お誘い
「デートしよう」
「はい?」
今日もキールさんに隠れてやってきたウィル。
気軽に話せて自然とタメ口で話すようになっていたのに、敬語に戻らざるを得ないくらいアホなことを言い出した。
「明日街へ行くからそのつもりでいてね」
「え?」
「そう。雪音は俺のって自慢しにいくの」
「いや俺のじゃないから」
「今は、ね?」
優しくて顔も良くて国王様でお金持ち、頭もいいみたいだしキールが言うには魔法も剣術もなんでも出来るらしい。
こんな完璧な人今まで出会ったことがない、そりゃ好きにならない人いる!?ってくらいだけど…
私つい最近まで彼氏いたしそんなほいほい行くような女じゃないのに。
「でも雪音暇でしょ?せっかくだし行こうよ」
「仕方ないなぁ。ついて行ってあげるよ」
「そうこなくっちゃ。じゃ、明日の12時に迎えに行くから部屋で待ってて」
「うん、わかった」
そう言ってキールさんが来る前に戻って行った。
扉が閉まるまで見送った後はモニカに飛びついた。
「やった!お出かけだって!一人で行くの不安で今まで行けてなかったからとっても楽しみ!」
「ふふ、雪音様よかったですね。今日と明日気合い入れないとですね」
「えっ。昨日までと同じでいいよ」
「そんなわけにはいきません。雪音様の初めてのお披露目なんですから。腕がなりますわ」
モニカとは2日目から打ち解けたと私は思ってる。
きっかけはお風呂を1人で入るかモニカかが手伝うか問題。
この世界では侍女が色々なお世話をするらしい。
けど私は恥ずかしくて一人で入ると言ったのだが、モニカも譲らずで私が折れるしかなかった。
代わりに聖女様と呼ばれるのも居心地悪いからモニカと呼んで欲しいと伝えたらOKが出たので一件落着。
そこからは最初みたいによそよそしくなく、モニカにも気軽に接してもらえるようになった。
まだ見た事もないかの世界の街をイメージして期待が膨らむ。
お祭りじゃないのに出店があって食べ歩きするとか、大きな教会があったり冒険者ギルドとかあるのかな。
明日がより楽しみになったものの、モニカに磨きあげられて寝れるまではまだまだかかりそうだ。
今更ですが、ウィルの話し方は雪音と雪音以外とで変わります!




