決意
まぁでも困ってるみたいだしここにずっと居ても暇だし、お金もくれて色々教えてくれるならやれるだけやってみようかな?
変わらずこちらを見つめてくるキールさんと少し心配そうな顔をしているモニカを交互に見つめ返す。
きっと大丈夫、そんな気がする。
「本当に私ができるのか分からないですけど、私で良ければやらせてください!」
手をぎゅっと握り前のめりになって返事をした。
返事を聞いたキールさんはうんと頷いて、改めてよろしく、握手を求めきた。
握り返そうとしたけど夏希以外の男の人に触れるのは…と思ったけど夏希の言動を思い出して、忘れるように頭を横に振り恐る恐る手まで綺麗なキールさんの手を握り返した。
聖女としての仕事と魔法の練習は1ヶ月後からゆっくりと始めることになった。
この世界に来たばかりの為、身体と心の休養とこの世界に慣れて欲しいというキールさんの優しさが詰まった提案だった。
遠慮なくその優しさに甘えることにした私は、キールさんと話した後に次の日の朝まで爆睡をかましていた。
モニカには1人にして欲しいと言っていたので、起こしに来る人が居なかったのが原因ではある。
1人になったことで緊張が解けたのか一気に疲れがきたのか分からないけれど気絶するみたいにいつの間にか寝てしまっていた。
だから仕方ないんだ。
ウィルが一緒に夜ご飯を食べようと部屋に誘いに来てくれたことを私は知らない。
それによって明日の自分が困ることになることも、よだれを垂らしながら寝ている私は知らない。




