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シャンプー
怖い童話「シャンプー」
ジャーーー
僕は、シャンプーがきらいだ。
シャンプーをしていると、
誰かが後ろに、立っているような気がするからだ。
ゴシゴシ、ゴシ
今日もシャンプーをしていると、
誰かが後ろに、
立っているような気がする。
「だれ?」
僕は、ちょっとだけ目を開けてみた。
ササッ、
黒い影が動く。
ジャーーー
慌ててシャンプーを流す。
誰もいない…
「よかった、気のせいだ」
僕はホッして、お風呂に浸かった。
ザプーン、
「もう一年生だから、一人でお風呂に入れるよ」
あったかい〜
ウト、ウト、
僕は気持ち良くなって、うっかり目をつぶってしまった。
ササッ、
あっ、
黒い影に手を掴まれた。
黒い影に引っ張られた。
黒い世界に、連れて行かれた。
黒い、
黒い、
真っ黒い世界から、
白いシャンプーの泡が見える……




