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002

しばらく毎日更新しますm(*_ _)m


 あれからなんやかんやで3年位の時間が経った。

 結論から言うと麦作は成功をはるかに通り越して大成功も通り越して超成功としか言えない結果に終わった。

 ついでにまだ醤油とか味噌とかはできていないがとりあえず大豆の栽培を開始した。

 まだ牧畜に手を出せるような感じではないがそのうち牛や豚、鶏といった家畜にも手を出して行きたいというものだ。



 魔法の研究なのだが、やっぱり狩りというものから離れて研究に専念できる状態になると効率は段違いで雷の魔法と身体強化魔法の開発に成功した。

 身体強化魔法は割とえげつないもので拳一本で直径1メートルもあるような大木を殴り倒せるようなどこぞのスティーブさんみたいな事ができるようになった。

 今考えるとスティーブさんマジやばいよな、拳で大地を掘り返し山を作り、岩を砕く。

 灼熱の溶岩の中に落ちてもほんの少しなら生き残れるとかまるでチートである。

 ……そんなスティーブ並のパワーを発揮できる俺も十分にチートなのだが。



 あと、村の人達が全体的に衛生状態に気を使うようになったおかげで子供の死亡率も遥かに下がり、あっという間に人口が増えた。

 まあ、洞窟で出産するよりも家の中で出産した方がそりゃあ死亡率も低くなるよなって話だ。

 そのお陰でますます俺が崇められて、他の群れの人達にも神といえば俺みたいな感じになっているらしい。



「よお、神様。

 なんかお前に会いたいって客が来てるぜ?」

「分かったすぐ行く」



 こうして集落を作り始めてからいくつかの群れが俺達の仲間になりたいとか言って合流したおかげで今では村の人数は数百人というレベルで、あと少しすれば四桁に登り始めそうなくらいだ。

 だがまだまだ所詮村と言ったレベルで、本格的な建物も俺が建設中の神殿(俺の家)くらいしか無い。

 去年から建造を始めたのだが割と何とかなるもので、もう半分くらいができ上がっている。

 ピラミッドのように石を四角錐な形に積み上げて行き、一番上にいかにもな感じの石の柱を埋め込んでそれっぽい神殿を作り上げる。

 研究の息抜きとして作っている程度なので現在では一辺が250メートルほどもある超巨大な台形型の何かにしか見えない。



 ただ内部はかなり入り組んでおり作った俺も時々迷うような巨大迷路と化している。

 その結果迷宮を作ったはいいもののこうして入口の部屋しか使っていない。

 結構内部に部屋や通路を作っており、意外とスカスカなので大地震とかが起こると崩壊しかねないので何かの魔術でそのうち補強するか一つの石の塊へと変えてしまう予定だ。



 そんなことを考えながら外来客用の建物まで向かうと赤い髪をした色白な人達が居た。

 ん〜、微妙。

 やっぱり自分の部族の人達が一番可愛く見えるのは俺達の特性なのだろうか? 



「俺の国によく来たな、とりあえずは歓迎しよう」

「お、おお……神がこの地にいるとは事実であったか……」

「うん? あー」



 あ、そう言えば身体強化魔術掛けっぱなしだったな。

 これを掛けていると謎のオーラみたいなものが肉体から出てくるのだ。

 薄い青色の光となって発せられるので夜道を歩く時は結構便利だったりする。

 最近は寝ている間以外は常時ONにしていたのでこれが神の力か何かにでも見えたのだろう。



「……まあ確かに俺が神と呼ばれている者だ」



 もう神って俺の事を指す名詞みたいになってんなほんとに。

 自分で私が神だ! 

 みたいに名乗るのってちょっと恥ずかしい感じがあったんだがもういいや、吹っ切れよう。

 我が名はウロ、世界最古の神にしてこの世界を統べる者だ(キリッ)

 うん、意外とカッコイイしこれでいいか。



「で、なんのようなんだ?」

「はっ、我々もこの地の民として認めて頂きたく」

「では日が沈む方向、西に居住することを許可する。俺の使徒としてしばらくこのジェトを付けておく。

 この地での暮らし方を存分に学べ」

「了解、じゃあ案内するから1時間以内に部族の奴を全員集めとけよ」



 こっちに引っ越してからジェトは俺の使徒的な存在としてこき使いまくってるんだがコイツはガチで有能だ。

 子孫代々俺の使徒として使う事は決定だな。

 ジェトもそろそろ17歳と普通はもう結婚してる頃合だし、子供の顔が楽しみである。

 え? 俺? 

