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魂の変化
食事にありついた魂はある「自分の変化」に気づいた。
それは今しがた食べた蛇の体に自分がいるということだ。
しかし、蛇の体はすぐに粉々に砕けまた魂だけがむき出しの姿になった。
それでも、魂は満足した。なぜなら今までのように怯える必要も多少は無くなったからだ。
(でも、まだ足りない)
魂はそう思った。なぜかはわからないけど、まだまだ食べたい、もっと食べたい、喰らいたい、味わいたい・・・そんな欲望が喉元から込み上げ、ない腹の空いた音が聞こえるような気がした。
(ならばどうするべきだ?これではまだまだ弱い・・・)
その時目の前にいかにもみずみずしそうなネズミが現れた。蛇になった魂は素早くネズミを捕らえ、丸呑みした。
(・・・蛇の舌だからか、とてもうまく感じる。いや、実際うまいのだろう)
蛇になった魂は、ネズミの魂も平らげ、次なる獲物を求めて森へと蛇の姿で進みだした・・・