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Fog  作者: Two_two
プロローグ
5/7

僕の研究テーマ

毎週投稿は出来ないかもしれないけど、月曜の朝に投稿設定はするつもりなので………

あと矛盾点だとかちょっと変だなって思った所は適宜修正を入れるつもりです。

ただ修正するのは、物語進行には関係ないちょっとしたものなので、読者の皆さんが神経質にならなくても大丈夫なようにはします。

 10時になって少しした後、濃霧救護班が到着した。

 よくこの研究所を見つけたなと褒めてあげたいが、どうせ所長がなんかしたんだろうということで納得しておこう。

 検査としては、体調に関する簡単な問答や心拍数の計測など、そんな大仰なことはせずにどんどん進んでいった。

 しかし、例の天井青年たちは色々と質問受けていたようである。

 それで何か分かったら苦労しないんだけど。

 でも霧に触れて生還するなんてレアな出来事はほとんど起きたことはないのではないだろうか。

 彼らがモルモットのように扱われないことを祈るばかりである。

 浮いたことは所長には伝えていないが、伝えていたら「1ヶ月ほど拉致るね!」とか言ってモルモットより惨い目に遭う気がする。

 所長の研究テーマは知らないが、コレクター魂があるみたいでレアそうなものは集める気質があるように見える。

 この前なんてお土産のコインをあげたらすぐにケーキみたいに4等分にして、酸に漬けたり組成を調べてたりした。

 まあ研究者というのはね、そういうものだとは思うけどね、ちょっと心に来たね、あれは。

 集めるなら集めるだけにしておくものじゃないのか普通のコレクターは。

 それはそれとして、電車も復旧したみたいなので検査が終わった人から駅に向かって行った。

 みんな去り際に僕に礼を言ってくれたのは素直に嬉しかった。

 研究のモチベーションが上がるからありがたい。

 別に下がりはしないけどね。

 青年たちは詳しく身体などを調べられるらしく、濃霧救護班と一緒に去っていった。

 グッドラックである。

 そして僕は所長の部屋に行くのであった。

 語弊があるとマズイが、所長室という意味である。


 僕は所長室の扉をノックする。


 「僕です。皆さんの検査が終わったので来ました」

 「………」

 「…?所長?……あれ開いてる」

 「………」

 「流石に入っちゃダメだな。また後で来るか」

 「ちょっち待てぃや!!」

 「やっぱりいるじゃないですか……なんで黙ってまた隠れようとしてるんですか所長」

 「今月は敬語禁止月間だからね。敬語には反応しないルールが課せられてるのさ」

 「それいつ決めたんですか」

 「さっきだよ…あっ、反応してしまった……!」

 「もしかしてみんなも…?」

 「そもそもみんな家族みたいなものだからね。普段から敬語なんて使ってないけど、みんな『英語禁止ゲーム』的なノリで楽しんでくれてるよ」

 「やっぱり僕ターゲットされてるじゃないですか…」

 「………」

 「………めんどくさっ」

 「最初のタメ語がそれなのはちょっと審議が必要だけど、まあいいや。研究には円滑なコミュニケーションが必要だからね。要件伝えるだけなら、オレ オマエ クウ でも問題ナッシングなんだけど、使い慣れてる言語の方がいいからね」

 「なら敬語でもいいじゃないですか……いいじゃん」

 「成長が早くて嬉しいよ。敬語は文字数が多くてしかも一部伝わりにくい言い回しとかあるからね。なるべくの効率化だよ」

 「……了解っす。それで、例の件なんで……なんだけど……むずがゆいなぁ」

 「ああ、本題に入ろっか。じゃあ入ってとりあえずテキトーに座ってて。お菓子持ってくるから」


 この長話は所長室の入口で行われていた。

 別に敬語でいいと思うけどな……。

 ま、郷に入っては郷に従えって言うし、努力するか。

 所長室の内装は別に高級感はないが、幾何学的に効率的な綺麗さを感じるような見た目をしている。

 無駄を嫌う研究者ならではの、いや個人差はあるけど、尊敬できるような気品をもっていた。

 普通こんなちんちくりん所長の部屋っていうのは汚部屋なのがテンプレだが、この所長は常識をねじ曲げている。

 常識とは。

 奥に社長イスとデカい机があって、手前に膝までくらいの高さの透明感のあるテーブルを挟んでソファーが2つ置かれている。

 右と左は吹き抜けのようになっていて、あたかも豪邸の一部屋のようであるが、やはり無駄のない研究者然とした配置となっている。

 今回が初めての入室ではないが、新鮮な感じはするものだ。

 と考えていると、所長が色々持ってきた。

 7割方駄菓子なのは…まぁ…。


 「で、霧に関する資料っていうのは?」

 「お菓子持って来るのに集中してて忘れてた!ちょっと待ってて!」

 「所長……」


 こういう所に人間性としての好感はもてるんだけどな…。

 残念指数が高すぎるのが問題である。

 1分くらいして、所長はノートパソコンと何冊かの本?雑誌?を持ってきて、テーブルに置いた。

 そしてお菓子とお茶とを口に運びながら。


 「一応現物資料としてはこの3冊かな。観察日記みたいな情報しかないけど、ネットで見れないようなことが書いてあるからちょっとは役に立つかも。あとで電子資料は見せるけど、とりあえずパラパラっと目を通してみて」

 「ありがとうございます……これはセーフだよね?」

 「ギリちょんアウト!」

 「……ありがとう」

 「セーフ!」


 やかましいが、資料を見てる時は邪魔にならないように気配を消してくれている。

 なんてできる人なんだろうこのちんちくりんは。

  人の考えが読めるのか、そんなことを考えていると視線を感じる。

 僕は資料を読み進めていった。


 そして10分ほどして、現物の資料と電子資料には目を通し終わった。

 なんと言えばいいのか……。


 「観察しか出来ない事象だってことは何となく伝わった」

 「そうらしいね。確かに観察できたとしてもその証人も天に昇って行ってしまったわけだからね」

 「置き手紙みたいに状況を記録して遺していった研究者には頭が上がらないなぁ。あったま良くて羨ましくもある」

 「キミがそれを言うのはナンセンスだけど、そのおかげで推測が少しできたのも事実だからね」

 「人間だけ……か。奇妙な現象だけど、アイク博士が気に入っていたのも分かった気がする。昼飯食べたら今日はこの研究をしてみよっかな」

 「私は自分の研究があるから直接手伝えはしないけど、何かあったら遠慮なく言ってね!キミのためならここにいる研究者たちは協力を惜しまないだろうから」

 「ありがたいけど、なんでそんなに慕われてる?のか全く自覚がないけど、僕何かした?」

 「いや、キミは研究してるだけだね」

 「なおさらなぜ……」

 「まあいいじゃん!使っちまえよ……!」


 と、所長は悪そうな顔をして言ってるつもりだろうが、迫力がない。

 僕はテキトーに返事をすると、資料の持ち出しの許可を得てから自分の研究室に向かった。

とりあえず第1章はこんな感じで。

次章から動き始めます。

章分けの設定とか上手くできないかもしれませんが、試行錯誤しながらなので大目に見てもらえると助かります。

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