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魔法使いとコーヒーを  作者: 宇部松清
第1章 いだいなる魔法使い

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むかしむかし あるところに いだいなるまほうつかいが おりました


いだいなるまほうつかいが ふぅっといきをはくと そのいきは たちまち おおきなたつまきに なりました


いだいなるまほうつかいが ゆびを ぱちんとならすと ろうそくのちいさなひは  おおきなりゅうのかたちに なりました。


いだいなるまほうつかいが コップのみずをかきまぜると どんどんどんどんあふれてきて ついにはまちじゅうを みずびたしに してしまうほどでした


でも いだいなるまほうつかいは けっして わるいまほうつかいではありません


まほうは かならず だれかのやくにたつために つかうのでした


だから いだいなるまほうつかいは みんなからすかれていると おもっていました


あるとき いだいなるまほうつかいは じぶんのおよめさんをさがしに たびにでました


たちよったちいさなまちで うつくしいむすめに であいました


『ぜひ ぼくのおよめさんになってください』 

いだいなるまほうつかいはいいました


『あたし ふつうのにんげんと けっこんしたいわ』 

うつくしいむすめはいいました


どこへいっても どんなにひとのやくにたっても いだいなるまほうつかいは ひとりぼっちでした


『ぼくは ふつうのにんげんじゃないから ふつうのにんげんをおよめさんには できないのかな』 

いだいなるまほうつかいはつぶやきました


あるとき おおきなまちにむかうとちゅうの ちいさなちいさなむらで めのめえないむすめにであいました

いだいなるまほうつかいは そのこをおどろかせないように そぅっとこえをかけました


『こんにちは おじょうさん きょうは あたたかくて いいおてんきですね』


『こんにちは あなたは だれですか』 むすめは こたえました


『ぼくは ふつうのにんげんなんですが いまおよめさんさがしに たびをしているのです』 

いだいなるまほうつかいは はじめて うそをつきました


『まぁ! ふつうのにんげんは じぶんのことを ふつうのにんげんだなんて いわないのよ』 

むすめは わらいました


いだいなるまほうつかいは しまった! とおもいましたが もうかくしても しかたがないので

『ごめんなさい うそを つきました ぼくは まほうつかいです でも およめさんをさがしているのは ほんとうです』 といいました


むすめは すこし かんがえてから いいました


『それなら わたしが およめさんになるわ』 


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