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月光のルナ  作者: 月乃 綾
第1章 人と魔族と精霊と(改稿前)
4/15

放送。

 あの後、みんなに質問攻めにされた。

 でもさ、あの対戦の後なら、聞かれるのってバスケのことだと思うよね?

 なのに。


「一馬とはどういう関係っ!?」


 これだよ!?

 なんでなのさー!



 ◇◆◇◆◇



「そりゃ、お前が可愛いからだろ」

「はあ?」


 一馬の部屋なうー。血をもらって、お腹一杯になったからくつろいでる。

 で、今日の愚痴をこぼしたらそんなこと言われた。

 可愛いだって……♪


 いや、僕は男だ。

 男の子なのだ。

 可愛いなんて言葉では喜ばないんだぞっ。


「知らないのか? めちゃくちゃ可愛い転校生が来たって盛り上がってるぞ。昼休みとかにお前を見に来る人だっているくらいだ」

「寝てるから知らないよ〜」

「寝顔の画像が出回ってたな……」

「プライバシーの侵害だよっ」

「ちなみに俺も持ってる。ほれ」

「一馬〜っ!?」


 見せられた画像には確かに寝てる僕が写っていた。しかもヨダレ垂れてるよ。うわーん。


「他にも、これは飯食ってる時のやつか。でこっちは……」

「ちょっと待って、編入二日目でなんでそんなに!?」

「うちの写真部は有名だぞ?」

「写真じゃなくて盗撮だよね!」


 盗撮は犯罪だよ、犯罪なんだよ?

 大切なことだから二回言ったよ。


「むぅ。盗撮犯は許さないよ」

「頑張れ。うちの写真部、一回諜報員にならないかってスカウトされたくらい優秀な隠密だからな」

「それ色々と間違ってるよ!?」


 相手は手強いね!

 でも負けない!

 真正面からぶち破ってくれようか!



 ◇◆◇◆◇



『えー、てすてす。本日は晴天なり〜!』


 スピーカーから響く僕の声。

 教師には許可取ってあるから問題ないのだ!


『写真部の諸君! じゃないかもしれないけど、僕の写真をばら撒いてくれた人! 絶対見つけて、ふん縛ってやるから覚悟しなよっ!』


 さあ、戦争の始まりだぁ!




 ……この後、何故か僕を盗撮しようとする男子が爆発的に増え、収拾がつかなくなる。

 なんで?



 ◇◆◇◆◇



「というわけで助けてぇ」

「写真部の盗撮かー……。毎度毎度、あいつらは……」


 放送での宣戦布告が逆効果だったので、助言を求めて光に泣きついています。もうお互い呼び捨てできるくらいには仲良くなったよ。バスケの後の質問祭りで。


「でもね、あの放送は逆効果よ」

「身を以て知ったよ……。でもなんで?」

「ルナみたいな美少女に縛られるならご褒美だ、ってチャットで言ってる人がいたわね……」

「え……変態?」


「「「ハグァッ!?」」」


 呻き声多数。

 いや、よく見るとヨダレ垂らしてる人もいる……男子って気持ち悪い……。


 いや、僕も男子なんだけどねっ!?


 いけない、たまに自分は女だって意識の時があるよ……。口調変えたからかな? もしくは、精神は体に引っ張られるって本当なのかも。


 だが、それでも僕は男だ!


「ねえ……そういえば、この前の体育の時に思ったんだけどさ」

「なに?」


 光が声を潜める。うわ、顔近い……。


「ルナってブラ着けてないの?」


 ブフーッ!


「な、ななななな」

「いや……着替えの時にチラッと見えて」

「……そんなに胸ないもん」


 家で測ったらAAだった。おっきな光と違ってそんなもの必要ないし、くすん……って違う違う。

 元(今も心は)男の僕に着け方なんて分からないんだよ。こっちが本当の理由です。


「……まあ、ルナはスレンダーでいいと思うよ。ってそうじゃなくて。男子は飢えた狼なんだから、もっと慎重にならなくちゃ」

「えー……」


 めんどい……。


「ってことで、週末に買い物に行きましょう。色々と見繕ってあげるから」

「なんでそうなるの!? ブラくらい持ってるよっ」

「声大きい!」

「あ……」


 男子が赤面して目を逸らしてる……気まずい。


「とにかく、週末は予定空けておいてね」

「もう好きにして〜」


 僕は机に突っ伏して白旗を掲げた。

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