 結構衛生状態もしっかりしてきて、そろそろ考えても良いかなぁとは思ったが俺は数万年生きるつもりなので結婚とか無理ゲーである。

 というか神と結婚とか恐れ多いって感じで誰も俺の事を性的対象としては見てないらしい。



 ……まあ、そうだよな。

 現代の宗教とは掛け離れた感覚を持っている俺は特にそういう事を気にした事はないんだが、ガチのキリスタンとかがナザレのイエスと結婚できるけどする? って聞かれたら大多数はNOと答える気がする。

 俺は研究が恋人みたいなもんだし、恋愛なんてしてる暇があるならば神殿建ててるから多分現代並に文明が進歩するまでは恋人や嫁なんてできないだろう。



「それにしてもかなり人が増えたなぁ……」



 そろそろこの部族に名前を与えたり、法律を作ったり、通貨を設定した方がいいかもしれない。

 今は神の名の下に一致団結して協力して生きているのでこれといった争いは些細なものばかりだが絶対そのうち何かしらの問題が出てくるだろう。

 あと文字も作っておくべきだろう。

 最低でもアラビア数字と漢字は導入しておきたい。

 文字そのものに意味がある漢字ならば部族間で読み方とかが違っても普通に使えるし、アラビア数字は現代の地球でも使われているように究極なまでに洗練されて完成された文字体系の一つだ。

 ジェトに教えてから広めておくようにしておけば数年で漢字が主流になるだろう。

 簡単な漢字だけならすぐに覚えれるし、これも早くやっておくべき事だろう。



 とりあえず法律と通貨からだな。

 とりあえずやられたらやり返す方式で適当に作っていって、通貨はそのうち金属にも手を出そうと思っていたのでちょうどいい。

 とりあえず様々なものを売って、通貨を手に入れる事ができるようにしてから、通貨を使用して俺からこの地で生活する権力を買えるようにすればいいだろう。

 俺と同じ部族の奴らは第一等市民にしてそれなりに偉いという事にして、金さえあれば一時的にではあるがこれと同等の権利を得ることができるとかそんな感じでいいだろう。



 俺の部族の髪質はどうやら遺伝的劣勢なようなので他の部族との間に生まれた子供が似たような髪質になることはまず無い。

 これで身内かどうかが一発でわかるので簡単に見分けがつくなら身内を優遇するのは当たり前というものだ。

 優遇と言っても優遇し過ぎれば革命とかが起きそうなのでもちろんメリットとデメリットは同じくらいに設定しておこう。

 第一等市民が法律を破ってしまった時には通常よりもかなり重い刑罰が下されるとかでいいだろう。

 いわゆるノブレス・オブリージュと言うやつで、基本的に優遇されて税も収める必要は無くなるがその分色々な義務が課せられるといった感じだ。



 他にもまあ色々と細々したものを定めて結構それっぽい法律が出来上がった。

 二章構成の合計十三条の憲法的な何かと、簡易的な刑罰表と税金を定めたものだが結構面白いのができたと思う。

 うん、あとは金属の確保だな。

 金属。

 金属……。

 金属……? 



「金属ってどうやって見つけんだよおい……」



 金属の前は石や貝殻が通貨の代わりになっていたのでそれを参考にしてもいいのだが、如何せん俺が貝殻や石に価値を見いだせないのでこれを通貨として一般的にすることは出来ない。

 なら紙幣を発行するかと言われたらそれは出来ない。

 なぜなら紙を発行する技術なんてないからである。

 うん、当たり前だね。

 物々交換から脱却する為にはまだまだ掛かりそうだぜ……トホホ。

 ……とりあえず文字だけ広めとくか。





ブクマ、評価、ありがとうございます!

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