歳を取った
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
暑さが悪いのか、自分が悪いのか、そこが問題だ。
原因を見付ける出せないのが、何とも厄介。
誰より自分の体の事を分かったら良いのですがね。
残暑にバテて、歩けなくなって、気力も無くて、眠れなくなって、風邪を引いて、あぁ……不甲斐ないなぁ。歳を取ると言うのは、全てに置いて我儘になるという事だ。
インドア派かアウトドア派かと聞かれれば、間違いなく後者。家でじっとしていると、『記憶が抜け落ちる』とは本人の弁。日がな一日、街中を歩き続けるのを好む。
けれども最近は、随分と早い時間に帰ってしまう。時折ベンチを見付けると、何をするでも無く座り込み、ただぐったりとする。
今日もそんな日だった。早々にお暇し、家のソファで伸びている。近寄って、頭を撫でると、呻き声が聞こえて来た。
「……子供の元気を……五割で良いから……分けて欲しい……。歓喜の悲鳴上げて走り回れる気力が……死ぬ程欲しい!!」
「随分と持ってくね?」
そこまで欲しがったら、歓喜の悲鳴を上げて走り回れなくなるじゃないか。そんなの子供らしく無いよ。しかし彼女は撤回する気は無く、ただ悔しげに下唇を噛み締めて、上を向いた。
「それぐらいあれば、今日の目的地、全て回れた。貴方に迷惑掛ける事も無かった」
君が全盛期と変わりない体力を戻す為に、僕を連れて歩き回った事を知っている。何でもない顔で、弱音も吐かずに笑顔だったのを覚えている。……そして季節風邪貰って寝込んだ事も。
「気にしてないよ。健康第一。熱中症で倒れたら、それこそ何処にもいけなくなるよ」
そう言うと、束の間の沈黙の後、僅かに啜り泣く声が聞こえて来た。しかしすぐに冷静になって、何でもない様に続けるのだ。
「若い頃にちょっと体力の前借りしてね、自分の中での無理も無茶も何でもした。でも今、そのツケを払っているんだ。過不足なく、ね。
ははは!! 女の体のせいにして、性別なんて関係ないのに!! あぁ……クソっ……弱くなったなぁ……」
「歳を取るって、身体が我儘になる事だから。無理も無茶も効かなくなるって事だから。あんまり全盛期の栄光に縋るもんじゃないよ」
するとまたそっぽを向いてしまう。負けん気の強い言葉も、弱音も、何も聞こえなかった。多分、不貞腐れているんだと思う。だから僕も何も言わず、ただ静かに寄り添い続けた。
不眠症
彼がテレビを付け始めた。恐らく、私が眠ったと踏んだが故の行動だろう。だが思い切り起きている。死ぬ程眠いはずなのに、起きている。
寝落ちする程眠い癖に、珈琲二杯キメせいか、眠れない。
人の声を砂嵐として聞くと眠れるけれども、砂粒として聞くと、眠れない。
背中に熱が籠るから、寝返りを打つ、眠れない。
頼むから気絶してくれ。頼むから……。
そんな思いを抱えながら、目を閉ざし続ける。何時からお前は、不眠症になったんだ……。
今より暑い日に、傘も持たずに歩き回った事。
今よりも長く外にいた事。
風邪の一つも引かなかった事。
そう思い返すと、もう随分と脆くなりました。
起きているのも、寝ているとのも、体力的に難しい。
無理も無茶もしちゃいけないんだと思います。
あれ、もしかしてデジャブ?
年取る事に、結局健康が一番ですよ。
病気しない。するとあらゆる面で足を引っ張るから。
仕事も遊びも出来なくなるから!!
腹立たしいですよ。病気して有給減ってくの。
自分にブチ切れたくなりますよ。
『あの時舐めた態度取らなければ……』とか思います。
この体に生まれて……とか考えましたけど、過去の自分を想像して、性別、体質、関係ありません。
ただの加齢です。笑っちゃいますね。
暑い日続きますけど、熱中症には気をつけて下さいね。
次の休みこそは。という責任感も説得力もない言葉を此処に残します。