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Fog  作者: Two_two
プロローグ
6/7

資料 シベリア濃霧発生地に遺された霧についての観察

 霧に触れた人は重力を捨て、上へ引っ張られるように体が浮く。


 どこが引っ張られているか分からないが、確かに浮かせようとしている。


 身につけているものは力を受けないようだ。


 私は家の柱にしがみついているが、上ではなく柱から引き剥がすように引っ張られる。


 引き剥がされることによる手や腕の圧迫や痛みはない。


 むしろ家が持ち上がってしまいそうだ。


 「それ」は知性を有している?


 ならなぜ手足をもごうとしない?


 私がわかるのはここまで。


 ごめんよ家族よ。


 シャーリー

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