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第五十一話 幽霊船

報告が遅れましたが、更新がまばらになります。

いつも読んでいただいている方々、また、続きを楽しみにしてくださる方々に感謝しています。

続きは出来次第上げていきますので、今後ともよろしくお願いします。

  海を漂い続けると、様々な海賊船を見ることがある。

そのほとんどがNPCで戦えば何かしらが手に入る。


しかし、目立ったお宝などそう現れるものでもなく、現在三人が持っているのは一番初めに手に入れた"黄金の聖杯"だけだった。


「おっまた船が見えてきたぞー」


 リリィがそう言って前方を指で示す。

甲板にいたフラウとリーリアもよく見ようと身を乗り出した。


「ん? なんかあの船、ボロボロですね」

「ほんとだー戦ったあとかなぁ?」

「じゃあプレーヤーってことですかね」


フラウが大きく手を振ると船は静かに近づいてきた。

船から出てきたのは頭から血を流したNPCだった。

彼らは怯えた表情でフラウ達に声をかける。


「この先は危険だ! 幽霊船が出るぞ」


NPCの船はそう言ってフラウたちの船の横を通り過ぎていく。

三人は首をかしげて顔を見合わせる。


「どうする?」

「行ってみるしかないだろ!」

「だねー」


フラウとリリィはやる気を見せているが、リーリアは浮かない顔だ。


「私、幽霊とかゾンビとか苦手なんですよ」


リーリアが小さい声でそう言ったが、二人には届かなかった。


 〇


  船を進めること数分。

空が暗くなり、稲妻が雲の隙間を走っていた。


「おっ見えてきたぞ、あれじゃないか?」


リリィが指を指した方向に、帆は破れ、甲板は穴が空いて所々に骸骨が横たわっている船が浮かんでいた。


「絶対あれだ! 早速乗り込も〜!」


フラウが元気よく船を幽霊船に固定する。

併走する形になった時橋をかけ、海賊船に乗り込んだ。

三人が船に足をつけた時、近くの骸骨達がふらりと立ち上がる。


「やっぱりモンスターだ!」

「アンデッド系は体力が少ない分、攻撃力が高いので気をつけてくださいね」


リーリアのアドバイスを参考に、二人は立ち回る。

アンデッド系のモンスターが苦手だと言っていたリーリアは二人より一歩引いたところで援護射撃をしている。


「ん? なんかモンスターの動きがおかしいぞ」

「みんな地下に帰っていくね」

「着いてってみようぜ」


リリィがそう言い、フラウも後が続く。

リーリアはあまり乗り気じゃなかったが、一人で甲板にいても同じことだと思い直し、二人を追いかけることにした。


 船の地下は甲板より荒れていた。

モンスターが向かう先にあったのは、不気味な魔法陣。

そこで骸骨たちは何かを唱えているのか、追いかけてきた三人に見向きもしない。


魔法陣は三人が近づいた時発動した。

中から出てきたのは大きな船長のような格好の骸骨。

杖を持っており、モンスターをさらに発生させる。


「くるぞ!!」


リリィの合図に二人は構えた。

目標はリーダー格のモンスター。

リリィが道を切り開き、フラウとリーリアの魔法で攻め入る。


骸骨の軍団は簡単に倒された。

空は晴れ、船は蘇る。

魔法陣とモンスターが消えた時、残されていたのは宝箱だ。

それは二つある。

一つはゴールドに輝く宝箱、もう一つはいつもボスモンスターを倒した時に現れる大きい宝箱だ。


 先に大きい宝箱を三人で持ち上げる。

出てきたアイテムを仕舞い、スキルを確認した。


「リーリアちゃん、この二丁拳銃って言うのはどうやったらつかえるようになるの?」


フラウがそう訪ねると、リーリアが「それは」と続けた。


「ガンナーになればいいんですよ。今フラウさんの職業は魔道士です。転職って言う制度があって、一定のレベルに達したら使用できるはずです。その転職では、自分の戦闘スタイルとスキルにあったものがピックアップされるんです」

「私もできるかな」

「フラウさんならとっくに使えるはずですよ。後で一緒に見て見ましょう」


リーリアがそう言うとリリィも「私も見てみよー」と声を出した。


「そうだ、今回のお宝フラウが持っててよ」

「どうして?」

「一人一個持って守る方が、負けた時の保険が効くだろ。それに、なんかバングルになってて、つけてたら魔力を上げてくれるらしい」

「災厄の腕輪って名前なんだ、変な感じ」

「まぁとりあえず着けとけば?」

「うん」


フラウが素直に腕につける。

ゴールドで紫に光る宝石が着いている。

散りばめられている装飾もどこか豪華でフラウは気に入った。


 三人はそのまま幽霊船から自分の船へ戻った。

船は三人が降りると途端に姿を霧の中に消した。

そして、三人の船は島を見つける。

その島は大きな城壁があり、一目見て国だとわかった。

長い海の上の生活も一旦終わりを告げようとしていた。

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