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+プロローグ+
そこは、昔鉱山として栄えた小さな町だった。金や銀、錫の鉄鉱石が取れ、国で3番目の鉱山地のだ。この鉱山には昔から地下の世界へ通じる道があると誰が話し始めたかわからない伝説があった。いかにも嘘くさいが、大人たちは子供たちに土産話として話していた。そんな鉱山は今もう、廃鉱となり町は弩田舎になってしまったといっていいだろう。緑が多い尽くす、僕たちの町。 未北村という僕らのおわりではじまりの場所。 僕の、いや、僕らのすべてがそこで壊された。 何が壊れたのか、誰が壊したのか、どうか、教えて下さい。
一部
僕が帰ってきて、最初に見たものは……血だった。部屋一面が血で染まっていた。その血の持ち主は…もう一人の僕だった…。
混乱した、吐き気がした。声を出したくても、何かに抑えられているように出ない。
狂う自分は人影を見つけた。それは誰だったか…わからない。
これは誰の記憶か誰も知らない。知っているのは本人と…すべてを握る者達だけ。
―だから今はおやすみ… これからはこの記憶から6年後のハナシ…。