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普通のメイドが不老不死になった結果  作者: 明鏡止水
本編

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13/16

十三人目の主

私は、不老不死のごく普通のメイドです。



西暦2460年、私は新たな主人に出会いました。

ご主人様は資産家の奥様がおられ、やや感情の起伏が激しい方でしたが、基本的にはお優しい方でした。

他の方に少々きつくあたることはありましたが、不思議と私の日頃の働きや人格に苦言を呈される事はありませんでした。

そのため、私個人としては決して悪い方ではないと思っていました。


ところがある時、同時に雇用されていた他の使用人の方々の間で囁かれているという、ある噂を耳にしました。

「旦那様は奥様の遺産を狙っている。結婚したのも、奥様の資産目当てでの事」


私はにわかには信じられず、けれどどこか納得するという複雑な気持ちになりました。


資産や権力を目当てとした婚姻が存在するという話は聞いた事がありましたが、それも数百年前の話。

現代では殆ど聞かないので、そういう人はいなくなったのかなと思っていたのですが。

いつになっても、醜い人間は一定数いるのですね…

いや、もしかしたら人間自体が醜い生物であるのかもしれません。

としたら、私が人間として…醜い生物として、永きを生きているのは何のためなのでしょうか?




何はともあれ、ご主人様は2615年に退職されるまで、私の認知している限りでは至って真面目にお仕事に精を出されていました。

そして、退職後は奥様と邪険になることもなく、至って普通に生活されていました。



ところが2625年、ご主人様は寝込みを何者かに襲われたらしく、暗殺されてしまいました。

それを知った時奥様は大変悲しんでおられました。

勿論私もです。


しかし、その後奥様は妙に立ち直りが早く…

いや、明らかに元気になられていました。

不審に思い調べてみたところ、このような事が明らかになりました。


ご主人様は当初、奥様の資産と権力を狙って結婚しました。

そして、退職後は奥様の財産を食い物にし、奥様の死後は本格的にその遺産を肥やしにして生きるつもりだったのです。

しかし奥様もそれに勘づいていました。

わざとご主人様の陰謀に気づいていないふりをし続け、退職後の10年間受けとれる給付金の給付が終わったタイミングで、殺し屋を雇ってご主人様を暗殺。

残った給付金を全てせしめるつもりだったのです。


今の世に、こんな下劣な人間がいるなんて…

しかも、そんな方々に仕えていたなんて。

私はぞっとしました。



私の主人は欲に溺れ、無惨な最期を遂げました。

私は奥様の元を離れ、綺麗な明日を探しました。

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