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目の見えない人

怖い童話「目の見えない人」


ある日、道を歩いていると

目の見えない人がいた。


僕は、かわいそうだと思い

手を引いた。

「どうもご親切に、ありがとうございます」

「どこまで行くのですか?」

「自宅までです」

「では、案内しましょう」


「目が見えないと、お買い物は大変ではないですか」

「いいえ、大変ではありません」

「目が見えないと、物騒ではないですか」

「いいえ、物騒ではありません」

「目が見えないと、危険ではないですか」

「いいえ、危険ではありません」


「なぜですか?」


「実は……」

「解るんですよ」

ニヤ、


「あなたが、私のバックからサイフを盗んだのも解るんですよ」

ニヤ、

「あなたが、私の家へ入って泥棒するのも解るんですよ」

ニヤ、

「あなたが……」

「私を殺すのも……」


「解るんですよ」


ニヤ、

ニヤ、

ニヤニヤニヤ……

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