第四十九話 ライライ島クリア
ダンジョンのボスは巨大な海賊船と餓者髑髏の船長のような見た目だった。
大砲の攻撃、放水、近づけば右手の鍵フックで薙ぎ払われ、なかなか近づくに近づけない。
フラウは既に狼になっており、リリィはブラッド・ヘムンドをいつでも打てる状況だ。
リーリアは魔法で援護しつつ、隙あらばと飛びかかっていく。
「なかなか体力削れないですね」
リーリアがそう言って横に並ぶ二人を見る。
リリィもフラウも頷いてまた大砲から飛び出てくる弾丸を避けた。
そしてフラウはファイアーボールを、リリィは天誅を打ち込む。
敵の体力は残り半分。
「"ヘルススタイル"」
フラウが二人より一歩引いたところでケルベロスに変化した。
「私が敵を抑えておくから、その隙に二人は思いっきり叩き込んで!!」
フラウがそう言うと二人は準備を始めた。
リーリアはレイピアをもち、いつでも飛びかかれる距離に、リリィは弁慶を呼び出し構える。
「"アーティラリー・ブラスト"」
フラウがレーザーを真正面から放った。
敵のモンスターはその攻撃から身を守るため、船を盾にする。
防御が手薄となった敵の両脇に、リリィとリーリアは回り込みそれぞれの技を使う。
「"解除"」
「"オーバーエッジ"」
二人の剣先が敵の横腹に直撃する。
敵は驚き、ふらついた。
そして、盾にしていた船に隙ができる。
そこへフラウの二発目のレーザービームが直撃する。
敵の体力が大幅に削られた。
リリィが体勢を整え黄金の輝きを放つ。
「"七宝・太刀千罪咎"」
リリィが剣を振り下ろしたと同時に幾千の刃が船や餓者髑髏を貫く。
モンスターは悲鳴をあげ電子となり消え去った。
三人は喜び、ハイタッチする。
「やったあ!! 長かったねー」
「そうだな! おっ宝箱出たぞ」
宝箱を三人で囲み、その蓋を持ち上げる。
三人のアイテムボックスにそれぞれのアイテムが追加された。
「私は大海原の剣と防具ですね。あとスキルが増えました! お二人はどうでした?」
リーリアが問いかけると二人が答える。
「あたしは水系のスキル数個と、"帝王の心得"っていう称号もらったよー! 自分より強い相手だと、ステータスが上がるみたい。あとは防具かな」
「私は"スキュラ"?っていうスキルと"グール"っていうスキルだったよーそれ以外は何もなかった」
「今回苦労した割には少ないな。それとも、その二つがよっぽど強力とか?」
「うーん、わかんない。また試してみよー」
フラウはそう言ってコマンドを閉じる。
三人はそのままダンジョンを後にした。
今日は目的も達成したため、一旦ログアウトすることにした。




