……血をください」

「はいよ」


 チューーーー。

 美味しい。



 ◇◆◇◆◇



 と言うわけで、やって来ました屋上!

 沈みゆく太陽が雅って感じで綺麗だね〜。


 一馬の指示に従うのなら、フェンスに腰掛けて、優雅に流し目で外を見る感じ。髪を払うように手を動かすと尚良し……だっけ。

 すっ……

 こんな感じ?


 っと、ここでスキル《気配察知》発動!


 僕の体から、超音波検査のように魔力波が発せられる。


(おやおや……これかな)


 屋上への扉の陰に一人、別棟の三階に一人、隣接するアパートの最上階に一人、遠く離れた山奥に三人。

 ……どこのエージェントだよ……。

 多分だけど、山奥の小屋に三人が司令塔だよね。ってことで、そこを訪ねるとしようか。

 とは言っても、山は遠いからね。吸血姫のスキルで飛んでくよ。


 え、見られてるのにスキル使ってもいいのかって?

 いいんだよ。だって、彼らはみんな……



 一般人じゃないからね。



 ちょっと信じられないけどね……彼らはこの世界に『僕みたいな存在』がいるって承知してる人種だ。だから大丈夫。

 てゆーか、盗撮に魔術使うとか、能力の無駄遣いもここに極まれり、だよね。見つからないわけだよ……。


 さて、彼らを訪ねるのに使うスキルは当然、転移。歩くのめんどいしね。

 てなわけで、GO!



 ◇◆◇◆◇



「なっ、消えた!?」

「何があった!?」

「目標喪失ロスト! 指示求む!」


 通信機から流れる三人の声。


 くそ、一体何が起こったというんだ!?

 なんとか、なんとかしなければ。

 このままでは……



 我らがルナちゃんの写真が手に入らないではないかっ!



 突然編入してきた超絶美少女!

 流れるような銀髪、燃えるような紅の瞳。なんとも美しい……小さな体と胸も、そこがいいっ!!


「失礼なこと言うなーーーー!」


 なんとーーッ!?



 ◇◆◇◆◇



 あ……思わず突っ込んじゃった。

 でも!

 人のことを小さいとか貧乳とか、失礼にも程があるって話だよね!?


 だから僕は悪くないっ!


 なんて言っても状況は変わらないんだけどね……。

 ポカンと大口開けてこっちを見てるこの三人、どうしようか?


「る、ルナちゃんだーっ! なんでここにっ!?」


 その一言を皮切りに、三人は超の付くハイテンションで騒ぎ始める。


「写真撮らせて!」

「ポーズよろしく!」

「これ着て!」

「次はこれ!」

「サキュバスコス!」

「魔法少女!」

「巫女さん!」

「踏んでください!」


 いやいやいやいや、最後のおかしいよねぇっ!?



 ◇◆◇◆◇



「って感じで、結局押し切られました。ぐすん」

「お前な……」


 呆れた表情でため息を吐く一馬。


 あの後、なんだかんだで言いくるめられて、


 1、売り出す写真は事前に見せて許可を取る

 2、売上の一割を贈呈

 3、写真は僕にも送る


 って契約を結んでしまったんだよ。

 ただ意外だったのは、PC部もこの件には一枚噛んでいるらしく、転売阻止のプログラムが組み込まれてるらしい。つまり、学外には出ない。


 なら安心だよねっ♪


「言っとくが、俺にも回ってくるんだぞ?」

「一馬ならいーよ。あ、血ちょーだい」

「お前なあ……」


 一件落着……なのかな。

 悪化してるのは気のせい?

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