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うさぎと狼

王城というだけあって、人が多い。

人とすれ違わないなんてことが無く見せつけているみたいになっている。

私が恥ずかしさで顔をあげられずにいるとウィルは耳元でこそっと話しかけてきた。


「面白いくらいに皆見てくるぞ。唖然としている者や興味深そうに見てくる者もいる。注目の的だな?」


わざわざ言わなくていいことを…!!

言われなくてもわかっているのに言ってくるなんて意地悪な人。


恥ずかしさが最高潮になり顔が熱くなる。

きっとリンゴみたいに真っ赤になっているだろう顔をウィルの体を勝手に借りて隠した。


「ちょっ、なになに急に可愛いことしないで。耳まで真っ赤じゃん。食べちゃいたい」


傍から見ると狼に襲われているうさぎの絵図だ。

ただ狼は本当に狼なの?と信じられない目で周囲は見ている。

中には持っていた書類を落としている人もいた。


「たっ、たべ…?!私は人間だから食べれないよ」

「そういう意味じゃないけど、そんなところも可愛いから何でもいいや。ご飯は後にして俺の部屋行く?」

「え?行かないよ?というか、歩けるから下ろして」

「やーだ」


体の痛みは引いてきたような気がしたのと、恥ずかしさに耐えきれず下ろして欲しいと頼んだのに断れてしまった。


その間にもウィルの足は止まらずについた。

部屋は教室が3・4個分の大きさで真ん中には大きなテーブルが置かれている。

テーブルの上には果物が剥かれてないまま何個か置かれていたり、パンも何種類かある。

見てる限り私がいた日本と同じ食材があるように見える。

昨日夜ご飯を食べ損ねていたため空腹を刺激されぐぅと気の抜けた音が聞こえた、そう私のお腹から。


「あ、う、き、聞かなかったことにしてえーーー!」


今度は顔だけではなく身体中沸騰しているみたいに熱くなった。

ソファで寝なければ、昨日起きて一緒にご飯食べていれば、たらればが頭の中を支配してひたすらに後悔するしかなかった。

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