表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/30

勇者は精霊の巫女の危機を知る

 ルーク=ウレイアは、彼女が苦しげな

顔をしたのを見てホッとしたように膝をついた。

 はあはあ、と同じように膝をついた

アンジェが安心したような笑みを作る。

「よく、ここまで頑張りましたね、ルーク」

 ルークは額の汗をぬぐって笑顔になった。

「ありがとな、アンジェ」

 一時休憩をしていたカストルと、ビショップ=ルクウィッドの

目も優しげなものになっていた。

 ルークの顔に笑顔が広がった。

「よし!! 今日はあるもの使ってごちそうを作るぜ!!」

「やったあ!!」

「ルークが強くなったお祝いだね!!」

 ルークは浮き浮きとしながら荷物を探っていた。

干し肉と調味料がいくつかと野菜とチーズと小麦粉だ。

「水を汲みに行こうよ、カストル」

「えっ? うん、いいけど……」

 ビショップがカストルを誘った。

カストルは一瞬精霊に出してもらえばいいのに、

と思ったけれど文句は言わなかった。

 一時的にルークはアンジュと二人きりになる。

アンジュは料理ができないため、ルークにまかせて

見学をすることにした。

 ルークは手際よく火をおこし、干し肉と野菜を

先に切ることにした。半分はスープ、半分は

炒め物を作るつもりで分けておく。

 久しぶりに好物を作れるとあってルークは

目をきらきらさせていた。

「楽しそうですね、ルーク」

「うん!! 料理好きだし、チーズ入りの

パンができるなんて久しぶりだしさ!!

 まあ、蒸しパンはできないけど」

「いつもありがとうございます。

ごめんなさい、私も料理ができれば

いいのですけれど」

「気にすんなよ、人にはできることとできない

ことがあるんだからさ」

「そうですね」

 二人が楽しげに話会っているその頃ーー。

ビショップとカストルもまた二人っきりだった。

 ビショップは彼女の隣を歩きながら

顔を赤らめているがカストルはまったく気が付いていない。

「あの……カストル?」

「何よ」

「カストルってさ、ルークのこと好きなの?」

「なっ!? 何言ってるのよそんなわけないでしょ///」

 真っ赤になった顔を見れば「そんなことある」のだろうが、

カストルはそんなことないと頭を振り続けた。

 ビショップは悲しげな顔をしながら続ける。

「ルークを好きになっても望みないよ。

だって、ルークはエレナお姉ちゃんが好きなんだもの」

「だ、だから違うって言ってるでしょう!!」

「僕にしておきなよ」

 真剣な顔で見つめてくるビショップに慌てるカストル。

だが、彼はずっと彼女を見つめ続けていた。


 その頃、ルークは。

野菜を切っている途中、ずきりと何故か頭が痛んだ。

 手元が狂い、指を切ってしまう。

アンジェの悲鳴が上がったが、ルークは大丈夫だからと

いさめて指を口にふくんだ。

 どうしたんだろうと思った時だった。

(ルーク……さようなら……)

「エレナ!?」

 ここにはいない彼女の声が聞こえた。

攫われてから一度も会っていない少女。

 ずっと一緒にいた幼馴染。

無能者と言われ続けた自分を、女性で唯一認めていた人。

 悲しげな声を聞いた時、ルークは自分の気持ちを

初めて知った。彼女のことが、幼馴染としてではなく、

友達としてでもなく、一人の女性として好き、だと。

「エレナ……」

「どうしたのですか、ルーク?」

「よく、分からない……でも、エレナが危ないんだ!!

 声が聞こえた、『ルーク、さようなら』って」

「大変です!!」

 料理なんて作っている暇ではなかった。

ルークは血相をかえて材料を放りだし、

ビショップ達のもとにいそいだ。

 その頃、ビショップは今まさにカストルに

愛の告白をしようとしていたところだった。

「あのね、僕は君が好ーー」

「ビショップ!! カストル!!」

「ううわああああああっ!!」

「きゃあああああああっ!!」

 見つめ合っていてルークの登場に

気がつかなかった二人はぎょっとなった。

 悲鳴を上げたので耳をふさいだルークが

ため息をつく。

「もうルーク空気を読んでよ!!」

(かえって助かったわ、ルークありがとう)

 ビショップは頬を膨らませたが

カストルはホッとしたような顔になっていた。

 ルークは彼を構うことなく言葉を発する。

「エレナが危険な目に遭っているかもしれないんだ!!」

「えええっ、お、お姉ちゃんが!!

 で、ででででも場所とか分かってるの!?」

「それが分かってりゃすぐに乗り込んでるよ!!」

「私が、知っています」

 言い合う二人を、涼しげな声が止めた。

アンジェだ。彼女は冷たい空気をその身にまとっていた。

 説得に応じなければ自身が兄を殺す。

そう言ったのは、アンジェ本人だ。

 決意に満ちた瞳がきらりときらめく。

「あなたたちの以前の力ならば敵わないと思い、

ずっと言わずに来ました。ですが、今のルーク

ならもう大丈夫です。精霊王のいるところに転送します」

 そう言ったのと同時に、四人を虹色の光が包み込んだ。

力がまだ万全でないアンジェのために、十三体の

精霊たちがくるくると光に飛び込んで力を増幅させる。

 光が消えると、彼らの姿はすでに

精霊王の根城にあったーー。

やっと書き終わりました。

見てくださっている方遅れてすみません。

もう少しでスピリッツは完結しますが、

もう少しお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