18/19
赤い色
怖い童話「赤い色」
ピチャ、
服に赤い色が着いた。
真っ赤な色、
紅い色、
真紅の色が、シャツに着いている。
ケチャップかな?
ワインかな?
真っ赤な色は、シャツにしたたる。
「まるで、血みたいだ」
もしかして……
僕は、恐る恐る赤い色を舐めてみた。
塩っぱい!
「何だ、ケチャップか」
よかった、よかった、
でも…
量が多いぞ、
たくさんあるぞ、
床も真っ赤だ、
血も、確か、塩っぱいはず…
あっ、
いつの間にか僕は、手にナイフを握っていた。
いつの間にか僕は、死体の前に立っていた。
いつの間にか僕は、
全身、返り血で真っ赤だった。
やっぱり、
赤い色は、
血だった……




