優しさ
この世界に来てから1週間くらい経つ。
ご飯の時は…あれから本当にハマってしまったのか、ウィルがふとした時に食べさせてくる。
私が誘惑に勝てるはずもなく、結局あーんしてもらっていた。
あとウィルは本当に王様なの?暇なの?と思うくらい私のところに遊びに来た。
30分に1回くらいのペースで来るから最初はうざかったけど、昨日ウィルの優しさに触れて少しだけ我慢してあげようと思った。
昨日の夕食を食べた後。
コンコンとノック音がして返事をする前に扉が勝手に開いた。
「ゆーきーね」
「また来たの??キールさんに怒られるのウィルだよ?」
「俺の事心配してくれてるのか?優しいな、そんなところも雪音の魅力なんだろうな」
「そんなに褒めたって何も出ませーん」
ふんって言って私は少し赤らんだ顔を隠す。
ウィルはよく私を褒めてくれる、嬉しいけど何だかもどかしい。
「ねぇ、雪音は寂しくない?」
「唐突だね…うーん…寂しくないって言ったら嘘になるけど、思ったより寂しくないかも」
「そっか、それならよかった」
そう言われて私はなんで寂しくないんだろ、と思った。
薄情な人間なのかなとも思ったけど、違う理由な気がする。
コンコンとまたノック音がする。
勝手に空くことはなく、モニカが開けてくれて入ってきたのはキールさん。
「あーー!やっぱりまた聖女様の所にいたんですね!!」
「ちっ、もうバレたか」
「そりゃもう何回目だと思ってるんですか!!」
「あーうるさい、はいはい戻ればいいんだろ」
「聖女様…本当に何度も申し訳ございません」
同じようなやりとりをもう何十回も見てきた。
自由奔放なウィルと相変わらずそんなウィルに振り回されているキールさん。
そんな2人を見ているのが私は楽しくて声を出して笑う。
そんな私を見て嬉しそうに笑い返してくれる2人を見て、私が寂しくないのはこの時間があるからだと気付いた。
私が寂しくならないように、ウィルが頻繁に来てくれてるんだともちゃんと気付いた。




